森田朗の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○参考人(森田朗君) 今先生が読み上げられた部分につきましては、私も少し踏み込んだ形であえて書いたところでございます。それは、これまでの自治の主張からいえば、やはりそれぞれの自治体に住んでいる人がその場において最大のサービスを受けるのがあるべき姿だというイメージだったと思います。
しかしながら、財政の問題もさることながら、人口のことを考えたときに、今はともかくとしまして、二十年後、三十年後、そして更にその先を考えたときに、やはりこの国の形というのは相当変わってくると思います。
一例を申し上げますと、最近は医療が発達してまいりまして、まさに高度の医療によってこれまで治らなかった病気が治るようになりました。しかしながら、そのような治療ができる病院といいますのは、非常にコストも掛かりますし、専門医もいなければいけない、装置も要ると。そういう病院をどこに配置するかというのは非常に大きな問題になってまいります。全国至るところに、どなたでも救急車でそこに行けるようなところにそうした病院を配置するということは現実には難しくなってくるとしますと、そうした病院でもって救済を受けられる人というのは、ある程度の範囲で限られてこざるを得ません。それをどう考えるかということだと思います。
したがいまして、できるだけそうした高度のサービスといいましょうか、そうした機能を持つところにできるだけ将来的には集約化していかなければ、だんだんだんだんサービスの質というのは全体的に落とさざるを得なくなってくるのではないかと。そのことを考えたときに、私も地方分権、地方自治の推進ということで随分関わってまいりましたけれども、今の人口動態、そして財政的な姿を見ている限りは、それは将来の姿としてそのまま続けていくことは非常に難しいのではないかと。
そこで、ダウンサイジングという言葉をあえて使いましたけれども、思い切った発想の転換をして、これからのこの国を持続可能な形に考えていくという必要があるのではないかと思った次第でございます。