森田朗の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○参考人(森田朗君) 最初にプレゼンテーションのところである程度申し上げたと思いますけれども、私自身は、地方分権改革といいますのは、それまでの、国の下で、地方が国の言わば統制を受けるという形を変えて、地域が地域で物事を決めることができるような形に変えていくという意味では大変大きな成果を上げたと思います。
ただし、先ほど申し上げましたように、それが前提としておりましたのは、財政状況というものがだんだんだんだん好転していくのではないか、あるいは変わらないのではないか、また、人口もそれなりにそれまでと同じようなトレンドで増えていくのではないかと。そうした前提の下で制度を変えることにより、権限を自治体に移す、そして明確化すると同時に、その自治体が使える財源も増やしていくという改革を目指してきたと思います。
しかしながら、現実には、財政状況が九〇年代以降非常に厳しくなり、さらに、九〇年代の後半から特に若い世代の要するに少子化が進んでくるということになってまいりました。それと同時に、経済の停滞も伴って都市部への人口の移動が起こってくるということになった。そうしますと、実際に分権の権限を付与したとしても、地方が自立的な政策運営を行うだけの財政的な基盤というものがなかなか確立できなかったのではないかと思います。
三位一体改革は、そこは国と地方の間で、ある意味で、交付税と補助金と地方債の債務を整理をしようという形で議論が行われたわけですけれども、これは、国と地方、地方間の間で利害がなかなか一致しなかったというところで、何といいましょうか、それぞれの方が不満を残したまま決着を付けざるを得なかった状態だったというふうに思っております。
その意味でいいますと、分権改革といいますのは、制度面につきましてはかなり進んだ形で展開されましたけれども、それが、前提としていた条件が満たされなかったために、今日非常に、人口減少も含めてですけれども、厳しい状態に陥っている自治体も出てきているのではないかなというふうに思っております。
したがいまして、これからの在り方としては、もう一度、今の前提を見据えて新たな制度の考え方というものに目を向けていくべきではないかというのが私の意見でございます。