2015-02-25
参議院
岩田一政
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
岩田一政の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(岩田一政君) そうですね、私、アベノミクスというのは三本の柱から成っていると。三本が実は一本でも欠けると本当はうまくいかない体系なんだと思います。
財政政策は、柔軟な財政政策という言い方をしまして、つまり景気が悪くなったときには一時的な拡大もやります、しかし同時に中長期では健全化のための努力をしますということが入っているわけですね。それで、その意味では財政再建の問題というのはある意味では考慮されているというふうに思うんですが、具体的な政策をそれじゃ見てみますと、じゃ財政再建のための具体的な提案というのはどこまで出ているかというと、私から見ると非常に不足していると。
なぜ財政赤字になっているかというと、基本的には、私、今の社会保障制度が人口構造の大きな変化に、人口が減少して少子高齢化するという仕組みにうまく対応していないんだと思います、これは医療についても年金についても。この基本的な原理は、賦課方式といって、働く世代が保険料を払ってリタイアした人がそれを使うというんですね。人口構造がこういうピラミッドだとこのシステムは非常にうまくいくわけですね。
これは、企業の終身雇用制度とか何かとも全く同じ問題だと思っていますが、その人口構造が逆さまになったときには、これまでの企業の雇用慣行でありますとかあるいは賃金の決め方ですとかというのが同じようにはもう機能しないということが九〇年代半ばから起こったんだと思います。社会保障制度についても同じでありまして、働く世代がどんどん減っていってリタイアした人がどんどん増えていく。それを、働く人が自分のためにためるのではなくて既にリタイアした人のために保険料を払うという仕組み自体が、今の人口構造の大きな変動の中でその持続可能性が問われているんだと思うんですね。
ということなので、私、社会保障制度の抜本的な改革という姿が、基本的に言いますと、賦課方式ではなしに、自助をどちらかというと中心にした、働く間に自分がリタイアしたときのために積み立てておくというような、公的年金でもですね、あるいは医療についてさえそういう仕組みを、社会保険、あるいは場合によると民営化するという、そういう仕組みに変えていくような大きな社会保障制度の改革というのがないと財政の健全化というのは、毎年、例えば一千億切りました、二千億削減しましたと言っていたのでは間に合わない話だというふうに思います。その意味では、第四の柱として、抜本的な、それこそこれは社会保障制度や税とも絡まっていますので、税・社会保障制度の改革というのがない限りは健全化というのは難しい。
同時に、日銀との関係でいいますと、金融政策の方が幾ら頑張っても、これは象徴的ですが、今、早川さんの方からお話ありましたけど、一三年度は二・一%成長したんですが、随分財政に助けられていたんですね。二・一行ったと。ところが、消費税上げてみたら、結果は、我々の予測では一四年度はマイナス〇・九%というのが予測なんですね。二・一がマイナス〇・九。これを事前に予測した、正確に予測したエコノミストはいなかったんじゃないかと。これは政府も中央銀行もしていなかった。私、何かそこに誤りが、認識の誤りが私はあったというふうに、自分自身も含めてあったというふうに思っていますが。
財政政策の有効性というのは変動レート制の下だと余りないというのが基本的な考えで、金融政策が非常に強い。これはマンデル・フレミングのモデルと言われていますが。でも、現実に起こったことは、金融の方は続けて拡大していて財政の方だけちょっと変わったらプラス二・一がマイナス一%に近くなってしまったということは、財政についても効果があるということを考えた上で財政の健全化を考えなきゃいけない。しかも、そのときにどうしても、これ今の財政を良くしようと思えば歳出削減するか増税するか、これしかないわけですね。そうしますと、どうしても経済にはマイナスの影響が及ぶんですよね、そのプロセスでは。もちろん、これは短期と中長期と、これは議論がいろいろありますが。そのときに少しぐらいのマイナスの効果があっても、それをはね返せるだけの強い経済にしておく、それが成長戦略だと私認識しているんですよね。
ですから、財政再建やろうが、少しぐらい成長率がスローダウンしても、一%例えばスローダウンしても、それは十分に耐えられるという経済にするために成長戦略が必要で、そのためには人口減少というのはどこかで止めなきゃいけない。そのためには非常にお金が掛かります、むしろ。これは子育て、一・四の出生率を一・八に上げるのに八兆円やっぱり掛かるというのが我々の試算ですけれども、それじゃそれはどこから持ってくるのかと。これは、私は今存在している社会保障制度の抜本的な改革なしには不可能だというふうに思います。