井手英策の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(井手英策君) どうもありがとうございます。
 御指摘のとおりで、税をどのように上げるかということを国税と地方税というふうに分けて考えないといけないと思うんですね。そのときに、国税というのは、つまり国の仕事のための税ですから、基本的には生存保障を行っていると思います。それは、困っている人や貧しい人を助ける、そういう視点からは累進性をどんどん強くしていく、国税の中でも累進性を強くしていって、困っている人を助けるという税でいいと思います。
 ただ、他方で、地方の方は生存の保障ではなく人間の生活を保障しているわけですね。であるとするならば、その生活はあらゆる人々にとって必要な生活を保障していくわけですから、累進的にやっていく合理性を失ってしまうわけですね。その意味で、あらゆる人々にフラットに、みんなが払えるような税をつくっていくのがよいと。ですから、ただ、今後は、恐らく人々の生活を豊かにするという領域の方が大きくなっていくと思いますので、ウエートとしては地方税の方が大きくなっていくというふうに私は考えております。
 それと、二つ目の御質問ですが、経済政策の失敗というのは、恐らく今の御質問とは違った意味で私は失敗だというふうに思っています。
 一つは、人々の社会へのニーズが変わっていく中で、財政もそれに合わせるように、例えば教育であれ医療であれ、育児、保育であれ養老、介護であれ、人々の必要に見合ったサービスを出していくべきだったと私は思っています。しかし、そのことが本来であれば実は雇用を生んだはずなのに、ここに十分に対応できなかったことがそういった意味での雇用を生み出せなかったと。そういう意味で問題があったと思うのが一つであります。
 それともう一つ、今教育のことを申し上げましたけれども、そもそも、最近、OECDやIMFのペーパーが明らかにしていることなんですが、成長させるために何が重要かというと、子供への教育投資なんですね。このことが将来の成長率を高めるという研究が次々に出ています。しかしながら、九〇年代以降、教育費というのはほぼ事実上横ばいで来ていると。たまに増えたと思うと、これ公共事業的な意味で増えるんですね。だから、そうではなくて、もっと積極的な教育投資をやって、特に子供に向けてですね、成長率を高めていくという施策が必要だったと思っています。
 ただ、究極的には、人々の生活を財政が保障するということの意味は、成長率が鈍化しても何とか人々が生きていける社会をつくるということであって、成長が停滞するとたちまち人々の生活が危機に陥るような財政になっているという、ここが本質的な問題じゃないかと私は思っています。

発言情報

speech_id: 118914332X00320150415_012

発言者: 井手英策

speaker_id: 29980

日付: 2015-04-15

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会