井堀利宏の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(井堀利宏君) どうもありがとうございます。十八年前の話、どうもありがとうございます。
 それで、今日の話というのは、確かに歳出削減と増税の、消費税の話を少しお話ししたんですけれども、今日の最初でちょっと触れたように、財政再建なり財政健全化をする場合にとってのスピード感をどうするかというのがやはり重要で、やはり十八年前と今との大きな違いというのは、いわゆる団塊の世代が十八年前はまだ働いて元気で、ちゃんと保険料なり税金を納めた時代でしたわけですね。それがもう既に引退して社会保障の受給世代になって、これからその受給額が、個人ベースでもそれからトータルとしてもどんどん拡大していく時代に二〇二〇年代に入っていくと。
 それから、昔と比べると日本の全体のやっぱり潜在的な成長率は落ちていると思うんですよね。だから、これから一〇%ぐらいの名目成長率が実現していけばこれはある意味で問題ないかもしれませんけれども、やはり二〇二〇年代以降を考えますと、これがかなり厳しくなってマイナスになるかもしれないと。そうなってくると、早めにやはり財政再建のめどを付けた方がいいと思うんですね。
 そのためには何が必要かというと、歳出削減なり増税にしても、やっぱり早めにしておくと。ただ、消費税を上げるのであれば、二〇%まで上げる必要はないと思うんですけれども、一〇で、私は一五ぐらいまではしようがないのかと思いますけれども、早めに一五に上げて、その後はもう上げないで、なるべく歳出削減の方で頑張ると。
 だから、その歳出削減の一つとして社会保障の歳出を、毎年の自然増をどこを削ってどうするかということをやっていくとどうしても微調整に終わってしまいますので、抜本的な社会保障制度の改革、医療、年金制度の改革、特に個人勘定を早めに医療にしても年金にしても入れることが重要で。
 例えば、今日の話では余り医療の話をしなかったんですけれども、医療も年金と同じように賦課方式でやっていますので、これから十年先は相当医療費の負担も増えますし、それを現役世代が今のように保険料なりそれから国庫負担という形でカバーするのはほぼ難しくなってきますので、それが分かっている以上は、早めに医療費の積立部分を入れておいて、要するに、将来、医療費が大変になるんだったら今からそれに備えて基金をつくっておく必要があると思うんですね。それを国の段階でまとめてつくるのか、個人ベースで、それぞれの個人が自分の老後に備えて早めに個人勘定の医療基金をつくっておいて、自分の老後の医療費のある部分はもう早めに自分で備えておくと。しかも、それをちゃんと老後の医療費に備えておいた人は何らかのインセンティブを与えて、例えば生活習慣病がこれから大きな医療となるわけですから、それに対する備えもインセンティブを付けるとか。
 あるいは、終末医療に関してもう少し、これはなかなか政治的にも国民感情としても難しいわけですけれども、終末医療に対する、安楽死とまではいきませんけれども、ある程度の割り切りを出しておかないとこれは非常に大変になりますから、その辺りの準備を早めにして、医療費がこれから増えていくときに、必要な医療費が増えるのは当然ですけれども、それに対する備えをそのときの若い世代に賦課方式で全部かぶせるんじゃなくて、年取っていく人がそれなりに負担もちゃんと準備しておくような制度に変えていくと。これは年金でも医療でも今からやらないと間に合わない、かなり今でも遅いんですけれども、早めにやっておかないと、本当にその後期高齢者の方が増えたときに、それへの備えがなくなってしまうのは大変だと思います。
 それから、情報の観点からいえば、やはり三党合意は非常に重要だったと思うんですね。要するに、与党と野党が一緒になって、増税という痛みを伴う、かつ社会保障の一体改革も含めて国民に打って出て、しかも選挙でそれが支持されたわけですから、そういう意味で、与党野党を問わず、社会保障あるいは財政健全化も含めて、議論に関しては痛みも含めて情報を開示していろいろと議論をして、そこで政治的な合意を経る努力というのは、特に今後、例えば年金改革とか医療制度改革では与野党合意が非常に重要になるので、この前の一体改革というのはその一つのいい教訓にはなったと思います。

発言情報

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発言者: 井堀利宏

speaker_id: 34508

日付: 2015-04-15

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会