佐貫浩の発言 (文教科学委員会)

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○参考人(佐貫浩君) 三点あると思います。
 第一は、学校統廃合を今進めるという動きが自治体で広がっておりますが、ただ単なる統廃合ということであれば住民の抵抗は非常に強いわけです。ところが、新しい小中一貫教育というすばらしい教育を行うのだということで、豪華校舎、新しい校舎が提示されると、住民の多くは賛成に回ります。実は、小中一貫教育について、品川に住んでおりますと、ケーブルテレビで品川の小中一貫教育のすばらしさというのが連日と言ってもいいほど報道されております。こういう形で、統廃合というものが教育学的ある種の理由付けによって住民に合意を得るという、これが進行すると思います。
 それから、過疎の地域では、小学校が何校かあって中学校があるというときに、これが統合されるという、こういうことが、今過疎の中でどう学校を残すかという努力がいっぱいあるわけですが、そこが越えられてしまうという、これが第一です。
 二つ目は、これは慎重に考えていただきたいんですが、品川で何が起こっているかといいますと、例えば品川独自のカリキュラムができ、そして市民科という指導要領が作られ、そして区が教科書を作り、それが全ての学校で義務的に使用されています。国のレベルでカリキュラムが決定されて学習指導要領があって、それは審議会があって決めるわけですね、文科省が直接決めるのではなしに。そして、それに基づいて一般の教科書会社が作り、それを選択して選ぶという、言わば教育の自律性とか専門性が保障されるシステムがあるわけです。ところが、品川で見ますと、その審議過程も一切公表されませんし、したがって、外から見ると、教育行政が自分で決めて、区定教科書、国でいえば国定教科書ですね、それを作って学校に全て義務化するという。
 そうすると、日本において教育の自律性というものを保障する国レベルの仕組みがほとんどないところで、自治体では、行政や例えば選挙で中心になる政党や首長がこういうことをやりたいという公約をして、それを実現するために教育内容が行政の主導で決められて、それが実施されるという、こういう教育の自律性にとっては非常に危険な状態が生まれる。したがって、それはある意味で自治体、首長の自由な改革を保障する制度ではありますが、教育の自律性というものを保障するこのシステムが非常に弱くなるという、これが二点目です。
 三つ目は、実は学校選択が復活する可能性があるというふうに思っております。
 私の資料の二ページ目に、品川の学校選択の結果どうなったかという資料がございます。例えば、行政は三割ぐらいが選択しているといいますが、私立中学も合わせると五・五割が地元の学校から脱出いたします。そして、非常にたくさん出る学校では七割程度の生徒が地元から出ていきます。そして、義務学校というものが、例えば大阪の場合は、それは特別な学校だから広域から選べるという、そういう方法を取っているようですが、そうしますと、この義務学校については学校選択が入るという形で、非常に問題が大きい学校選択制が復活されるということもあると思います。
 そういうことも含んで、実際に、親たちからすれば、小学校でどこの学校に行かせよう、中学校でどこに行かせよう、自分の子供をどうやったら将来の見通しにつながる学校に選べるかという、こういう心配と努力が非常に広まって、これは義務教育というものの公平性にとって非常に大きな問題になるというふうに思っております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 佐貫浩

speaker_id: 28514

日付: 2015-06-11

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会