佐貫浩の発言 (文教科学委員会)

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○参考人(佐貫浩君) その問題は、品川の小中一貫教育に典型的に表れています。
 私の資料の一ページ目にありますが、例えばその一番中心である日野学園というところは、六年生がその上の七年生に進学するのが六六%です。そして、入ってきた七年生の内部構成を見ますと、内部から進学した者は四二%です。ということは、もうこれは小中一貫という理念が成立していないという意味ですね。そして、なぜかというと、これは、多くは私立中学校へ逃げるわけです。
 小中一貫教育は、例えばそのための加配とかそういう意味では、宣伝として、学力がほかよりも上がりますよという宣伝が親からすれば聞こえるわけです。そして、入ってみたところ、実は、こんなふうに優秀な生徒は外へ出ていく、そして空いたからというので地域からまた入ってくる、そうすると、中学の七、八、九という段階で何か高校受験に有利になるような教育があるというイメージがなくなるわけです。そうすると、小中一貫教育そのものが幻想に転化してしまうという、こういう矛盾があって、ですから、都市部で小中一貫教育をこういう位置付けで行うことは、私は破綻するというふうに思います。
 それからもう一つは、このような教育システムの場合に非常に重要なことは、中高一貫という形であることによって、それがエリート校になることによって、もちろん私立中学受験もあります、実は小学校の五、六年生の授業空間が破壊されているということです。
 どういうことかといいますと、小学校の五、六年でよくできる生徒は、ほとんど塾に行っている生徒です。それが先生に答えを言ったりして、そして勉強が終わっちゃう。ところが、よく分からない生徒、塾に行けないような生徒はそこで付いていけない。そうすると、成績の悪い生徒は、その小五、六の空間で学んでいるという感覚がなくなり、よくできる生徒は、塾で学んだということで学校で学んだという感覚がなくなる。そのようにして、中学校段階に入るときに激しい競争が組織されると、実は、もはや小学校五、六年が崩壊していくということが制度として今進行しているということを深刻に考えなきゃいけないというふうに思うんです。
 ですから、何か競争すればみんなの、国民の、子供たちの能力が高まるという、これは幻想だというふうに私は思っていますが、その制度全体を根本的に見直さないと、日本の学校教育は本当に子供たちにとって困難な嫌な勉強を押し付ける、そういう空間としての性格がますます高まっていって、国民教育そのものが痩せ細っていくというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 佐貫浩

speaker_id: 28514

日付: 2015-06-11

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会