安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柳田稔議員にお答えいたします。
 中東・イスラム諸国の対日感情及び我が国のイメージについてお尋ねがありました。
 政権発足以来、この二年間で多くの中東・イスラム諸国を訪問してきましたが、中東・イスラム諸国には日本に対して好意的な感情を抱いている人々が多いことを実感しています。これは、日本が長い歴史と伝統を守りつつ近代化に成功したこと、自由で民主的で、人権を守り、法の支配を尊重する国としてアジアや世界の平和や発展に貢献してきたこと、世界有数の経済力と科学技術力を有し、伝統文化やクールジャパン、おもてなしの心にあふれていることなどによるものであり、今後もこのような好意的なイメージを維持し、強化していくことが重要であると考えています。
 戦後七十年の談話についてお尋ねがありました。
 我が国は、戦後七十年の間、さきの大戦の深い反省とともに、ひたすらに自由で民主的で、人権を守り、法を尊重する国をつくり上げ、アジアや世界の友人たちの平和と発展のためにできる限りの貢献を行ってまいりました。
 戦後七十年の談話については、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくのか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になっていくのかについて、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであります。具体的な内容は、今後、有識者の御意見を伺いながら政府として検討していきます。
 これまで申し上げているとおり、安倍政権としては、村山談話を始め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいくとの立場であります。
 核軍縮、核兵器廃絶に向けた我が国の取組についてお尋ねがありました。
 世界で唯一の被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の核軍縮・不拡散に関する取組を積極的に主導することは我が国の重要な使命です。
 四月からニューヨークで開催される二〇一五年NPT運用検討会議などを通じ、我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、核兵器のない世界の実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 行政と住民が連携した災害対策についてのお尋ねがありました。
 災害から国民の生命と財産を守るためには、国と地方自治体、地域住民の方々など、関係者全てが連携して災害に備え、対応することが重要であります。
 政府としては、地域住民による防災訓練、物資の備蓄、地域の特性に応じたコミュニティーレベルでの防災活動などを内容とする地区防災計画の策定など、住民が主体となった取組を促進し、自助、共助、公助のバランスが取れた災害対策を推進してまいります。
 我が国は、場所を問わず、様々な災害が発生しやすい環境にあります。常に最新の科学的知見を取り入れつつ、ハードとソフトの対策を適切に組み合わせた総合的な防災対策に今後とも政府一丸となって取り組んでまいります。
 先般の中東訪問と阪神・淡路大震災二十年追悼式典についてお尋ねがありました。
 中東地域の平和と安定は、我が国にとりエネルギー安全保障や国際的な課題への貢献等の観点から極めて重要です。私の先般の中東訪問については、かかる意義を踏まえ、あらゆる要素を総合的に検討した上で判断しました。
 一方、御指摘の阪神・淡路大震災二十年追悼式典については、政府内で日程を調整した結果、十周年追悼式典のときと同様に防災担当大臣が政府代表として出席をいたしました。
 今後とも、関係自治体と連携しながら、被災地の復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた都市型直下地震対策についてのお尋ねがありました。
 六千四百名を超える多くの方が犠牲となられた阪神・淡路大震災の貴重な教訓を踏まえ、政府においては、防災、危機管理に係る様々な見直しを図ってきたところであります。
 政府の初動体制を始めとする危機管理機能を強化するため、二十四時間体制で情報収集に当たる内閣情報集約センターの設置や、政府の幹部職員を発災後直ちに参集させる緊急参集チームを整備するとともに、建築物の耐震改修の促進、地震に強い町づくりや住宅に被害を受けた被災者に対する支援策の充実を図るなど、様々な災害対策を推進してまいりました。その後、東日本大震災を始めとする数多くの災害の経験を経て、我が国は今日に至っています。
 今後も、災害対策を不断に見直し、未来の世代の安心につなげていかなければなりません。私も、国のリーダーとして先頭に立ち、引き続き、都市直下型地震を始めとする大規模災害対策に万全を期してまいります。
 東日本大震災からの復興と集中復興期間の延長についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興は、引き続き安倍内閣の最重要課題です。これまで、住宅再建や心のケアを始め、福島の再生では国が前面に立つなど、復興に全力で取り組んできてまいりました。平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度予算においても、復興の加速化を大きな柱の一つと位置付けて重点化しております。平成二十八年度以降についても、被災者の方々の心に寄り添い、しっかりと対応してまいります。
 地方創生における地方への支援についてお尋ねがありました。
 地方創生は、国と地方が緊急に取り組むべき課題であるとの認識を共有し、地方が中心となって取り組むべき課題です。やる気のある地方の創意工夫を全力で応援する、この方針に基づき、昨年末、国の総合戦略を策定しました。補正予算案にも、地域の特性を生かすための自由度の高い交付金を盛り込んだところであります。
 今後とも、国としては、意欲あふれる地方の取組に対し、予算、人材等あらゆる方策を使って全力で後押ししてまいります。
 地方創生先行型新交付金についてお尋ねがありました。
 今回の補正予算では、仕事づくりなど地方公共団体の地方創生に向けた取組が速やかに実施できるよう、自由度の高い交付金を先行的に創設することとしました。
 御指摘のとおり、地方創生には息の長い取組が必要であると認識しております。政府としては、客観的な効果検証を伴う自由度の高い新型交付金の平成二十八年度からの本格実施に向けて引き続き検討を進めてまいります。
 地方向け交付金についてお尋ねがありました。
 本交付金は、地方自治体が実施する消費喚起策や生活支援策に対して、国が支援し、地方経済の活性化等を図るものです。
 本施策については、過去の施策の検証も踏まえ、即効性ある取組となるように工夫を凝らしました。例えば、実施する事業の内容は地域の実情に応じて効果の高いものを地方自らが選ぶこととしております。また、地域商品券については、補助額以上の消費が喚起される仕組みを推奨することといたしました。さらに、事業実施時に成果の客観的指標を明示した上で、結果も公表するといった厳格な効果検証を地方自治体に求めることで、より効果の高い施策が実施されるよう促してまいります。
 年金のマクロ経済スライドについてお尋ねがありました。
 マクロ経済スライドは、平成十六年の改革により、将来世代の負担を過重にしないため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものです。
 その在り方の見直しについては、民主党政権下で行われた社会保障・税一体改革の過程で検討課題として議論が行われ、その後の社会保障改革の道筋を示したプログラム法においても検討の必要性が明記されています。
 引き続き、現在の高齢世代と将来世代とのバランスをどのように確保するかも含め、検討を進めていきたいと考えています。
 子供の貧困対策についてのお尋ねがありました。
 子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策に取り組むことは極めて重要であると考えています。
 政府としては、子供の貧困対策に関する大綱に掲げられた施策を推進してまいります。具体的には、教育費負担の軽減を図るため、高校生等奨学給付金の拡充や大学の無利子奨学金、授業料免除の充実を図っていきます。また、中学校等で貧困の子供を支えるスクールソーシャルワーカーの配置拡充を図っていきます。さらに、中学生に対する学習支援や保護者の学び直しの支援等の施策を推進し、子供の貧困に関する指標の改善に取り組んでまいります。
 労働者派遣法改正案についてお尋ねがありました。
 提出を検討中の労働者派遣法改正案は、正社員を希望する派遣労働者について正社員への道が開かれるようにするものであり、このため、派遣先への直接雇用の依頼、計画的な教育訓練を派遣会社に初めて義務付けることなどを盛り込むこととしています。また、自らの働き方として派遣を積極的に選択している派遣労働者については、待遇の改善を図ることとしています。
 安倍内閣としては、働く方それぞれの選択がしっかり実現できるよう環境を整備するため、今後も全力で取り組んでいくこととしています。労働法制の改悪との指摘は全く当たりません。
 以上であります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 118915254X00220150128_003

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2015-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議