武見敬三の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○武見敬三君 この人間の安全保障の考え方というのは、我が国は、実はコフィー・アナン事務総長の下で、当時、アジアで初めてノーベル経済学賞をもらわれたアマティア・センさんと、それから緒方貞子さんが共同議長になって人間の安全保障委員会というのを設立をして、そこで改めてこの政策概念というのを整理をいたしました。
 これは、まさに今総理が御指摘になられましたように、それぞれのコミュニティーの中に住んでいる人々、個々に焦点を当てて、こうした人たちがより有意義な人生を営むことができるように、様々な選択肢をより多く確保できるように進めることが人間の安全保障の目的だと、この自分の人生をより有意義にすることができる選択肢がより多く増えるということは人間にとっての自由を拡大することだと、これがアマティア・センさんの考え方でした。
 そして、緒方貞子さんは、それを実践していくときに、それじゃ改めて、じゃコミュニティーというものに焦点を当てて、コミュニティーを一つの政策決定の基本単位にして、そしてそこにおいて、例えば治安、秩序、警察、消防ということであればトップダウンに国が責任を持ってそうした治安、秩序を守り、防災には対処をする、しかし他方で、そこに住む人々の力が基本的にエンパワーされていくために、今度はボトムアップで教育だとか職業訓練というようなことを通じて自分の能力を高めていくようにしていく、これらを組み合わせて、その選択肢をより多く広げて有意義な人生を送ることができるようにさせようと、こういうふうな考え方で人間の安全保障という考え方をつくりました。この考え方は、国連の総会においてもこの考え方がきちんと定義をされて、採択をされているという状況にございます。
 そこで、総理、このイギリスの医学雑誌のランセットというのに、総理、論文を、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関わる論文を書いてくださいました。(資料提示)この論文、国際社会の中で特に保健医療の関係者にとっては非常に衝撃的な論文でありました。
 このランセットという英国の医学雑誌、すごくこれまた権威のある雑誌でありまして、例えば日本の国立大学など、医学部などで教授の選考をするというときに、このランセットに単著論文をきちんと載せておりますと、その他の通常日本の国内で発表した論文の三十本分ぐらいの評価がされるというぐらいだそうです。日本からも多くの方がこのランセットに論文を掲載しようとしても、おおよそ受け入れられるのは四%ぐらいだということでありますから、こうした雑誌の中で総理が特に健康ということに焦点を当ててこの論文をお書きになったということは大変大きく、そして高く評価をされました。
 その際、人間の安全保障ということの中で健康という問題を総理がどう捉えるのか。これは、健康であるだけでは、先ほど申し上げたように、人生にとって有意義な選択肢を広げることはできませんけれども、健康を害してしまいますと、教育受けるのもままならない、職業訓練受けるのもままならない、そして、せっかくビジネスチャンスがあったとしても、それを生かすことも健康でないとなかなかできない。そういう意味で、健康というのはこの人間の安全保障という考え方の中でその中核的な価値を構成していると、このように考えるわけでありますけれども、総理の御所見を伺わせてください。

発言情報

speech_id: 118915261X02020150824_014

発言者: 武見敬三

speaker_id: 849

日付: 2015-08-24

院: 参議院

会議名: 予算委員会