予算委員会
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会
会議録情報#0
平成二十七年八月二十四日(月曜日)
午前八時五十五分開会
─────────────
委員の異動
八月十日
辞任 補欠選任
石上 俊雄君 藤田 幸久君
谷合 正明君 長沢 広明君
川田 龍平君 片山虎之助君
紙 智子君 小池 晃君
荒井 広幸君 平野 達男君
八月十一日
辞任 補欠選任
大沼みずほ君 二之湯武史君
八月二十一日
辞任 補欠選任
猪口 邦子君 岡田 直樹君
山下 雄平君 武見 敬三君
田城 郁君 西村まさみ君
田中 直紀君 石上 俊雄君
片山虎之助君 儀間 光男君
小池 晃君 山下 芳生君
山田 太郎君 松田 公太君
松沢 成文君 中野 正志君
薬師寺みちよ君 渡辺美知太郎君
八月二十四日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 猪口 邦子君
武見 敬三君 山下 雄平君
水岡 俊一君 森本 真治君
井上 義行君 アントニオ猪木君
平野 達男君 荒井 広幸君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岸 宏一君
理 事
石井 準一君
岡田 広君
古賀友一郎君
馬場 成志君
堀井 巌君
小川 敏夫君
那谷屋正義君
若松 謙維君
東 徹君
委 員
石田 昌宏君
猪口 邦子君
大野 泰正君
太田 房江君
岡田 直樹君
北村 経夫君
佐藤 正久君
島村 大君
高野光二郎君
高橋 克法君
武見 敬三君
堂故 茂君
二之湯武史君
三木 亨君
三原じゅん子君
三宅 伸吾君
山下 雄平君
石上 俊雄君
大久保 勉君
大塚 耕平君
小西 洋之君
西村まさみ君
藤田 幸久君
水岡 俊一君
森本 真治君
蓮 舫君
長沢 広明君
矢倉 克夫君
横山 信一君
儀間 光男君
大門実紀史君
山下 芳生君
アントニオ猪木君
井上 義行君
松田 公太君
中野 正志君
渡辺美知太郎君
福島みずほ君
荒井 広幸君
国務大臣
内閣総理大臣 安倍 晋三君
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 麻生 太郎君
総務大臣 高市 早苗君
外務大臣 岸田 文雄君
文部科学大臣
国務大臣 下村 博文君
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
農林水産大臣 林 芳正君
国土交通大臣
国務大臣 太田 昭宏君
環境大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(原子力
防災)) 望月 義夫君
防衛大臣
国務大臣 中谷 元君
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(復興大臣) 竹下 亘君
国務大臣
(国家公安委員
会委員長)
(内閣府特命担
当大臣(防災)
) 山谷えり子君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(沖縄及
び北方対策、消
費者及び食品安
全、科学技術政
策、宇宙政策)
) 山口 俊一君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(経済財
政政策)) 甘利 明君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(規制改
革、少子化対策
、男女共同参画
)) 有村 治子君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(国家戦
略特別区域)) 石破 茂君
国務大臣 遠藤 利明君
副大臣
復興副大臣 浜田 昌良君
財務副大臣 宮下 一郎君
政府特別補佐人
内閣法制局長官 横畠 裕介君
原子力規制委員
会委員長 田中 俊一君
事務局側
常任委員会専門
員 小野 亮治君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 前田 哲君
内閣官房内閣参
事官 小澤 仁君
内閣官房内閣参
事官 佐々木裕介君
警察庁刑事局長 三浦 正充君
法務省民事局長 深山 卓也君
外務大臣官房地
球規模課題審議
官 尾池 厚之君
外務大臣官房審
議官 下川眞樹太君
外務大臣官房審
議官 梨田 和也君
外務大臣官房参
事官 鈴木 秀生君
外務省総合外交
政策局長 平松 賢司君
文部科学省初等
中等教育局長 小松親次郎君
厚生労働省健康
局長 新村 和哉君
厚生労働省社会
・援護局長 鈴木 俊彦君
厚生労働省老健
局長 三浦 公嗣君
防衛大臣官房長 豊田 硬君
防衛大臣官房審
議官 辰己 昌良君
防衛省人事教育
局長 真部 朗君
防衛省経理装備
局長 三村 亨君
参考人
日本銀行総裁 黒田 東彦君
年金積立金管理
運用独立行政法
人理事長 三谷 隆博君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
(内政・外交の諸問題に関する件)
─────────────
この発言だけを見る →午前八時五十五分開会
─────────────
委員の異動
八月十日
辞任 補欠選任
石上 俊雄君 藤田 幸久君
谷合 正明君 長沢 広明君
川田 龍平君 片山虎之助君
紙 智子君 小池 晃君
荒井 広幸君 平野 達男君
八月十一日
辞任 補欠選任
大沼みずほ君 二之湯武史君
八月二十一日
辞任 補欠選任
猪口 邦子君 岡田 直樹君
山下 雄平君 武見 敬三君
田城 郁君 西村まさみ君
田中 直紀君 石上 俊雄君
片山虎之助君 儀間 光男君
小池 晃君 山下 芳生君
山田 太郎君 松田 公太君
松沢 成文君 中野 正志君
薬師寺みちよ君 渡辺美知太郎君
八月二十四日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 猪口 邦子君
武見 敬三君 山下 雄平君
水岡 俊一君 森本 真治君
井上 義行君 アントニオ猪木君
平野 達男君 荒井 広幸君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岸 宏一君
理 事
石井 準一君
岡田 広君
古賀友一郎君
馬場 成志君
堀井 巌君
小川 敏夫君
那谷屋正義君
若松 謙維君
東 徹君
委 員
石田 昌宏君
猪口 邦子君
大野 泰正君
太田 房江君
岡田 直樹君
北村 経夫君
佐藤 正久君
島村 大君
高野光二郎君
高橋 克法君
武見 敬三君
堂故 茂君
二之湯武史君
三木 亨君
三原じゅん子君
三宅 伸吾君
山下 雄平君
石上 俊雄君
大久保 勉君
大塚 耕平君
小西 洋之君
西村まさみ君
藤田 幸久君
水岡 俊一君
森本 真治君
蓮 舫君
長沢 広明君
矢倉 克夫君
横山 信一君
儀間 光男君
大門実紀史君
山下 芳生君
アントニオ猪木君
井上 義行君
松田 公太君
中野 正志君
渡辺美知太郎君
福島みずほ君
荒井 広幸君
国務大臣
内閣総理大臣 安倍 晋三君
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 麻生 太郎君
総務大臣 高市 早苗君
外務大臣 岸田 文雄君
文部科学大臣
国務大臣 下村 博文君
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
農林水産大臣 林 芳正君
国土交通大臣
国務大臣 太田 昭宏君
環境大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(原子力
防災)) 望月 義夫君
防衛大臣
国務大臣 中谷 元君
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(復興大臣) 竹下 亘君
国務大臣
(国家公安委員
会委員長)
(内閣府特命担
当大臣(防災)
) 山谷えり子君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(沖縄及
び北方対策、消
費者及び食品安
全、科学技術政
策、宇宙政策)
) 山口 俊一君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(経済財
政政策)) 甘利 明君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(規制改
革、少子化対策
、男女共同参画
)) 有村 治子君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(国家戦
略特別区域)) 石破 茂君
国務大臣 遠藤 利明君
副大臣
復興副大臣 浜田 昌良君
財務副大臣 宮下 一郎君
政府特別補佐人
内閣法制局長官 横畠 裕介君
原子力規制委員
会委員長 田中 俊一君
事務局側
常任委員会専門
員 小野 亮治君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 前田 哲君
内閣官房内閣参
事官 小澤 仁君
内閣官房内閣参
事官 佐々木裕介君
警察庁刑事局長 三浦 正充君
法務省民事局長 深山 卓也君
外務大臣官房地
球規模課題審議
官 尾池 厚之君
外務大臣官房審
議官 下川眞樹太君
外務大臣官房審
議官 梨田 和也君
外務大臣官房参
事官 鈴木 秀生君
外務省総合外交
政策局長 平松 賢司君
文部科学省初等
中等教育局長 小松親次郎君
厚生労働省健康
局長 新村 和哉君
厚生労働省社会
・援護局長 鈴木 俊彦君
厚生労働省老健
局長 三浦 公嗣君
防衛大臣官房長 豊田 硬君
防衛大臣官房審
議官 辰己 昌良君
防衛省人事教育
局長 真部 朗君
防衛省経理装備
局長 三村 亨君
参考人
日本銀行総裁 黒田 東彦君
年金積立金管理
運用独立行政法
人理事長 三谷 隆博君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
(内政・外交の諸問題に関する件)
─────────────
岸
岸宏一#1
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に年金積立金管理運用独立行政法人理事長三谷隆博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に年金積立金管理運用独立行政法人理事長三谷隆博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
岸
岸
岸宏一#3
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
本日は、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、維新の党三十六分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
速記を止めてください。
〔速記中止〕
この発言だけを見る →本日は、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、維新の党三十六分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
速記を止めてください。
〔速記中止〕
岸
岸
武
武見敬三#6
○武見敬三君 総理、二十一世紀のアジア太平洋の地政学的な大きな変化というのは、これは本当に我が国の外交・安全保障政策を考えるときには見過ごせない深刻な状況をこれからつくり出すかなと、こういうふうに思います。
加えて、先週末、朝鮮半島で極めて緊張した事態が起きてしまいました。地雷の爆発というのがあって、またさらに銃撃戦があるというようなことで準戦時体制だなどと言い始めて、極めて緊張した事態が起きたことは誠にもって懸念すべきことでした。総理、極めて迅速に国家安全保障会議を主宰されて、そして河口湖行きもおやめになって、あえて東京で直ちに対応できる体制を整えられた。私も、非常にこの緊張した状態というものを実際に強く感じました。
また同時に、二十世紀のパワーポリティクスというのを構成していたのは、軍事力とかあるいは経済力や、それから人口の大きさとか、それから領土の広さと、こういうようなものであったわけでありますけれども、こういった二十世紀のパワーポリティクスの構造というものに基づいて二十一世紀の今度はアジア太平洋におけるパワーポリティクスの動向というのを見てみると、そこに、今述べたような地政学的な変化が起きているということが感じられます。それは、特に軍事、経済の分野における中国の台頭でありまして、また同盟国である米国の相対的な影響力の低下です。南シナ海における中国による軍事基地建設というものを止めることができないというようなことにでもなりますと、この軍事的な勢力の均衡が中国に有利に変化し始めているということを印象付けることになると思います。
アジア太平洋における地政学的な変化を総理はまずどのように捉えられているのか、その御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →加えて、先週末、朝鮮半島で極めて緊張した事態が起きてしまいました。地雷の爆発というのがあって、またさらに銃撃戦があるというようなことで準戦時体制だなどと言い始めて、極めて緊張した事態が起きたことは誠にもって懸念すべきことでした。総理、極めて迅速に国家安全保障会議を主宰されて、そして河口湖行きもおやめになって、あえて東京で直ちに対応できる体制を整えられた。私も、非常にこの緊張した状態というものを実際に強く感じました。
また同時に、二十世紀のパワーポリティクスというのを構成していたのは、軍事力とかあるいは経済力や、それから人口の大きさとか、それから領土の広さと、こういうようなものであったわけでありますけれども、こういった二十世紀のパワーポリティクスの構造というものに基づいて二十一世紀の今度はアジア太平洋におけるパワーポリティクスの動向というのを見てみると、そこに、今述べたような地政学的な変化が起きているということが感じられます。それは、特に軍事、経済の分野における中国の台頭でありまして、また同盟国である米国の相対的な影響力の低下です。南シナ海における中国による軍事基地建設というものを止めることができないというようなことにでもなりますと、この軍事的な勢力の均衡が中国に有利に変化し始めているということを印象付けることになると思います。
アジア太平洋における地政学的な変化を総理はまずどのように捉えられているのか、その御所見を伺いたいと思います。
安
安倍晋三#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) アジア太平洋地域の地政学的変化でありますが、二十世紀の冷戦時代には米ソを頂点とする二極体制が存在をし、米国は西側のリーダーとして圧倒的な軍事力、そして経済力を有していました。しかし、冷戦が終結をし、二十一世紀の現在においては、アジア太平洋地域でも地政学的な変化が起きています。
北朝鮮は、日本の大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイルを配備し、発射されればおよそ千キロメートルを僅か十分で到達するわけであります。二〇〇六年以降、三回の核実験を繰り返し、ミサイルに搭載できる核兵器の開発を進めている状況にあります。
そしてまた、中国は、公表国防費が一九八九年以降ほぼ毎年二桁の伸び率を記録し、過去二十七年間で四十一倍であります。今年度においては、中国の国防費は日本の防衛費、防衛予算の約三・三倍に達しているわけであります。東シナ海においては、尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返され、また、境界未画定海域における一方的な資源開発が行われています。南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋立てを一方的に強行しているという状況でありまして、このように我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している中において、まずもっては外交を通じて平和を守っていく、これが重要なのは言うまでもないわけでありまして、今後も積極的な平和外交を進展をしていきます。
そして、万が一への備えとして、現在我々が御審議をいただいている平和安全法制を整えていくことによって、日本が危険にさらされたときには日米同盟が完全に機能する、このことを発信していくことによって紛争を未然に防いでいくことにつながっていくと、このように確信をしているところでございます。
この発言だけを見る →北朝鮮は、日本の大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイルを配備し、発射されればおよそ千キロメートルを僅か十分で到達するわけであります。二〇〇六年以降、三回の核実験を繰り返し、ミサイルに搭載できる核兵器の開発を進めている状況にあります。
そしてまた、中国は、公表国防費が一九八九年以降ほぼ毎年二桁の伸び率を記録し、過去二十七年間で四十一倍であります。今年度においては、中国の国防費は日本の防衛費、防衛予算の約三・三倍に達しているわけであります。東シナ海においては、尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返され、また、境界未画定海域における一方的な資源開発が行われています。南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋立てを一方的に強行しているという状況でありまして、このように我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している中において、まずもっては外交を通じて平和を守っていく、これが重要なのは言うまでもないわけでありまして、今後も積極的な平和外交を進展をしていきます。
そして、万が一への備えとして、現在我々が御審議をいただいている平和安全法制を整えていくことによって、日本が危険にさらされたときには日米同盟が完全に機能する、このことを発信していくことによって紛争を未然に防いでいくことにつながっていくと、このように確信をしているところでございます。
武
武見敬三#8
○武見敬三君 この二十一世紀というのは、アジア太平洋の海洋において米国と中国が各々の勢力圏の確保をめぐり深刻に対立する構図というのが予見されます。二十世紀だと、冷戦というのは、ヨーロッパ大陸という地上でその対立の構図というのが構成されてきたわけでありますけれども、どうも二十一世紀の超大国間の対立の構図というのは、海をめぐってこれから起きてくるということが予見されるようになりました。ただ、他方において、経済的には米中両国間というのも相互的に依存関係というのは深まって、そしてまた協調する構図というのも予見されるようになる。
冷戦とは異なる複雑な対立と協調というのがもう入り交じった国際情勢の下で、民主主義と自由という共通の価値を持つ米国との同盟関係を強化して、そして抑止力を高めて、危険な軍事的膨張主義にはしっかりと歯止めを掛けるために、この平和安保法制というものを整備するのは私はもう喫緊の課題だと思っております。
そしてまた、自由貿易を原則としたTPPを実現をして、米国のアジア太平洋における経済的プレゼンスというのを確保して、そして中国経済を自由貿易の原則の下にしっかりと共存せしむるということで、このアジア太平洋の軍事、経済などの主要分野において安定した勢力の均衡を達成することを外交・安全保障政策の目標とすべきだというふうに考えています。
こうした時代状況というのは、必要なときにはその抑止力を強化してきちんと対峙するという姿勢を示さなければならないし、また平素は経済的な協調をきちんとつくり上げていく、そういう平和主義を基調とした政策をきちんと組み立てていかなければならない。そういう意味で、もう極めて冷戦の時代のような戦争か平和かといったような単純な二分法論的な見方ではとても対応できなくなるというのがこの二十一世紀の最大の特徴だと思います。そのことをまず国民にきちんと御理解いただくことが大変に重要だというふうに考えるわけでありますけれども、総理のお考え、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →冷戦とは異なる複雑な対立と協調というのがもう入り交じった国際情勢の下で、民主主義と自由という共通の価値を持つ米国との同盟関係を強化して、そして抑止力を高めて、危険な軍事的膨張主義にはしっかりと歯止めを掛けるために、この平和安保法制というものを整備するのは私はもう喫緊の課題だと思っております。
そしてまた、自由貿易を原則としたTPPを実現をして、米国のアジア太平洋における経済的プレゼンスというのを確保して、そして中国経済を自由貿易の原則の下にしっかりと共存せしむるということで、このアジア太平洋の軍事、経済などの主要分野において安定した勢力の均衡を達成することを外交・安全保障政策の目標とすべきだというふうに考えています。
こうした時代状況というのは、必要なときにはその抑止力を強化してきちんと対峙するという姿勢を示さなければならないし、また平素は経済的な協調をきちんとつくり上げていく、そういう平和主義を基調とした政策をきちんと組み立てていかなければならない。そういう意味で、もう極めて冷戦の時代のような戦争か平和かといったような単純な二分法論的な見方ではとても対応できなくなるというのがこの二十一世紀の最大の特徴だと思います。そのことをまず国民にきちんと御理解いただくことが大変に重要だというふうに考えるわけでありますけれども、総理のお考え、いかがでございましょうか。
安
安倍晋三#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに武見委員御指摘のように、米ソ冷戦構造時代には、ソビエト連邦と日本、ソビエト連邦とアメリカの貿易関係というのは非常に希薄であったわけでありますが、しかし、今は、まさに冷戦構造が崩壊した後は、経済の関係は非常に複雑に、かつ深く広く結び付いているわけであります。
今例として挙げられましたが、平和安全法制で備えをきっちりと行っていく、同盟を強く、日米同盟を強くしていくと同時に、中国を含むアジア太平洋地域において、TPPを通じて、我が国の同盟国である米国や、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とともに、二十一世紀にふさわしい新たな自由、公正で開かれた国際経済システムをつくり上げていくことが重要と、こう考えております。これは単に経済だけではなくて、安全保障においても非常に戦略的価値があるんだろうと、こう思います。
我が国は、まさに七十年前、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという不戦の誓いを立て、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできたわけであります。この平和国家としての日本の歩みはこれからも決して変わることはありません。まずもって外交を通じて平和を守ることが重要なのは言うまでもないわけでありまして、積極的な平和外交を展開してまいります。
しかし、平和は唱えるだけで実現するわけではないのであります。このため、我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の考え方の下、地域や世界の平和と安定の確保により一層積極的に貢献していく考えであります。このような考え方を今後とも国民の皆様に丁寧に説明することにより、積極的平和主義について一層の御理解を得てまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →今例として挙げられましたが、平和安全法制で備えをきっちりと行っていく、同盟を強く、日米同盟を強くしていくと同時に、中国を含むアジア太平洋地域において、TPPを通じて、我が国の同盟国である米国や、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とともに、二十一世紀にふさわしい新たな自由、公正で開かれた国際経済システムをつくり上げていくことが重要と、こう考えております。これは単に経済だけではなくて、安全保障においても非常に戦略的価値があるんだろうと、こう思います。
我が国は、まさに七十年前、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという不戦の誓いを立て、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできたわけであります。この平和国家としての日本の歩みはこれからも決して変わることはありません。まずもって外交を通じて平和を守ることが重要なのは言うまでもないわけでありまして、積極的な平和外交を展開してまいります。
しかし、平和は唱えるだけで実現するわけではないのであります。このため、我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の考え方の下、地域や世界の平和と安定の確保により一層積極的に貢献していく考えであります。このような考え方を今後とも国民の皆様に丁寧に説明することにより、積極的平和主義について一層の御理解を得てまいりたいと考えております。
武
武見敬三#10
○武見敬三君 今まさに総理が御指摘されたように、この平和主義に対するやはり明確なる、そして確固たる信念、これが非常に今、平和安保法制について国民の理解をいただく上においても非常に重要な鍵となっているというふうに思います。
抑止力とよく言いますけれども、抑止力を構成する力というのはその国の意図と能力というもの双方に基づいて形成されると言われています。自国民の生命と財産、そして主権というものを守る国家の意思が非常に重要な要素となります。そして、その国家の意思が広く深く国民に理解され、共有されなければなりません。
この平和安保法制及びTPPを通じて、アジア太平洋における安定した勢力均衡を達成する外交・安全保障政策について国民の理解を得る鍵というのは、今まさに総理が指摘されたように、平和主義に関する確固たる信念と、それともう一つ重要なのは未来志向の積極的な平和主義だと。そして、未来志向の積極的な平和主義に基づく具体的な国際貢献策というものをきめ細かく説明をしてそれを地道に実践するということが、私はこの平和主義というものの意味を国民にきちんと理解していただく上で大変な重要な要素になってくるというふうに考えております。
今まさにその所見をいただいたわけでありますけれども、総理、八月十四日に発表された歴史談話、この中で、我が国はあくまでも平和主義というものを基調として、責任ある国家としてその役割を果たす意思を明確に述べられました。
ここで、未来志向の平和主義の具体的内容について私は少し御質問させていただきたいというふうに思います。
未来志向の積極的な平和主義というのは、二十一世紀型の新しいパワーポリティクスというものと私は密接に関係するだろうと思います。先ほど二十世紀型のパワーポリティクスと言いましたけれども、二十一世紀というのは別次元の新しいパワーポリティクスが始まったように思います。
それは、もう人、物、金、情報が国境を越えてざあっと行き交うことによって国際社会の経済社会のダイナミズムというのは膨れ上がりましたけれども、その結果として今度は国際社会で国境を越えて共通する課題が山積してきた。しかし、国民国家、一国単独だけでは解決できないという課題が二十一世紀にこれから噴出してきている。そういう共通課題というものを、一国が一つ自国の中で比較優位性があると思われる分野を選びながらその国際社会共通課題を解決をする。そして、その問題を解決するイニシアチブをしっかりと発揮をすることを通じて、その当該問題についてはその国の影響力が確実に高まってくる。
これについて、例えば保健医療の問題だとかエネルギー、環境、この共通課題というのは今どんどん出てきています。恐らく、今余り共通課題だと思っていないようなものも、これから恐らく国際社会の国境を越えた共通課題と認識されるようになってくるんだと思います。それらの課題をできるだけたくさん得意分野として抱え込んで、国際社会で解決するイニシアチブをつくり上げていきますと、その分、それぞれの分野に関わる影響力が蓄積されて、二十一世紀に改めて別次元で新しい自国の影響力をしっかりと確保するということができるというのが二十一世紀型のパワーポリティクスだと私は考えます。
こうした考え方に基づいて実際にこの共通課題を解決するというときにも、もう一つ重要な課題があるのは、それは、イニシアチブを持って解決する国にとってひたすら有利になるような解決の仕方だけだったら、ほかの国は納得しません。やっぱり、これは人権であるとかあるいは平等であるとか、その普遍的な価値というものをきちんと裏付けた形で、より多くの人たちが納得できるような形で解決するということによって、実はこの解決を進めることによって国際社会の平和の基盤が構築されると、こういうことになっていくだろうというふうに考えます。
私のこの考え方について、総理の御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →抑止力とよく言いますけれども、抑止力を構成する力というのはその国の意図と能力というもの双方に基づいて形成されると言われています。自国民の生命と財産、そして主権というものを守る国家の意思が非常に重要な要素となります。そして、その国家の意思が広く深く国民に理解され、共有されなければなりません。
この平和安保法制及びTPPを通じて、アジア太平洋における安定した勢力均衡を達成する外交・安全保障政策について国民の理解を得る鍵というのは、今まさに総理が指摘されたように、平和主義に関する確固たる信念と、それともう一つ重要なのは未来志向の積極的な平和主義だと。そして、未来志向の積極的な平和主義に基づく具体的な国際貢献策というものをきめ細かく説明をしてそれを地道に実践するということが、私はこの平和主義というものの意味を国民にきちんと理解していただく上で大変な重要な要素になってくるというふうに考えております。
今まさにその所見をいただいたわけでありますけれども、総理、八月十四日に発表された歴史談話、この中で、我が国はあくまでも平和主義というものを基調として、責任ある国家としてその役割を果たす意思を明確に述べられました。
ここで、未来志向の平和主義の具体的内容について私は少し御質問させていただきたいというふうに思います。
未来志向の積極的な平和主義というのは、二十一世紀型の新しいパワーポリティクスというものと私は密接に関係するだろうと思います。先ほど二十世紀型のパワーポリティクスと言いましたけれども、二十一世紀というのは別次元の新しいパワーポリティクスが始まったように思います。
それは、もう人、物、金、情報が国境を越えてざあっと行き交うことによって国際社会の経済社会のダイナミズムというのは膨れ上がりましたけれども、その結果として今度は国際社会で国境を越えて共通する課題が山積してきた。しかし、国民国家、一国単独だけでは解決できないという課題が二十一世紀にこれから噴出してきている。そういう共通課題というものを、一国が一つ自国の中で比較優位性があると思われる分野を選びながらその国際社会共通課題を解決をする。そして、その問題を解決するイニシアチブをしっかりと発揮をすることを通じて、その当該問題についてはその国の影響力が確実に高まってくる。
これについて、例えば保健医療の問題だとかエネルギー、環境、この共通課題というのは今どんどん出てきています。恐らく、今余り共通課題だと思っていないようなものも、これから恐らく国際社会の国境を越えた共通課題と認識されるようになってくるんだと思います。それらの課題をできるだけたくさん得意分野として抱え込んで、国際社会で解決するイニシアチブをつくり上げていきますと、その分、それぞれの分野に関わる影響力が蓄積されて、二十一世紀に改めて別次元で新しい自国の影響力をしっかりと確保するということができるというのが二十一世紀型のパワーポリティクスだと私は考えます。
こうした考え方に基づいて実際にこの共通課題を解決するというときにも、もう一つ重要な課題があるのは、それは、イニシアチブを持って解決する国にとってひたすら有利になるような解決の仕方だけだったら、ほかの国は納得しません。やっぱり、これは人権であるとかあるいは平等であるとか、その普遍的な価値というものをきちんと裏付けた形で、より多くの人たちが納得できるような形で解決するということによって、実はこの解決を進めることによって国際社会の平和の基盤が構築されると、こういうことになっていくだろうというふうに考えます。
私のこの考え方について、総理の御所見を伺いたいと思います。
安
安倍晋三#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二十一世紀においては、常々私が申し上げておりますように、もはや一国のみで自国を守ることができない時代になっている。安全保障においてもそうでございますが、同時に、国際的な課題は、まさにこれは多くの国々が協力をしなければその課題は解決することができない。典型的な例は、地球温暖化の問題はそうだろうと思います。こうした課題において、武見先生がおっしゃったような基本的価値を共有する中において、その価値の上に立ってそうした課題に取り組んでいくことが最も求められているのではないかと思います。
二十一世紀の国際社会は様々な課題に直面をしており、我が国は人道支援などを通じた人間の安全保障の促進、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、開発援助協力の展開、軍縮・不拡散の推進、海洋安全保障や法の支配の強化、女性の権利を含む人権の擁護など、我が国ならではの貢献を行える分野で積極的に取り組んでまいりたいと思います。このような分野での貢献は、紛争の芽を未然に防いでいく上で極めて重要であります。こうした国際貢献を通じて国際社会の平和と繁栄の基盤が強化されていくものと考えております。
この発言だけを見る →二十一世紀の国際社会は様々な課題に直面をしており、我が国は人道支援などを通じた人間の安全保障の促進、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、開発援助協力の展開、軍縮・不拡散の推進、海洋安全保障や法の支配の強化、女性の権利を含む人権の擁護など、我が国ならではの貢献を行える分野で積極的に取り組んでまいりたいと思います。このような分野での貢献は、紛争の芽を未然に防いでいく上で極めて重要であります。こうした国際貢献を通じて国際社会の平和と繁栄の基盤が強化されていくものと考えております。
武
武見敬三#12
○武見敬三君 ありがとうございました。
この未来志向の積極的な平和主義というものが国際社会の平和基盤というものをしっかりと構築成るような施策を、それをまた実践する政策概念というものもきちんと組み立てながら実践していくというのがこれからの主要先進国が国際社会の中で確実に展開するその政策手法になってくると思います。
我が国では、歴代の内閣で人間の安全保障という考え方が述べられてきました。総理も米国議会であの見事な演説をされたときに、積極的平和主義との関わりで人間の安全保障という考え方にも言及をされたわけでありますけれども、この人間の安全保障に関わる総理の御所見を少し詳しくいただければと思います。
この発言だけを見る →この未来志向の積極的な平和主義というものが国際社会の平和基盤というものをしっかりと構築成るような施策を、それをまた実践する政策概念というものもきちんと組み立てながら実践していくというのがこれからの主要先進国が国際社会の中で確実に展開するその政策手法になってくると思います。
我が国では、歴代の内閣で人間の安全保障という考え方が述べられてきました。総理も米国議会であの見事な演説をされたときに、積極的平和主義との関わりで人間の安全保障という考え方にも言及をされたわけでありますけれども、この人間の安全保障に関わる総理の御所見を少し詳しくいただければと思います。
安
安倍晋三#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人間の安全保障は、一人一人、人間一人一人に焦点を当て、その保護と能力の強化を通じて国の発展や社会の繁栄を実現していくという考え方であり、委員御指摘のとおり、国際社会の平和基盤の構築に資するものであります。
私自身は、先ほど御紹介いただきましたように、米国議会の演説で、国家安全保障に加えて人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが日本の不動の信念であると述べました。先般閣議決定した開発協力大綱においても、人間の安全保障を我が国の開発協力の根本にある指導理念としており、引き続き、これを外交の重要な柱として積極的に推進していく考えであります。
この発言だけを見る →私自身は、先ほど御紹介いただきましたように、米国議会の演説で、国家安全保障に加えて人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが日本の不動の信念であると述べました。先般閣議決定した開発協力大綱においても、人間の安全保障を我が国の開発協力の根本にある指導理念としており、引き続き、これを外交の重要な柱として積極的に推進していく考えであります。
武
武見敬三#14
○武見敬三君 この人間の安全保障の考え方というのは、我が国は、実はコフィー・アナン事務総長の下で、当時、アジアで初めてノーベル経済学賞をもらわれたアマティア・センさんと、それから緒方貞子さんが共同議長になって人間の安全保障委員会というのを設立をして、そこで改めてこの政策概念というのを整理をいたしました。
これは、まさに今総理が御指摘になられましたように、それぞれのコミュニティーの中に住んでいる人々、個々に焦点を当てて、こうした人たちがより有意義な人生を営むことができるように、様々な選択肢をより多く確保できるように進めることが人間の安全保障の目的だと、この自分の人生をより有意義にすることができる選択肢がより多く増えるということは人間にとっての自由を拡大することだと、これがアマティア・センさんの考え方でした。
そして、緒方貞子さんは、それを実践していくときに、それじゃ改めて、じゃコミュニティーというものに焦点を当てて、コミュニティーを一つの政策決定の基本単位にして、そしてそこにおいて、例えば治安、秩序、警察、消防ということであればトップダウンに国が責任を持ってそうした治安、秩序を守り、防災には対処をする、しかし他方で、そこに住む人々の力が基本的にエンパワーされていくために、今度はボトムアップで教育だとか職業訓練というようなことを通じて自分の能力を高めていくようにしていく、これらを組み合わせて、その選択肢をより多く広げて有意義な人生を送ることができるようにさせようと、こういうふうな考え方で人間の安全保障という考え方をつくりました。この考え方は、国連の総会においてもこの考え方がきちんと定義をされて、採択をされているという状況にございます。
そこで、総理、このイギリスの医学雑誌のランセットというのに、総理、論文を、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関わる論文を書いてくださいました。(資料提示)この論文、国際社会の中で特に保健医療の関係者にとっては非常に衝撃的な論文でありました。
このランセットという英国の医学雑誌、すごくこれまた権威のある雑誌でありまして、例えば日本の国立大学など、医学部などで教授の選考をするというときに、このランセットに単著論文をきちんと載せておりますと、その他の通常日本の国内で発表した論文の三十本分ぐらいの評価がされるというぐらいだそうです。日本からも多くの方がこのランセットに論文を掲載しようとしても、おおよそ受け入れられるのは四%ぐらいだということでありますから、こうした雑誌の中で総理が特に健康ということに焦点を当ててこの論文をお書きになったということは大変大きく、そして高く評価をされました。
その際、人間の安全保障ということの中で健康という問題を総理がどう捉えるのか。これは、健康であるだけでは、先ほど申し上げたように、人生にとって有意義な選択肢を広げることはできませんけれども、健康を害してしまいますと、教育受けるのもままならない、職業訓練受けるのもままならない、そして、せっかくビジネスチャンスがあったとしても、それを生かすことも健康でないとなかなかできない。そういう意味で、健康というのはこの人間の安全保障という考え方の中でその中核的な価値を構成していると、このように考えるわけでありますけれども、総理の御所見を伺わせてください。
この発言だけを見る →これは、まさに今総理が御指摘になられましたように、それぞれのコミュニティーの中に住んでいる人々、個々に焦点を当てて、こうした人たちがより有意義な人生を営むことができるように、様々な選択肢をより多く確保できるように進めることが人間の安全保障の目的だと、この自分の人生をより有意義にすることができる選択肢がより多く増えるということは人間にとっての自由を拡大することだと、これがアマティア・センさんの考え方でした。
そして、緒方貞子さんは、それを実践していくときに、それじゃ改めて、じゃコミュニティーというものに焦点を当てて、コミュニティーを一つの政策決定の基本単位にして、そしてそこにおいて、例えば治安、秩序、警察、消防ということであればトップダウンに国が責任を持ってそうした治安、秩序を守り、防災には対処をする、しかし他方で、そこに住む人々の力が基本的にエンパワーされていくために、今度はボトムアップで教育だとか職業訓練というようなことを通じて自分の能力を高めていくようにしていく、これらを組み合わせて、その選択肢をより多く広げて有意義な人生を送ることができるようにさせようと、こういうふうな考え方で人間の安全保障という考え方をつくりました。この考え方は、国連の総会においてもこの考え方がきちんと定義をされて、採択をされているという状況にございます。
そこで、総理、このイギリスの医学雑誌のランセットというのに、総理、論文を、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関わる論文を書いてくださいました。(資料提示)この論文、国際社会の中で特に保健医療の関係者にとっては非常に衝撃的な論文でありました。
このランセットという英国の医学雑誌、すごくこれまた権威のある雑誌でありまして、例えば日本の国立大学など、医学部などで教授の選考をするというときに、このランセットに単著論文をきちんと載せておりますと、その他の通常日本の国内で発表した論文の三十本分ぐらいの評価がされるというぐらいだそうです。日本からも多くの方がこのランセットに論文を掲載しようとしても、おおよそ受け入れられるのは四%ぐらいだということでありますから、こうした雑誌の中で総理が特に健康ということに焦点を当ててこの論文をお書きになったということは大変大きく、そして高く評価をされました。
その際、人間の安全保障ということの中で健康という問題を総理がどう捉えるのか。これは、健康であるだけでは、先ほど申し上げたように、人生にとって有意義な選択肢を広げることはできませんけれども、健康を害してしまいますと、教育受けるのもままならない、職業訓練受けるのもままならない、そして、せっかくビジネスチャンスがあったとしても、それを生かすことも健康でないとなかなかできない。そういう意味で、健康というのはこの人間の安全保障という考え方の中でその中核的な価値を構成していると、このように考えるわけでありますけれども、総理の御所見を伺わせてください。
安
安倍晋三#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 健康とは、一人一人が生涯にわたり心身共に健やかな状態で、社会参加をしながら生きがいを持って生活できることと考えています。このためには、健康な状態で生活できる期間である健康寿命を延ばしていくとともに、介護等が必要な状態になっても尊厳を持って最後までその人らしく生活できるようにすることが重要であります。
御指摘のように、人々の健康は、健康な社会の基盤となるものであり、健全な社会の基盤となるものであり、国内外を問わず、どのような社会においてもその実現が重要であると考えております。
この発言だけを見る →御指摘のように、人々の健康は、健康な社会の基盤となるものであり、健全な社会の基盤となるものであり、国内外を問わず、どのような社会においてもその実現が重要であると考えております。
武
武見敬三#16
○武見敬三君 総理、そのまさに健康というのが平和主義の一つの基本的な政策概念にもなる人間の安全保障の中で一つの中核的な価値を構成しているという点については、およそ御理解がいただけた御答弁だったと思います。
その上で、この健康の分野を見てみますと、今総理が御指摘になられましたように、健康寿命というのは日本は男女共に世界で一位ですよ。それから、平均寿命は女性は長年ずっと世界で一位ですし、男性も世界のトップランクにある。そういったまさに世界でも比較優位性の高い大きな成果を日本はこの分野の中で持っております。それを実践することができたのも、やっぱり医療制度が良かったからだと私は思います。
これは総理のおじい様の岸信介さんのときに、これは一九五八年だったと思いますけれども、健康保険法の改正とか国民健康保険法の改正、それから年金法の改正というのをおやりになって、そして一九六一年に国民皆保険とか国民皆年金というのが同時に実現をしました。そしてまた、それまでの経済の十か年計画みたいなものはいずれも経済成長だけが目的だったんですけれども、改めて経済十か年計画の目標の中に国民の所得というのも組み込まれて、そしてこの考え方が次の内閣で所得倍増計画となりましたけれども、その基本をつくったのは実は岸内閣でした。
こうしたことを通じて実は政府の中にしっかりとした所得の分配機能というものをつくり上げて、そして見事に高度経済成長時代の前にそうした仕組みをつくり上げておいたことで、我が国は経済が成長しても国民の所得格差はむしろ縮小したということを実現しました。今、中国だとかブラジル、ロシア、いろんな国見ていますと、全部、経済は成長しても国民の所得の格差が広がって、それが深刻な問題になって、政治的にも非常に不安定な状況をつくり出すことさえもあったけれども、日本は見事にこうした経済成長と所得格差の抑制というのを成功させて、そして安定した、そして健康で教育レベルの高い中産階級社会づくりをつくり上げることに成功したわけです。
こういうようなことを通じて、改めて見たときに、国民皆保険制度、これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジの基本になりますけれども、この国民皆保険制度というのが、当時、実際には年金制度ができたとしても余り高齢者いませんでしたし、それから所得税の累進課税率を七五%に引き上げても余りお金持ちいなかったし、余りそういうので所得分配機能もありませんでしたから、実はこの医療保険制度というのが政府の所得分配機能の七〇%以上を占めていた。したがって、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの基本を構成するこの医療保険制度というのは、ただ単に所得の低い人も安心して医療にアクセスすることができるということだけじゃなくて、同時に、その国の所得の分配を促進させることによって所得格差というものを抑制する効果を持って、それによって社会を安定させる装置にもなるんだということが日本の経験は明らかにしていると思います。
したがって、国民健康保険を基本とするようなこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジという、これはもう誰でもが自分で負担可能なコストで、予防を含む、そして適切な医療を受けることができるというのがユニバーサル・ヘルス・カバレッジのまさに定義で、日本はそれを一九六一年ぐらいに達成をして、もう五十年以上たっている。
この経験というのをまさにこれから国際社会の中できちんと政策として発信をして、世界の特に途上国の人たちの健康改善にも、また途上国における政治、社会の安定にも大きく貢献していくというのは、私は日本の積極的平和主義の具体的展開になるだろうと思うんですけれども、この点に関する総理の御所見を伺わせてください。
この発言だけを見る →その上で、この健康の分野を見てみますと、今総理が御指摘になられましたように、健康寿命というのは日本は男女共に世界で一位ですよ。それから、平均寿命は女性は長年ずっと世界で一位ですし、男性も世界のトップランクにある。そういったまさに世界でも比較優位性の高い大きな成果を日本はこの分野の中で持っております。それを実践することができたのも、やっぱり医療制度が良かったからだと私は思います。
これは総理のおじい様の岸信介さんのときに、これは一九五八年だったと思いますけれども、健康保険法の改正とか国民健康保険法の改正、それから年金法の改正というのをおやりになって、そして一九六一年に国民皆保険とか国民皆年金というのが同時に実現をしました。そしてまた、それまでの経済の十か年計画みたいなものはいずれも経済成長だけが目的だったんですけれども、改めて経済十か年計画の目標の中に国民の所得というのも組み込まれて、そしてこの考え方が次の内閣で所得倍増計画となりましたけれども、その基本をつくったのは実は岸内閣でした。
こうしたことを通じて実は政府の中にしっかりとした所得の分配機能というものをつくり上げて、そして見事に高度経済成長時代の前にそうした仕組みをつくり上げておいたことで、我が国は経済が成長しても国民の所得格差はむしろ縮小したということを実現しました。今、中国だとかブラジル、ロシア、いろんな国見ていますと、全部、経済は成長しても国民の所得の格差が広がって、それが深刻な問題になって、政治的にも非常に不安定な状況をつくり出すことさえもあったけれども、日本は見事にこうした経済成長と所得格差の抑制というのを成功させて、そして安定した、そして健康で教育レベルの高い中産階級社会づくりをつくり上げることに成功したわけです。
こういうようなことを通じて、改めて見たときに、国民皆保険制度、これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジの基本になりますけれども、この国民皆保険制度というのが、当時、実際には年金制度ができたとしても余り高齢者いませんでしたし、それから所得税の累進課税率を七五%に引き上げても余りお金持ちいなかったし、余りそういうので所得分配機能もありませんでしたから、実はこの医療保険制度というのが政府の所得分配機能の七〇%以上を占めていた。したがって、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの基本を構成するこの医療保険制度というのは、ただ単に所得の低い人も安心して医療にアクセスすることができるということだけじゃなくて、同時に、その国の所得の分配を促進させることによって所得格差というものを抑制する効果を持って、それによって社会を安定させる装置にもなるんだということが日本の経験は明らかにしていると思います。
したがって、国民健康保険を基本とするようなこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジという、これはもう誰でもが自分で負担可能なコストで、予防を含む、そして適切な医療を受けることができるというのがユニバーサル・ヘルス・カバレッジのまさに定義で、日本はそれを一九六一年ぐらいに達成をして、もう五十年以上たっている。
この経験というのをまさにこれから国際社会の中できちんと政策として発信をして、世界の特に途上国の人たちの健康改善にも、また途上国における政治、社会の安定にも大きく貢献していくというのは、私は日本の積極的平和主義の具体的展開になるだろうと思うんですけれども、この点に関する総理の御所見を伺わせてください。
安
安倍晋三#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本が戦後の復興から経済成長へと歩みを進める中において、ただいま武見委員が御指摘になったように、そのときにまさに皆保険制度、健康保険、そして年金制度を導入し、また最低賃金も導入をしたわけでありますが、このように再配分機能とセーフティーネットをしっかりと張った上においてしっかりと経済成長をしていった、高度経済成長に進んでいったことが日本の成功につながったんだろうと、こう思います。
我が国は、全ての国民が必要とする保健医療サービスを負担可能な費用で受けられる国民皆保険制度を確立し、世界一の健康長寿社会を達成することにより、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの一つの在り方を実現しました。我が国としては、こうした知見や教訓を生かし、人間の安全保障の観点から、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を日本ブランドとして掲げてまいりました。
来月国連で採択される新しい国際的な開発目標においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジが目標の中に明確に位置付けられる予定であります。日本の保健分野の新しい国際協力の計画においても、我が国はユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を推進していく考えであります。
具体的な貢献策としては、医師、看護師等だけではなくて、中央及び地方の保健を支える行政官も含め、保健人材の育成を行ってまいります。また、先般、ケニアをユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成モデル国家として選び、その達成を支援することを目的とした円借の、円借款を供与を表明したところであります。
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来月国連で採択される新しい国際的な開発目標においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジが目標の中に明確に位置付けられる予定であります。日本の保健分野の新しい国際協力の計画においても、我が国はユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を推進していく考えであります。
具体的な貢献策としては、医師、看護師等だけではなくて、中央及び地方の保健を支える行政官も含め、保健人材の育成を行ってまいります。また、先般、ケニアをユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成モデル国家として選び、その達成を支援することを目的とした円借の、円借款を供与を表明したところであります。
武
武見敬三#18
○武見敬三君 ケニアのケースなどは日本の新たな大きなチャレンジでもあります。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという一つの大きな制度をつくろうとするときに、技術協力であるとか必要な財政支援というものを多角的に行う戦略的な取組をこのケニアで我が国は円借款を使ってやるようになりました。以前は、この円借款というのは、インフラ整備といったようなところには使いましたけれども、保健医療分野というのにはこうした円借款というのは使っていなかったわけであります。
それを改めて活用して、技術協力や無償資金協力と組み合わせて多角的にこうした支援の体制を整えて、それぞれの国がユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するための支援を行うということが今、日本の大きな得意技にもなってきている。是非これをお進めいただければというふうに思います。
ただ、この保健医療の分野で今一番関心になっている課題というのは実は何かというと、エボラ出血熱とか、それから韓国に入り込んできたMERSとか、ああいう危険な感染症を国際社会が一体どうやって協力をしながら発生した地域でより早くそれを抑え込むことができるかというテーマになってきました。
それも、エボラ出血熱、昨年発見されてから、WHOがこれが危険なPHEICと呼ばれる、ある種蔓延してきた状態だというふうに認定したのにえらく時間が掛かっちゃった。そのために、多くの関係者から、WHOは一体何やっておるんだ、もっとしっかりとこうした監視体制を強化をして、そしてすぐに対応できるような仕組みをつくらなきゃ駄目じゃないかと。
それから、実際にWHOだけでは火消しはできませんでした。例えば、実際に現地でいろいろとそういう患者さんというのを隔離をして治療をしたりする、そういう能力は現地の政府にはありませんでしたから、それはWHOや、あるいはアメリカや、そしてフランスやイギリスや中国などが自分たちの軍隊を派遣して、そしてこれらの火消し活動に一緒になって協力をしてその問題の解決に大きく貢献をいたしました。
これは、西アフリカというとんでもない遠いところで起きたこういった危険な感染症であったとしても、航空路線がもう世界中に蔓延しておりますから、いつ何どきそれがニューヨーク、ロンドンに飛び火するか分からない。そして、東京にもいつ何どき入ってくるかどうか分からない。それで、我々も、七、八人ですか、陰性で良かったけれども、ちょっと疑わしき患者も日本に来られて、それを水際作戦で何とか捉えようということで実際にその仕組みを強化したりいたしましたけれども。
実際に、どうやったらこれからこうしたWHOの役割、機能というものもきちんと確実に強化をして、そして、特にWHOというのはインターナショナル・ヘルス・レギュレーションという、これは、そういう危険な感染症などが発生したときには、すぐに、一体何人どこで発生したかというのをWHO本部に報告をする仕組みがあるんです。それは、それぞれ加盟国に全部義務付けられている。だけど、六六%の国しか実行していないんですよ。
途上国で余り所得の高くないような国は、そんな報告をむやみやたらにしちゃうと、あの国はどうも行くと感染しちゃうらしい、経済活動などもしに行くのは遠慮しよう、あるいは社会的な活動も、スポーツなど含めて大会があったとしても、ちょっとあそこでやるんだったら出るのやめようと、こんなふうに思いかねないものですから、そういうことを警戒してなかなか正直に報告義務に応じないというようなことも特に所得の低い国にはあります。
こういった事態を、じゃどうやって自分たちも率先してそういう病気が起きたらちゃんと報告をするようにするかとか、それから、もし仮に残念ながら蔓延し始めちゃったときには、それぞれのそういう途上国の実態というのはお医者さんも看護師さんも薬剤師さんもそんないるわけじゃありませんから、しっかりとその点に関しては国際社会が支援してあげなきゃいけない。
しかも、WHOが中心としてその役割をより強固に果たすためにも、今度はロジスティックスではWFPという、世界食糧計画というところが実際ヘリコプターとか飛行機たくさん持っていて、そういうところが実際に必要な専門人材を送り込むときのロジのお手伝いしたり、子供の健康や母親の健康というようなことになってきますと、ユニセフとかUNFPAといったような国連機関が今度は協力をしたりということになります。
したがって、いろんな国連機関が協力するための国連の中の調整機能をつくらなきゃなりません。その調整機能というものをつくるときに、今回はUNMEERという、潘基文事務総長の下に一時期だけそうした調整機能をつかさどるそういった機能をつくって、そしてそのUNMEERでこの参加国に対するオペレーションを戦略的に運営したという経緯がありました。しかし、このUNMEERだってうまくいったと実はみんな思っていないんですよ。
しかも、そういうときにファイナンス、お金をきちっとそれぞれの国にも上手に流さなきゃならない。しかし、上手に資金を流すというのは極めて難しい話で、WHOもそういうことをうまくやったことは過去に一度もない。そしてまた同時に、世界銀行のようなところがもう見ていられなくて、じゃ、うちが、そういう危険な状況が発生したときには経済活動に支障がないようにする支援とか、あるいはそういう治療や予防のための支援にお金を流すような、そういう新しい基金を実際につくりましょうというようなことも言い始めた。
さきのG7のサミットで、ドイツにおいてメルケル首相もこの点非常に強く主張をされたと伺っております。したがって、その中で、改めてこのWHOの中核的な役割というものをきちんと確認をし強化しようということもコミュニケの中でうたわれましたし、また同時に、こうした世界銀行がファイナンスをする機能というものもきちんと育てていこうということも確認されました。しかし、まだそこまでなんですよ。
実は、来年のG7のサミットのホスト国は日本です。この日本がそのホスト国としての立場から、ドイツが取りあえずそこまで共通確認してくれたものを踏まえて、今度はより具体的にこうしたWHOの機能強化、WHOの改革であるとか、あるいは国連機関の相互の調整機関の確立であるとか、あるいはそうした緊急時にファイナンスする仕組みづくりというものについて、具体的にどのように組み立てていけば上手に効果的に緊急時においても国際社会が対応できるようにするという仕組みづくり、今これのことをグローバルガバナンスと呼んでおります。このヘルス、保健医療に関わるグローバルガバナンスということが今まさに大きな課題として浮かび上がってきました。
こういった点について、来年、G7のホスト国でもある日本の立場から、しっかりと日本が取り組むことが未来志向の平和的な積極主義というものの一つの見事な具体的に展開することになると思いますけれども、総理の御所見を伺わせてください。
この発言だけを見る →それを改めて活用して、技術協力や無償資金協力と組み合わせて多角的にこうした支援の体制を整えて、それぞれの国がユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するための支援を行うということが今、日本の大きな得意技にもなってきている。是非これをお進めいただければというふうに思います。
ただ、この保健医療の分野で今一番関心になっている課題というのは実は何かというと、エボラ出血熱とか、それから韓国に入り込んできたMERSとか、ああいう危険な感染症を国際社会が一体どうやって協力をしながら発生した地域でより早くそれを抑え込むことができるかというテーマになってきました。
それも、エボラ出血熱、昨年発見されてから、WHOがこれが危険なPHEICと呼ばれる、ある種蔓延してきた状態だというふうに認定したのにえらく時間が掛かっちゃった。そのために、多くの関係者から、WHOは一体何やっておるんだ、もっとしっかりとこうした監視体制を強化をして、そしてすぐに対応できるような仕組みをつくらなきゃ駄目じゃないかと。
それから、実際にWHOだけでは火消しはできませんでした。例えば、実際に現地でいろいろとそういう患者さんというのを隔離をして治療をしたりする、そういう能力は現地の政府にはありませんでしたから、それはWHOや、あるいはアメリカや、そしてフランスやイギリスや中国などが自分たちの軍隊を派遣して、そしてこれらの火消し活動に一緒になって協力をしてその問題の解決に大きく貢献をいたしました。
これは、西アフリカというとんでもない遠いところで起きたこういった危険な感染症であったとしても、航空路線がもう世界中に蔓延しておりますから、いつ何どきそれがニューヨーク、ロンドンに飛び火するか分からない。そして、東京にもいつ何どき入ってくるかどうか分からない。それで、我々も、七、八人ですか、陰性で良かったけれども、ちょっと疑わしき患者も日本に来られて、それを水際作戦で何とか捉えようということで実際にその仕組みを強化したりいたしましたけれども。
実際に、どうやったらこれからこうしたWHOの役割、機能というものもきちんと確実に強化をして、そして、特にWHOというのはインターナショナル・ヘルス・レギュレーションという、これは、そういう危険な感染症などが発生したときには、すぐに、一体何人どこで発生したかというのをWHO本部に報告をする仕組みがあるんです。それは、それぞれ加盟国に全部義務付けられている。だけど、六六%の国しか実行していないんですよ。
途上国で余り所得の高くないような国は、そんな報告をむやみやたらにしちゃうと、あの国はどうも行くと感染しちゃうらしい、経済活動などもしに行くのは遠慮しよう、あるいは社会的な活動も、スポーツなど含めて大会があったとしても、ちょっとあそこでやるんだったら出るのやめようと、こんなふうに思いかねないものですから、そういうことを警戒してなかなか正直に報告義務に応じないというようなことも特に所得の低い国にはあります。
こういった事態を、じゃどうやって自分たちも率先してそういう病気が起きたらちゃんと報告をするようにするかとか、それから、もし仮に残念ながら蔓延し始めちゃったときには、それぞれのそういう途上国の実態というのはお医者さんも看護師さんも薬剤師さんもそんないるわけじゃありませんから、しっかりとその点に関しては国際社会が支援してあげなきゃいけない。
しかも、WHOが中心としてその役割をより強固に果たすためにも、今度はロジスティックスではWFPという、世界食糧計画というところが実際ヘリコプターとか飛行機たくさん持っていて、そういうところが実際に必要な専門人材を送り込むときのロジのお手伝いしたり、子供の健康や母親の健康というようなことになってきますと、ユニセフとかUNFPAといったような国連機関が今度は協力をしたりということになります。
したがって、いろんな国連機関が協力するための国連の中の調整機能をつくらなきゃなりません。その調整機能というものをつくるときに、今回はUNMEERという、潘基文事務総長の下に一時期だけそうした調整機能をつかさどるそういった機能をつくって、そしてそのUNMEERでこの参加国に対するオペレーションを戦略的に運営したという経緯がありました。しかし、このUNMEERだってうまくいったと実はみんな思っていないんですよ。
しかも、そういうときにファイナンス、お金をきちっとそれぞれの国にも上手に流さなきゃならない。しかし、上手に資金を流すというのは極めて難しい話で、WHOもそういうことをうまくやったことは過去に一度もない。そしてまた同時に、世界銀行のようなところがもう見ていられなくて、じゃ、うちが、そういう危険な状況が発生したときには経済活動に支障がないようにする支援とか、あるいはそういう治療や予防のための支援にお金を流すような、そういう新しい基金を実際につくりましょうというようなことも言い始めた。
さきのG7のサミットで、ドイツにおいてメルケル首相もこの点非常に強く主張をされたと伺っております。したがって、その中で、改めてこのWHOの中核的な役割というものをきちんと確認をし強化しようということもコミュニケの中でうたわれましたし、また同時に、こうした世界銀行がファイナンスをする機能というものもきちんと育てていこうということも確認されました。しかし、まだそこまでなんですよ。
実は、来年のG7のサミットのホスト国は日本です。この日本がそのホスト国としての立場から、ドイツが取りあえずそこまで共通確認してくれたものを踏まえて、今度はより具体的にこうしたWHOの機能強化、WHOの改革であるとか、あるいは国連機関の相互の調整機関の確立であるとか、あるいはそうした緊急時にファイナンスする仕組みづくりというものについて、具体的にどのように組み立てていけば上手に効果的に緊急時においても国際社会が対応できるようにするという仕組みづくり、今これのことをグローバルガバナンスと呼んでおります。このヘルス、保健医療に関わるグローバルガバナンスということが今まさに大きな課題として浮かび上がってきました。
こういった点について、来年、G7のホスト国でもある日本の立場から、しっかりと日本が取り組むことが未来志向の平和的な積極主義というものの一つの見事な具体的に展開することになると思いますけれども、総理の御所見を伺わせてください。
安
安倍晋三#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) エボラ出血熱の感染拡大にも見られるとおり、グローバル化の進展に伴って国境を越える感染症の脅威が増大をしております。
このため、将来の感染症発生の予防や発生後の対応について、国際機関や援助供与国、NGO等の間の効果的な連携の在り方を促進する国際的な調整メカニズム、いわゆるグローバル・ヘルス・ガバナンスの問題について平時から検討を進めておく必要があると考えます。グローバル・ヘルス・ガバナンスの問題に取り組むことは、感染症対策の強化を通じて国際社会の安定に資するものであり、ひいては積極的平和主義の推進及び人間の安全保障の促進にもつながると考えます。
我が国は、これまでのG7サミット等の場を活用し、国際保健に関する議論を主導してまいりました。二〇〇〇年の九州・沖縄サミットにおいては、初めて議題として感染症対策を取り上げ、二年後の世界エイズ・結核・マラリア対策基金の設立につなげました。また、二〇〇八年の北海道洞爺湖サミットにおいては、途上国の保健システム強化の方針を打ち出したのは御承知のとおりでありまして、来年のG7伊勢志摩サミットの主催国として、我が国はグローバル・ヘルス・ガバナンスの議論において積極的な貢献を行っていく考えでございます。
この発言だけを見る →このため、将来の感染症発生の予防や発生後の対応について、国際機関や援助供与国、NGO等の間の効果的な連携の在り方を促進する国際的な調整メカニズム、いわゆるグローバル・ヘルス・ガバナンスの問題について平時から検討を進めておく必要があると考えます。グローバル・ヘルス・ガバナンスの問題に取り組むことは、感染症対策の強化を通じて国際社会の安定に資するものであり、ひいては積極的平和主義の推進及び人間の安全保障の促進にもつながると考えます。
我が国は、これまでのG7サミット等の場を活用し、国際保健に関する議論を主導してまいりました。二〇〇〇年の九州・沖縄サミットにおいては、初めて議題として感染症対策を取り上げ、二年後の世界エイズ・結核・マラリア対策基金の設立につなげました。また、二〇〇八年の北海道洞爺湖サミットにおいては、途上国の保健システム強化の方針を打ち出したのは御承知のとおりでありまして、来年のG7伊勢志摩サミットの主催国として、我が国はグローバル・ヘルス・ガバナンスの議論において積極的な貢献を行っていく考えでございます。
武
武見敬三#20
○武見敬三君 ありがとうございました。
まさにこうした人間の安全保障という概念をきちっと堅固に持っている、そして、それによって未来志向の平和主義と国際社会の共通課題をしっかりと解決していく、そして平和基盤の構築に幅広く日本が貢献するという姿勢を示し、そのことが日本という国が平和主義を基調とする国であるということを幅広く理解させる基本になるだろうと思います。そして、それによって、逆に地政学的には不利になる日本のアジア太平洋の中で、多くの他の国々は日本の立場をしっかり応援してくれるということになりますので、是非、平和主義に基づく総合的な平和安保法制の推進をしていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
この発言だけを見る →まさにこうした人間の安全保障という概念をきちっと堅固に持っている、そして、それによって未来志向の平和主義と国際社会の共通課題をしっかりと解決していく、そして平和基盤の構築に幅広く日本が貢献するという姿勢を示し、そのことが日本という国が平和主義を基調とする国であるということを幅広く理解させる基本になるだろうと思います。そして、それによって、逆に地政学的には不利になる日本のアジア太平洋の中で、多くの他の国々は日本の立場をしっかり応援してくれるということになりますので、是非、平和主義に基づく総合的な平和安保法制の推進をしていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
岸
岸
岡
岡田直樹#23
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。
この週末、先ほど武見議員から御指摘があったとおり、日本を取り巻く外交、安全保障の状況を緊迫させる出来事が続きました。そこで、通告内容に加えて、冒頭幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
まず、朝鮮半島情勢の緊迫であります。
南北軍事境界線、いわゆる三十八度線の南側の非武装地帯に北朝鮮が地雷を埋めたとされております。北朝鮮側はこれを否定しておりますけれども、その地雷が爆発をして韓国軍兵士が負傷をした。そして、これに対して韓国側が、北朝鮮の独裁体制、特に金正恩を非難する宣伝放送を十一年ぶりに再開をしたということで、これに対してまた北朝鮮側が韓国に砲弾を撃ち込み、韓国もこれに反撃をするということで、北朝鮮、先ほど武見議員から話のあった準戦時状態というものを宣言したわけであります。二十二年ぶりのことと聞いております。
準戦時状態というと、文字どおり受け止めるならば、戦争一歩手前ということだと思います。北朝鮮側はミサイル発射の準備もしたという報道もなされておりますし、その後、北朝鮮側から申し入れて南北の高官同士が話し合っているけれども、地雷を埋めたかどうかについて激しい対立が続いていて、その間にも北朝鮮の潜水艦が多数出動するとか、あるいは砲兵が最前線に展開をするといった情報も伝わっていて、北朝鮮が更なる軍事的な揺さぶりを掛けてくるおそれもあると思っております。
外務大臣から現在把握しておられる新しい情勢について御説明をいただきたいと同時に、北朝鮮側の意図がどこにあるのか、また今回の緊張状態の持つ危険性というものをどのように捉えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →この週末、先ほど武見議員から御指摘があったとおり、日本を取り巻く外交、安全保障の状況を緊迫させる出来事が続きました。そこで、通告内容に加えて、冒頭幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
まず、朝鮮半島情勢の緊迫であります。
南北軍事境界線、いわゆる三十八度線の南側の非武装地帯に北朝鮮が地雷を埋めたとされております。北朝鮮側はこれを否定しておりますけれども、その地雷が爆発をして韓国軍兵士が負傷をした。そして、これに対して韓国側が、北朝鮮の独裁体制、特に金正恩を非難する宣伝放送を十一年ぶりに再開をしたということで、これに対してまた北朝鮮側が韓国に砲弾を撃ち込み、韓国もこれに反撃をするということで、北朝鮮、先ほど武見議員から話のあった準戦時状態というものを宣言したわけであります。二十二年ぶりのことと聞いております。
準戦時状態というと、文字どおり受け止めるならば、戦争一歩手前ということだと思います。北朝鮮側はミサイル発射の準備もしたという報道もなされておりますし、その後、北朝鮮側から申し入れて南北の高官同士が話し合っているけれども、地雷を埋めたかどうかについて激しい対立が続いていて、その間にも北朝鮮の潜水艦が多数出動するとか、あるいは砲兵が最前線に展開をするといった情報も伝わっていて、北朝鮮が更なる軍事的な揺さぶりを掛けてくるおそれもあると思っております。
外務大臣から現在把握しておられる新しい情勢について御説明をいただきたいと同時に、北朝鮮側の意図がどこにあるのか、また今回の緊張状態の持つ危険性というものをどのように捉えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
岸
岸田文雄#24
○国務大臣(岸田文雄君) まず、八月四日ですが、韓国の南北非武装地帯におきまして韓国兵二名が地雷爆発により負傷した事件が発生しました。そして、その後、十日になりますが、韓国政府は本件について、北朝鮮が軍事境界線を不法侵犯し、地雷を意図的に埋設した明白な挑発である旨発表するとともに、北朝鮮に対し謝罪及び責任者の処罰を求めました。そしてさらに、韓国軍は同日から南北非武装地帯における拡声機による政治宣伝放送を十一年ぶりに再開し、これに対し、北朝鮮側はこうした放送を中止すべきと警告を行いました。
こうした中、二十日になりますが、北朝鮮は南北非武装地帯において二度にわたり砲撃を行い、これに対し、韓国側は対応射撃を実施したということでありました。韓国政府は緊急NSC会議を招集し、そして北朝鮮側は、これは委員から御指摘がありましたが、二十二年ぶりに準戦時状態を宣布するという対応を行いました。
そして、その後、二十二日夕刻から板門店におきまして南北の高官が断続的に接触している、こうした動きがあります。そして、この接触につきましては今現在も続いているというのが現状であります。
北朝鮮側の意図について申し上げる立場にはありませんが、我が国としましては、今回の北朝鮮の砲撃等による地域の緊張の高まり、強く懸念しておりますし、北朝鮮は挑発行動を自制すべきであると考えます。今般の南北の接触が緊張の緩和につながることを期待しております。我が国としましては、引き続き情報の収集、分析に当たりながら、米国、韓国等と緊密に連携しつつ対応に万全を期していきたいと考えております。
この発言だけを見る →こうした中、二十日になりますが、北朝鮮は南北非武装地帯において二度にわたり砲撃を行い、これに対し、韓国側は対応射撃を実施したということでありました。韓国政府は緊急NSC会議を招集し、そして北朝鮮側は、これは委員から御指摘がありましたが、二十二年ぶりに準戦時状態を宣布するという対応を行いました。
そして、その後、二十二日夕刻から板門店におきまして南北の高官が断続的に接触している、こうした動きがあります。そして、この接触につきましては今現在も続いているというのが現状であります。
北朝鮮側の意図について申し上げる立場にはありませんが、我が国としましては、今回の北朝鮮の砲撃等による地域の緊張の高まり、強く懸念しておりますし、北朝鮮は挑発行動を自制すべきであると考えます。今般の南北の接触が緊張の緩和につながることを期待しております。我が国としましては、引き続き情報の収集、分析に当たりながら、米国、韓国等と緊密に連携しつつ対応に万全を期していきたいと考えております。
岡
岡田直樹#25
○岡田直樹君 北朝鮮の行動というものが、軍事的な緊張感をぐっと高めておいて、そしてぎりぎりのところで寸止めにする、いわゆる瀬戸際戦術であるという見方もございますし、これが大規模な軍事演習にすぎないのではないかという、そういう見方もあるけれども、私は、先ほど大臣が言われたように、やはりこれは極めて懸念すべき事柄であって、緊張状態、決して油断はできないと思うのであります。今回のような軍事的な緊張は今後繰り返し発生し得るし、またエスカレートするおそれもあると思っておりますので、外務あるいは防衛当局におかれては慎重に注視を続けていただきたいと思っております。
私、新聞記者を以前しておりまして、平成九年、十年と北朝鮮に渡って取材をいたしました。これが本当に驚くべき軍事独裁国家であるということを肌で感じた経験を持っております。
当時も代替わりの時代でありまして、前の金正日は、父親の金日成が亡くなったその喪に服すと称して三年間全く姿を現さない謎の指導者として世界に不安を与えていた、そういうことを思い出すわけでありますが、しかし、当時と比べても、今の三代目の金正恩という若い指導者は更に危うさを感じるところが私はございます。次々と自国の要人を処刑をするというような、まさに恐怖政治と言うしかない、力でもって国を抑え付けようとしている、独裁体制を維持しようとしている、こういう北朝鮮の内部を締め付けるために韓国やあるいは日本に対して矛先を向けてくるおそれも否定できないと、そのように考えているものであります。
また、核実験、先ほどもお話がありましたけれども、核実験や弾道ミサイルの発射を行うことによって軍事力を誇示し、また北朝鮮の彼らなりの国威を発揚しようとする、そういう可能性もあると思っております。
今回感じたことは、朝鮮戦争は決して終わっていない、休戦をしているにすぎないということでありまして、朝鮮半島有事というものは、これは関係各国がその立場を超えて未然に外交的に予防をすべきもの、先ほど外務大臣、自制を求めるというふうにおっしゃいましたけれども、その一方では、万一の場合の暴発に備えて安全保障上の対策も、これは日本の国として万全を期しておかねばならないと私は確信をいたしております。
今まさに平和安全法制がこの参議院において審議をされている、そのさなかに生じた今回の朝鮮半島の緊張状態。私は、決して過剰に危機感をあおるものではございません。しかしながら、同時に、決してこれを見過ごすことはできない、このように考えております。
中国のこともしかりでありまして、東シナ海、南シナ海における拡張主義、これが資源獲得の目的以外にも、やはり今の中国の経済あるいは国民生活への不安とか不満を外に向けて、対外進出、ナショナリズムに置き換えようと、転嫁しようという意図もあるんじゃないかと思っております。
特に、今回の朝鮮半島問題に対する安倍総理の御所感をお伺いし、また、日本国民及び東アジアの平和を、安全をしっかり守っていくのだという決意を改めてお伺いをしたいと存じます。
この発言だけを見る →私、新聞記者を以前しておりまして、平成九年、十年と北朝鮮に渡って取材をいたしました。これが本当に驚くべき軍事独裁国家であるということを肌で感じた経験を持っております。
当時も代替わりの時代でありまして、前の金正日は、父親の金日成が亡くなったその喪に服すと称して三年間全く姿を現さない謎の指導者として世界に不安を与えていた、そういうことを思い出すわけでありますが、しかし、当時と比べても、今の三代目の金正恩という若い指導者は更に危うさを感じるところが私はございます。次々と自国の要人を処刑をするというような、まさに恐怖政治と言うしかない、力でもって国を抑え付けようとしている、独裁体制を維持しようとしている、こういう北朝鮮の内部を締め付けるために韓国やあるいは日本に対して矛先を向けてくるおそれも否定できないと、そのように考えているものであります。
また、核実験、先ほどもお話がありましたけれども、核実験や弾道ミサイルの発射を行うことによって軍事力を誇示し、また北朝鮮の彼らなりの国威を発揚しようとする、そういう可能性もあると思っております。
今回感じたことは、朝鮮戦争は決して終わっていない、休戦をしているにすぎないということでありまして、朝鮮半島有事というものは、これは関係各国がその立場を超えて未然に外交的に予防をすべきもの、先ほど外務大臣、自制を求めるというふうにおっしゃいましたけれども、その一方では、万一の場合の暴発に備えて安全保障上の対策も、これは日本の国として万全を期しておかねばならないと私は確信をいたしております。
今まさに平和安全法制がこの参議院において審議をされている、そのさなかに生じた今回の朝鮮半島の緊張状態。私は、決して過剰に危機感をあおるものではございません。しかしながら、同時に、決してこれを見過ごすことはできない、このように考えております。
中国のこともしかりでありまして、東シナ海、南シナ海における拡張主義、これが資源獲得の目的以外にも、やはり今の中国の経済あるいは国民生活への不安とか不満を外に向けて、対外進出、ナショナリズムに置き換えようと、転嫁しようという意図もあるんじゃないかと思っております。
特に、今回の朝鮮半島問題に対する安倍総理の御所感をお伺いし、また、日本国民及び東アジアの平和を、安全をしっかり守っていくのだという決意を改めてお伺いをしたいと存じます。
安
安倍晋三#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の朝鮮半島の事案につきましては、そもそもは今、岡田委員が御紹介されたように、地雷の爆発、それに対応して韓国側の北朝鮮への放送に対する対応であったわけでありますが、それがまさに、話合いをするとともに、同時に、朝鮮戦争以来の数十隻の潜水艦の港からの離脱ということになっているわけでありまして、どこでどのように変化をしていくかなかなか予測し得ないのがアジア太平洋地域の安全保障環境であろうと、こう思うわけであります。
今御議論いただいております平和安全法制は、特定の国を想定している、念頭に置いたものではございませんが、現在の朝鮮半島をめぐる動向、ロシアの動向等々を考えますと、また最近の中国の動向を考えると、安全保障環境がますます厳しさを増しているのは間違いないわけでありまして、そうした戦争を、そして紛争を未然に防ぐための平和安全法制であろうと思います。日頃からしっかりと備えをしていくことが私たちには求められている、それが国民の命や幸せな暮らしを守る政治家あるいは政府の責任であろうと、こう思うわけであります。
切れ目のない対応を可能とするこの法制を整備をし、同時に、外交を通じて紛争を事前に防いでいく、当然のことであろうと、このように思います。まさにこの両面においてしっかりと対応を取っていくことが責任ある姿勢ではないかと、このように考えます。
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切れ目のない対応を可能とするこの法制を整備をし、同時に、外交を通じて紛争を事前に防いでいく、当然のことであろうと、このように思います。まさにこの両面においてしっかりと対応を取っていくことが責任ある姿勢ではないかと、このように考えます。
岡
岡田直樹#27
○岡田直樹君 ただいま総理のおっしゃったとおり、まず外交的な努力を尽くして未然にそうした緊張状態の芽を摘んでいく、しかしながら、同時に万々が一に備えてしっかりと今の平和安全法制、これを審議し成立をさせていくことが東アジアの安定、ひいては日本国民の安全にとって不可欠のことと私は考える次第でございます。
続いて、ロシアの件でございます。
ロシアのメドベージェフ首相が我が国固有の領土である北方領土の択捉島に立ち入り、その軍事拠点化まで示唆をしてロシアの実効支配を印象付けた、この件は極めて遺憾であります。外務大臣は、早速にロシアの駐日大使を呼んで強く抗議をされ、ロシア訪問の予定もこれは延期をされる方向かと伺っておりますが、これは当然の判断ではなかろうかと思います。
その一方で、北方領土問題、この解決は、関係者の方々が本当に御高齢に達していると、そういうことも考えても、やはり進展を得べく、いかなることが生じても日ロの首脳の間のチャンネルというものは開いておかねばならないのではないか、私はこのように考えております。大変悩ましい問題ではありますが、プーチン大統領とのトップ会談を含めて今後の対ロシア外交の方針というもの、方向性について総理のお考えを伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →続いて、ロシアの件でございます。
ロシアのメドベージェフ首相が我が国固有の領土である北方領土の択捉島に立ち入り、その軍事拠点化まで示唆をしてロシアの実効支配を印象付けた、この件は極めて遺憾であります。外務大臣は、早速にロシアの駐日大使を呼んで強く抗議をされ、ロシア訪問の予定もこれは延期をされる方向かと伺っておりますが、これは当然の判断ではなかろうかと思います。
その一方で、北方領土問題、この解決は、関係者の方々が本当に御高齢に達していると、そういうことも考えても、やはり進展を得べく、いかなることが生じても日ロの首脳の間のチャンネルというものは開いておかねばならないのではないか、私はこのように考えております。大変悩ましい問題ではありますが、プーチン大統領とのトップ会談を含めて今後の対ロシア外交の方針というもの、方向性について総理のお考えを伺いたいと存じます。
安
安倍晋三#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この週末にメドベージェフ首相が択捉島を訪問したことは、北方四島に関する日本の立場と相入れず、また日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾であります。そのため、我が国として、直ちに岸田外務大臣よりアファナシエフ大使に対し強く抗議を申し入れました。
同時に、我が国の国益にとって重要なことは、北方領土の帰属問題を解決をし、平和条約を締結することであります。両首脳で一致したとおり、問題の解決に向けて両国間で精力的に交渉を進めていく必要があることに変わりはありません。
今後とも、プーチン大統領との対話を継続しつつ、我が国の国益に資するよう日ロ関係を進める中で、粘り強くロシアとの交渉を続けていく考えであります。
この発言だけを見る →同時に、我が国の国益にとって重要なことは、北方領土の帰属問題を解決をし、平和条約を締結することであります。両首脳で一致したとおり、問題の解決に向けて両国間で精力的に交渉を進めていく必要があることに変わりはありません。
今後とも、プーチン大統領との対話を継続しつつ、我が国の国益に資するよう日ロ関係を進める中で、粘り強くロシアとの交渉を続けていく考えであります。
岡
岡田直樹#29
○岡田直樹君 日ロの首脳の関係というもの、これは現下のロシアの国際的な行動に鑑みると極めて微妙な問題もはらんでいると、そのように思いますが、これは今総理がおっしゃったように、持続的に粘り強く対話の機会も持つということを探っていただきたいというふうに思うものでございます。
それでは、これまた武見議員も御指摘になったところでありますけれども、安倍総理の戦後七十年談話で積極的平和主義を掲げられた、この点について少し総理の理念や意欲というものをお伺いをしたいと思います。
ちょうど十年ほど前になりますが、私は総理と日本国憲法の前文についていろいろ議論をさせていただく機会がありました。総理は、その当時、自民党の幹事長代理というお立場でありました。今の日本国憲法前文の中には、例の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」、こういう若干あなた任せのような記述もあると、こういうことも私も申し上げておったわけでありますけれども、その一方で、ここにパネルに抜き出しましたように、(資料提示)「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」、こういった一国平和主義ではない積極的平和主義を示唆するくだりもあるわけであります。
これは、大戦中のテヘラン宣言でありましたか、その引用であるという説もありますし、英語で書かれた憲法草案を日本語に直した翻訳調の文章であるということも思うわけでありますけれども、これに続く、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」、こういう部分などは、先ほど総理と武見議員の間で議論をされた人間の安全保障にも通じるところがあると思います。
この憲法前文の文章の良しあしや成立の経緯は別として、先般の七十年談話に示された、「我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。」、この宣言と一脈この憲法前文は通じるところもあるのではないかというふうに私は思っております。将来においてこの憲法の前文が書き改められるようなときがあるとすれば、もっと分かりやすい日本語で積極的平和主義の精神を盛り込みたいと、そんなふうにさえ思っているくだりであります。
総理の積極的平和主義への思い、また精力的に続けてこられた地球儀俯瞰外交について、改めてその意欲をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、これまた武見議員も御指摘になったところでありますけれども、安倍総理の戦後七十年談話で積極的平和主義を掲げられた、この点について少し総理の理念や意欲というものをお伺いをしたいと思います。
ちょうど十年ほど前になりますが、私は総理と日本国憲法の前文についていろいろ議論をさせていただく機会がありました。総理は、その当時、自民党の幹事長代理というお立場でありました。今の日本国憲法前文の中には、例の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」、こういう若干あなた任せのような記述もあると、こういうことも私も申し上げておったわけでありますけれども、その一方で、ここにパネルに抜き出しましたように、(資料提示)「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」、こういった一国平和主義ではない積極的平和主義を示唆するくだりもあるわけであります。
これは、大戦中のテヘラン宣言でありましたか、その引用であるという説もありますし、英語で書かれた憲法草案を日本語に直した翻訳調の文章であるということも思うわけでありますけれども、これに続く、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」、こういう部分などは、先ほど総理と武見議員の間で議論をされた人間の安全保障にも通じるところがあると思います。
この憲法前文の文章の良しあしや成立の経緯は別として、先般の七十年談話に示された、「我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。」、この宣言と一脈この憲法前文は通じるところもあるのではないかというふうに私は思っております。将来においてこの憲法の前文が書き改められるようなときがあるとすれば、もっと分かりやすい日本語で積極的平和主義の精神を盛り込みたいと、そんなふうにさえ思っているくだりであります。
総理の積極的平和主義への思い、また精力的に続けてこられた地球儀俯瞰外交について、改めてその意欲をお伺いしたいと思います。