宮腰光寛の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)
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○宮腰委員 ただいま総理から、消費者の視点からも、あるいはマクロ経済の視点からも、それから新たな自由な貿易ルールという視点からも大きな意味があるというお話がありました。現に大筋合意の後、内容がわかった後で、お隣の韓国や台湾を初めとする多くの国々から、交渉参加を検討したいという表明がなされているというのは、今総理がおっしゃった点にあるのではないかというふうに考えております。
次に、TPP交渉の経緯について振り返ってみたいというふうに思います。
民主党政権時代の平成二十二年十月。横浜で開かれたAPEC首脳会合で、菅総理がTPP交渉への参加を検討すると発言されたのが始まりであります。その後、平成二十三年の十一月、野田総理の時代に、交渉参加に向けた事前協議に入ったという経緯があります。このときも、実は、衆議院の農林水産委員会等で、TPP協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する件という国会決議を行いました。我々自民党は、TPPについて、聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対という公約を掲げ、総選挙を戦い、政権に復帰をいたしました。
安倍総理は、復帰直後の二月にアメリカを訪問され、オバマ大統領と初めての首脳会談を行われました。お互いに国益を背負った大変厳しいやりとりがあったと聞いておりますが、会談の結果を反映した共同声明が発表され、日本には一定の農産品、アメリカには一定の工業製品というように、お互いに、二国間貿易上のセンシティビティー、重要品目が存在することを確認されました。また、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないということも日米首脳間で確認されました。
総理は、帰国後、TPPについて、聖域なき関税撤廃ではないことが明確になったとして、自民党に交渉参加検討を指示され、西川TPP対策委員会でぎりぎりの検討を行った結果、三月十三日、自民党の決議を取りまとめ、それを踏まえた形で、総理が交渉参加を表明されたわけであります。
アメリカでは、通商交渉権限は合衆国政府ではなく連邦議会が持っております。我々は、それに対抗するには、我が国でも交渉に臨むに当たって改めて国会の意思を明確に示す必要があると痛感をいたしておりました。
四月十九日、衆議院の農林水産委員会で、TPP協定交渉参加に関する決議が採択されました。政権交代直後という政治状況の中、この決議を成立させることは非常に困難でありましたが、私も与党筆頭理事として取りまとめに当たりました。自民党、公明党の与党に加え、野党の民主党・無所属クラブと生活の党からの賛成も得て、圧倒的多数で決議が採択をされました。
この国会決議が、事実上、日本政府の交渉方針となり、交渉の強力な後ろ盾となりました。国益をかけたTPP交渉において、この国会決議がなかりせば、今回の交渉結果にはならなかったのではないかというふうに思います。
また、自民党として、閣僚会合が開かれた現地に毎回議員を派遣いたしまして、国益にかなう交渉となるよう、甘利大臣を初め政府交渉団を督励し、見守ってまいりました。主な派遣メンバーは、西川委員長、吉川筆頭、森山農林水産大臣、国益を守り抜く会の江藤会長、そして私であります。
現地では、調査のため派遣された民主党の議員とも何度もお会いし、その時点での交渉の状況についてできる限り丁寧な説明に努めてまいりました。現地で取材に当たっている記者団に対しましては、連日記者懇談会を開き、TPP政府対策本部の担当者が記者全員の質問にタイムリーに答えるよう毎回配慮してまいりました。
自民党の派遣団そのものが交渉を行ったわけではありませんが、私は、現地での経験から、政府交渉団はチーム一丸となって国益を最大化するための交渉を行ったと評価しております。
正式に交渉参加してから二年と二カ月余りで大筋合意に至りました。非常に困難な交渉ではありましたけれども、今、交渉を振り返って、総理はどのような感想をお持ちであるか、お聞きしたいと思います。