安倍晋三の発言 (予算委員会)
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○安倍内閣総理大臣 先般の平和安全法制の議論の際に、憲法学者の多くが、これは憲法違反だ、そういう指摘がなされまして、この国会においてもそれが大きな焦点となり、議論となりました。
しかし、今、稲田委員が紹介をされたように、実は、憲法学者の七割が、憲法の九条一項、二項を読む中において、いわば解釈からすれば、まさに憲法違反のおそれがある、自衛隊の存在自体がおそれがあるという判断をしている。自衛隊の存在自体が、いわば自衛権の行使そのものが憲法違反であるという解釈をしている以上、これは当然、集団的自衛権についても憲法違反だということになっていくんだろう、こう思うわけであります。
しかしながら、今、稲田委員がおっしゃったように、憲法前文が国民の平和的生存権を確認し、そして、十三条で生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきことを定めていることなどを踏まえて考えると、憲法第九条は、我が国が主権国家として持つ固有の自衛権を否定しているものではなく、自衛権の行使を裏づける必要最小限度の実力組織を保持することももとより禁じているものではないと解しているわけでありまして、このような政府の解釈は一貫したものであり、また、政府の憲法解釈に関する基本的論理は、最高裁判決と軌を一にするものであります。また、何よりも、自衛隊は創設以来六十年間以上にわたり国内外における活動を積み重ね、今や自衛隊に対する国民の支持は揺るぎないものがあるわけであります。
そして、もとより自由民主党は、今委員がおっしゃったとおり、立党以来、憲法改正を党是としたわけでありまして、そうした谷垣総裁のもとで相当な議論を行って憲法改正草案を発表しております。
その中では、第九条第二項を改正して自衛権を明記し、また、新たに自衛のための組織の設置を規定するなど、自由民主党として、将来のあるべき憲法の姿をお示ししています。
そういう意味におきましては、いわば憲法解釈について、七割の憲法学者が、憲法違反の疑いがある、自衛隊に対してそういう疑いを持っているという状況をなくすべきではないかという考え方もあり、また、そもそもこれは占領時代につくられた憲法である、時代にそぐわなくなったものもある、そして、私たちの手で憲法を書いていくべきだという考え方のもとに、私たちは私たちの草案を発表しているわけであります。さきの総選挙においても、憲法改正を目指すことは明確に示しているわけでございます。
また、憲法の改正につきましては、これは法改正とは違って、国会の中で完了するわけではなくて、国会議員が多数決で決めればそこで決まるのではなくて、国会は、いわば国民の皆様にその判断を委ねる、そのための発議をするだけでありまして、決めるのは、憲法においては国民の皆様に決めていただく。国民の皆様に決めていただくということすら国会議員がしなくていいのか、それは責任の放棄ではないかということを多くの問題意識として、責任感のある我が党の国会議員が考え抜いた結果、先般、谷垣総裁のもとで我々の考え方をお示ししたところでございます。
決めていただくのは、まさに国民投票における国民の皆さんの一票であろう、こう思うわけであります。だからこそ、憲法の改正については国民の理解が不可欠であり、具体的な改正の内容は、国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくる、こう考えております。
念のためにつけ加えさせていただきますと、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など、現行憲法の基本原理を維持することは当然のことであり、私たちの憲法草案においてもそれは貫かれているということは申し添えておきたいと思います。