予算委員会

2016-02-03 衆議院 全311発言

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会議録情報#0
平成二十八年二月三日(水曜日)
    午前八時五十九分開議
 出席委員
   委員長 竹下  亘君
   理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君
   理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 関  芳弘君 理事 平沢 勝栄君
   理事 柿沢 未途君 理事 山井 和則君
   理事 赤羽 一嘉君
      秋元  司君    井上 貴博君
      池田 道孝君    池田 佳隆君
      石川 昭政君    石原 宏高君
      稲田 朋美君    岩屋  毅君
      衛藤征士郎君    小倉 將信君
      小田原 潔君    越智 隆雄君
      奥野 信亮君    勝沼 栄明君
      門  博文君    上川 陽子君
      小池百合子君    小林 鷹之君
      國場幸之助君    佐田玄一郎君
      佐藤ゆかり君    鈴木 俊一君
      瀬戸 隆一君    薗浦健太郎君
      長坂 康正君    根本  匠君
      野田  毅君    原田 義昭君
      古屋 圭司君    保岡 興治君
      山下 貴司君    山本 幸三君
      山本 有二君    井坂 信彦君
      今井 雅人君    緒方林太郎君
      大串 博志君    大西 健介君
      岡田 克也君    小山 展弘君
      階   猛君    玉木雄一郎君
      西村智奈美君    福島 伸享君
      宮崎 岳志君    石田 祝稔君
      浮島 智子君    濱村  進君
      吉田 宣弘君    赤嶺 政賢君
      笠井  亮君    高橋千鶴子君
      宮本  徹君    足立 康史君
      松浪 健太君    重徳 和彦君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   法務大臣         岩城 光英君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       馳   浩君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       森山  裕君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      林  幹雄君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    丸川 珠代君
   防衛大臣         中谷  元君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       高木  毅君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (行政改革担当)
   (消費者及び食品安全担当)
   (規制改革担当)
   (防災担当)       河野 太郎君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     島尻安伊子君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (一億総活躍担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (国家戦略特別区域担当) 石破  茂君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君
   財務副大臣        坂井  学君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  永井 達也君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君
   政府参考人
   (経済産業省通商政策局長)            片瀬 裕文君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 日下部 聡君
   参考人
   (独立行政法人都市再生機構理事長)        上西 郁夫君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    —————————————
委員の異動
二月三日
 辞任         補欠選任
  秋元  司君     國場幸之助君
  井上 貴博君     池田 佳隆君
  石原 宏高君     上川 陽子君
  小倉 將信君     石川 昭政君
  越智 隆雄君     稲田 朋美君
  小林 鷹之君     勝沼 栄明君
  原田 義昭君     池田 道孝君
  緒方林太郎君     岡田 克也君
  階   猛君     小山 展弘君
  松野 頼久君     井坂 信彦君
  吉田 宣弘君     石田 祝稔君
  赤嶺 政賢君     宮本  徹君
  高橋千鶴子君     笠井  亮君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     瀬戸 隆一君
  池田 佳隆君     薗浦健太郎君
  石川 昭政君     小倉 將信君
  稲田 朋美君     越智 隆雄君
  勝沼 栄明君     小林 鷹之君
  上川 陽子君     石原 宏高君
  國場幸之助君     秋元  司君
  井坂 信彦君     今井 雅人君
  岡田 克也君     宮崎 岳志君
  小山 展弘君     階   猛君
  石田 祝稔君     吉田 宣弘君
  笠井  亮君     高橋千鶴子君
  宮本  徹君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  瀬戸 隆一君     原田 義昭君
  薗浦健太郎君     井上 貴博君
  今井 雅人君     松野 頼久君
  宮崎 岳志君     緒方林太郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十八年度一般会計予算
 平成二十八年度特別会計予算
 平成二十八年度政府関係機関予算
     ————◇—————
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竹下亘#1
○竹下委員長 これより会議を開きます。
 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、内閣官房内閣審議官永井達也君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、経済産業省通商政策局長片瀬裕文君、資源エネルギー庁長官日下部聡君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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竹下亘#2
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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竹下亘#3
○竹下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
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稲田朋美#4
○稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。
 冒頭、北朝鮮が、国際機関に対し、今月八日から二十五日までの間に衛星を打ち上げることを伝えたとの報道がございます。現時点で政府が把握している事実関係、そしてそれに対する対応について、総理にお伺いをいたします。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 昨晩、北朝鮮が、今月八日から二十五日までの間に人工衛星を発射する旨を、IMO、国際海事機構及びICAO、国際民間航空機関に通報しました。
 これは、実際は弾道ミサイルの発射を意味するものであります。核実験の実施に引き続き北朝鮮が弾道ミサイルの発射を強行することは明白な安保理決議違反であり、我が国の安全保障上の重大な挑発行為であります。米国や韓国等関係国と連携し、北朝鮮が発射を行わないよう強く自制を求めてまいります。
 政府においては、通報を受け、私から直ちに、情報の収集、分析、国民の安全、安心の確保に万全を期すことなどについて指示を行いました。そして、先ほど関係省庁局長級会議を開催して、今後の対応についての確認を行ったところでございます。
 先般のNSCにおきましても、北朝鮮の弾道ミサイル発射についての分析、対応等について検討したところでございますが、今般の発表を受けまして、本日十二時からNSCを開催いたしまして、今後の対応そして現状の分析を行うところでございます。
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稲田朋美#6
○稲田委員 国民の生命、身体、平和な暮らしを守ることが政治の最大の責務だと思いますので、政府におかれましては、正確な情報収集そして万全の対応をお願いしたいと思います。
 さて、甘利経済再生担当大臣が先週辞任をされて、アベノミクスの経済政策、そしてデフレからの脱却の牽引役を果たされてきた甘利大臣の辞任、まことに残念でございます。
 石原新大臣におかれましては、党の中小企業・小規模事業者政策調査会長として全国の中小企業の実態を調査され、それを党内の政策に生かしてこられた、その実績と経験をぜひとも日本の経済再生のために生かして牽引をいただきたい、リーダーシップを発揮していただきたいと存じます。
 さて、安倍政権も四年目を迎えます。アベノミクス、そして女性活躍、地方創生、一億総活躍などなど、さまざまな観点からの政策を推し進め、成果を上げてまいりました。これは、困難な課題にも果敢にチャレンジをして、議論があっても決めていく政治を推し進めてきたからだと思います。
 外交、防衛におきましても、平和安全法制の成立、TPPの大筋合意、さらには慰安婦に関する日韓の合意など、大きな課題を解決し、国際社会で日本の存在感はかつてないほど高まっていると思います。今後ますます東アジア太平洋地域の平和と安定と繁栄に日本が果たすべき役割は大きくなると存じます。
 しかしながら、ことしに入って、冒頭総理がおっしゃいました北朝鮮の核実験さらにはミサイル、そして中東情勢、中国経済の減退、原油安などなど、安全保障情勢、また経済情勢、日本は正念場にあるというふうに思います。
 そんな中で、日銀がマイナス金利つき量的・質的緩和に踏み切りました。これはアベノミクスの前進にとって大きな後押しになると期待をしたいと思いますが、それでも、世界情勢に影響されない、日本の経済を強くするということは重要だと思います。こういった正念場だからこそ、一国のリーダーがこの国の将来像を語るべきだと思います。
 総理にお伺いをいたしますが、総理が目指すべき日本の将来像と、それに向けてのことしの最優先課題についてお伺いをいたします。
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安倍晋三#7
○安倍内閣総理大臣 ただいま稲田委員が指摘をされたように、世界は、私たちが望むと望まざるとにかかわらず、大きな変化を遂げているわけであります。我々は、この変化に対して受け身であってはならないわけであります。しっかりと情勢を分析しながら、その潮流を見定め、先手を打って対策を講じていくことが求められていると思います。
 いわばそのためには、スピード感を持って、今までの歴史から教訓を学びつつ、かつ新しい事態には新しい対応をしていく、こういう発想も持ちながら先手を打っていく。それが政治の責任であろう、立ちどまっている余裕はないんだろう、こう思うわけであります。
 世界は、例えば経済に目を転じれば、これまで成長を牽引してきた新興国経済に弱さが見られます。また、安全保障の分野においては、北朝鮮もそうですが、中東におけるISILの台頭及びテロ、そして普遍的な価値がその中で危機に瀕するなど、大きな岐路に直面をしています。
 その中で日本は、自由や民主主義、そうした基本的価値を共有する国々と手を携えて、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していくことが求められています。世界が直面するさまざまな課題に、主要国の建設的な関与を促しながら、その解決に努力をしていかなければなりません。
 また、TPPや欧州とのEPAを進め、自由で公正な経済秩序を世界へと広げていくことによって、より安くではなく、よりよいに挑戦をしていかなければならない、イノベーション型の経済成長へと転換をリードしていくことが求められていると思います。
 本年は、安保理非常任理事国の重責を担います。そして、伊勢志摩サミットの議長国になるわけであります。今申し上げましたそうした課題に、そうした国々としっかりと手を携えて対応していく、正しい対応をしていく上において日本がリーダーシップを果たしていきたいと思います。
 また、内政においては、国内では長年放置をされてきました少子高齢化の流れに歯どめをかけ、活力にあふれる、誇りある日本をつくり上げていきたいと思います。そして、私たちの子や孫の世代へとこのすばらしい日本を、誇りある日本を引き渡していく責任を果たしていかなければなりません。
 キーワードは多様性ではないか、こう思っております。その中で新しいアイデアが生まれ、ダイナミックな経済社会が生まれるわけでありまして、誰にでもチャンスがある、チャンスがあふれる、誰もが将来に夢や希望を持って頑張っていくことができる社会をつくっていきたいと思います。
 これまで、電力や医療やエネルギー、労働などの分野で戦後以来の大改革を断行し、規制改革によって多様なチャンスを生み出してきたわけでありますが、さらに、一億総活躍、高齢者も若い人も、そして女性も男性も、難病のある方も、また障害がある方も、誰にでもチャンスがあり可能性のある社会をつくっていくことによって、日本はしっかりと成長しながら、かつ世界の中でしっかりとその責任を果たしていく、誇りある日本をつくっていきたいと考えております。
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稲田朋美#8
○稲田委員 今総理がおっしゃったように、今の日本は、明治維新、そして戦後の復興に次ぐ大変革期にあると思います。世界で日本復活のイメージを保持しつつ、この世界の大変革の潮流に乗りおくれない果敢な挑戦、そして今まで安倍政権で進めてきた大胆な改革を進め、結果を出していく必要があると思います。
 先ほど総理がお述べになった、ことしの五月、G7の伊勢志摩サミットで総理は議長を務められるわけでありますけれども、世界の平和と繁栄に貢献する日本の積極的な姿をアピールし、日本らしさとともに、日本が取り組む課題について発信をすべきだと思いますが、総理の御決意をお願いいたします。
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安倍晋三#9
○安倍内閣総理大臣 ことしは、先ほど申し上げましたように、日本が非常任理事国に入っている。その結果、今般の北朝鮮のミサイル発射、それに先立つ核実験に対してどのような決議を行うべきか、どのような制裁を行うべきかということについてもリーダーシップを発揮することができています。
 また、初のアフリカにおけるTICADが開催されます。そして、日中韓の首脳会談、これは日本で開催されるわけでありますが、そのハイライトは伊勢志摩サミットであろう、こう思います。
 先ほども申し上げましたが、新興国経済に陰りが見られるわけであります。その要因の一つとなっている原油価格の急落という問題もあります。その中で、不透明感を増す世界経済の中で、G7がどういう役割を果たし、そしてどうやって安定性を回復していくかという中において、日本も議論をリードしていきたいと思います。
 また、北朝鮮情勢やテロなどの外交、安全保障の問題、そして気候変動の問題やあるいは貧困の問題といったグローバルな課題があります。そうした課題について率直な議論を行っていきたい、こう思うわけでありますし、今まで、どちらかというと、世界の中であるべき姿が示され、日本はそれに従っていくという立場であったわけでありますが、日本こそが世界はこうあるべきだという考え方をしっかりと打ち出していきたいと思います。
 G7は、自由や民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値のチャンピオンであり、まさに世界のオピニオンリーダーでなければならないと思っています。グローバルな視点に立って将来を見据えて、世界の平和と繁栄、経済連携の拡大などについて、我々が進むべき最も適切な道筋を示し、世界をリードしていきたいと考えております。
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稲田朋美#10
○稲田委員 まさに、総理がこの三年間進めてこられた地球儀を俯瞰する外交、そして積極的な外交、さらには、世界における日本の役割、世界に復活をした日本というものをアピールしていただきたいと思います。
 次に、憲法改正についてお伺いをいたします。
 憲法は、法治国家、主権国家日本の基本法であります。さらには、日本が目指すべきビジョンの基本的な法的な基盤でもあります。現行憲法は、日本が占領されていた、そして主権が制限されていた時代にできたものであります。
 昭和二十七年、サンフランシスコ平和条約が発効して、日本が主権を回復した後に自主憲法をつくるべきであるというのが我が党の党是であり、昨年、我が党立党六十年の際にも、この憲法改正という、我が党の党是であり、歴史的なチャレンジに果敢に挑戦していくということで心を一つにしたわけであります。
 昨年、集団的自衛権の議論の中で、集団的自衛権の行使が憲法に違反する、そういう批判がありましたが、憲法で、日本の国家を守る自衛権、必要最小限度の自衛権について、ごくごく限定された集団的自衛権の行使を認めることは、何ら憲法に違反するものでも立憲主義に違反するものでもありません。
 憲法九条の一項は、一九二八年の不戦条約の流れをくむ侵略戦争を禁止するという国際法上の当然の法理が書かれております。しかしながら、九条二項は、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」これを素直に文理解釈をすれば、自衛隊は九条二項に違反をする。憲法学者の約七割が、九条二項に自衛隊は違反ないし違反する可能性があると解釈をしております。
 憲法制定の当時、九条のもとで日本は自衛権の行使すらできないというのが政府の解釈であったわけでありますが、一九五四年に自衛隊が創設をされて、九条のもとであったとしても、日本は、主権国家である以上、自分の国が危ないとなれば、九条のもとで自衛権の行使ができると憲法解釈を変更し、これが九条の歴史の中で最も大きな憲法解釈の変更であります。
 九条のもとで最小限度の自衛権の行使ができるというのは最高裁でも判示がされておるわけでありますけれども、憲法学者の多くが、素直に文理解釈をすれば、自衛隊が違憲であると解釈するような九条二項、もう既に現実には全く合わなくなっている九条二項をこのままにしていくことこそが私は立憲主義を空洞化するものであると考えますが、総理の御意見をお伺いいたします。
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安倍晋三#11
○安倍内閣総理大臣 先般の平和安全法制の議論の際に、憲法学者の多くが、これは憲法違反だ、そういう指摘がなされまして、この国会においてもそれが大きな焦点となり、議論となりました。
 しかし、今、稲田委員が紹介をされたように、実は、憲法学者の七割が、憲法の九条一項、二項を読む中において、いわば解釈からすれば、まさに憲法違反のおそれがある、自衛隊の存在自体がおそれがあるという判断をしている。自衛隊の存在自体が、いわば自衛権の行使そのものが憲法違反であるという解釈をしている以上、これは当然、集団的自衛権についても憲法違反だということになっていくんだろう、こう思うわけであります。
 しかしながら、今、稲田委員がおっしゃったように、憲法前文が国民の平和的生存権を確認し、そして、十三条で生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきことを定めていることなどを踏まえて考えると、憲法第九条は、我が国が主権国家として持つ固有の自衛権を否定しているものではなく、自衛権の行使を裏づける必要最小限度の実力組織を保持することももとより禁じているものではないと解しているわけでありまして、このような政府の解釈は一貫したものであり、また、政府の憲法解釈に関する基本的論理は、最高裁判決と軌を一にするものであります。また、何よりも、自衛隊は創設以来六十年間以上にわたり国内外における活動を積み重ね、今や自衛隊に対する国民の支持は揺るぎないものがあるわけであります。
 そして、もとより自由民主党は、今委員がおっしゃったとおり、立党以来、憲法改正を党是としたわけでありまして、そうした谷垣総裁のもとで相当な議論を行って憲法改正草案を発表しております。
 その中では、第九条第二項を改正して自衛権を明記し、また、新たに自衛のための組織の設置を規定するなど、自由民主党として、将来のあるべき憲法の姿をお示ししています。
 そういう意味におきましては、いわば憲法解釈について、七割の憲法学者が、憲法違反の疑いがある、自衛隊に対してそういう疑いを持っているという状況をなくすべきではないかという考え方もあり、また、そもそもこれは占領時代につくられた憲法である、時代にそぐわなくなったものもある、そして、私たちの手で憲法を書いていくべきだという考え方のもとに、私たちは私たちの草案を発表しているわけであります。さきの総選挙においても、憲法改正を目指すことは明確に示しているわけでございます。
 また、憲法の改正につきましては、これは法改正とは違って、国会の中で完了するわけではなくて、国会議員が多数決で決めればそこで決まるのではなくて、国会は、いわば国民の皆様にその判断を委ねる、そのための発議をするだけでありまして、決めるのは、憲法においては国民の皆様に決めていただく。国民の皆様に決めていただくということすら国会議員がしなくていいのか、それは責任の放棄ではないかということを多くの問題意識として、責任感のある我が党の国会議員が考え抜いた結果、先般、谷垣総裁のもとで我々の考え方をお示ししたところでございます。
 決めていただくのは、まさに国民投票における国民の皆さんの一票であろう、こう思うわけであります。だからこそ、憲法の改正については国民の理解が不可欠であり、具体的な改正の内容は、国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくる、こう考えております。
 念のためにつけ加えさせていただきますと、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など、現行憲法の基本原理を維持することは当然のことであり、私たちの憲法草案においてもそれは貫かれているということは申し添えておきたいと思います。
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稲田朋美#12
○稲田委員 憲法改正については、やりやすいところからやるべきだという議論もありますけれども、私は、この九条二項などのように、本質的な議論をする、そして、総理おっしゃいましたように、この憲法改正は国民の理解があって初めてできるものでありますので、党内でも、国民の理解が得られるよう活発な議論を進めてまいりたいと思います。
 さて、安倍政権の大きな特徴の一つは、改革断行政権であるということだと思います。よいものを守るためには変えていかなければならない、伝統を守るために創造する、まさしく、保守である我が党の改革の精神だと思います。
 六十年ぶりの農協改革、患者申し出療養を創設した医療改革、内閣人事局をつくった公務員制度改革、電力自由化、発送電分離を実現させる電力システム改革など、長年どの政権も取り組もうとしてできなかった骨太の改革に取り組んで、成果を上げております。難しいけれども、本質的な改革に取り組むのが安倍政権の真骨頂であり、正念場を迎えている日本の経済再生にとって唯一の道筋だと私は考えております。
 GDP六百兆円、新三本の矢で示しておりますけれども、このGDP六百兆円は、内閣府の経済再生シナリオ、成長率名目三%を前提とすれば、二〇二〇年と二一年の間に達成するんですけれども、でも、潜在成長率〇・五の日本がどうやってGDP六百兆円を達成するのか、私は世界が注目をしていると思います。
 構造改革なくして潜在成長率を高めることはできない。総理もおっしゃったように、経済、産業の大変革期において、IoTや人工知能で産業構造が、ビジネスモデルが一夜にして変わる、このような現代において、それに対する適応のスピードを高めていかなければならない。その一つとして、雇用改革は私は不可欠だと思っております。
 終身雇用、年功序列といったいわゆる日本型雇用システムは、いいところはたくさんあるんですけれども、でも一方で、例えば解雇をめぐるルールにおいて、予見可能性が必ずしも十分でないとか、正社員の終身雇用を守ろうとする余り、それの結果として若い世代の採用抑制につながるとか、賃下げまたは不本意非正規の増加につながるとしたら、これは働く人の雇用環境や選択肢を狭める結果にもなりかねません。
 総理は施政方針演説で、従来の労働制度、社会の発想を大きく改めなければならないとおっしゃっております。全く私も同感であります。女性、高齢者が働きやすい環境をつくる、さらには、外国人労働の問題も正面から議論をすべきときが来ていると思います。
 日本型雇用システムの長所を生かしながら、どのようにして経済全体の適応力を高めていくのか、働き方改革、雇用改革についての総理のお考えをお示しください。
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安倍晋三#13
○安倍内閣総理大臣 稲田委員の質問の冒頭に、ビジョンについて御質問がございました。その中で、私は、大きく変化をしていると。
 この大きく変化している一つは、まさに経済がグローバル化している、そのグローバル化した経済の中で日本は生き残っていかなければならないということが大きな変化の一点、対応の必要性の一点でございますが、もう一点は、残念ながら、日本の人口は減少していくということであります。もちろん、私たちは一億人を維持したい。でも、一億人に向かって減少していくのは事実。
 その中で、六百兆円という名目GDPを掲げました。それを達成するためには、世界の競争に勝ち、かつ、人口が減少していくけれども、その中で、この新たな産業革命に対応して生産性を上げていく、そして同時に、多様な働き方を可能にしていかなければそれはできないということでありまして、結果として、その中で、私たちはしっかりと対応を打っていけば、さらに豊かな生活を確保することができる、こう確信をしております。
 今後の持続的な成長のためには、イノベーションによって新しい付加価値を次々と生み出していく必要があります。イノベーション型の経済成長へと転換をしていく必要があります。
 その鍵は多様性でありまして、一人一人の多様な能力が十分に発揮をされ、その多様性が認められる社会、すなわち、誰もが活躍できる一億総活躍が目指す社会像であります。
 多様な能力が発揮をされ、認められるためには、一人一人の事情に応じた多様な働き方が可能な社会への変革と、ワーク・ライフ・バランスの確保という働き方の改革が必要であります。我が国の人事・雇用管理には、人を大切にするというすぐれた点があります。そうした点を失うことなく、働き方の改革を進めて、企業の収益を伸ばし、働く人々にその成果が還元されていくことが重要だろうと思います。
 今春取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいて、同一労働同一賃金の実現など、非正規雇用労働者の待遇の改善、長時間労働の是正、高齢者雇用の促進を大きく課題と位置づけ、働き方改革に取り組んでいきます。しっかりとそのことによって生産性も上がっていくと同時に、働き手をふやし、それぞれがそれぞれの能力を評価されながら、そしてしっかりと結果を出していくことができるような、そういう社会をつくっていきたい、こう考えております。
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稲田朋美#14
○稲田委員 多様化を進めて改革を進めていく中で、やはり私は、労働市場のセーフティーネット、一人一人が安心をして誇りを持って働けるよう、社会保障とそして教育の受け皿が必要だと思いますが、その点についての総理のお考えをお伺いいたします。
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安倍晋三#15
○安倍内閣総理大臣 まさに、みんなが頑張っていく、新しいことに挑戦していく、そういう気持ちになるためにはセーフティーネットがなければなりません。人は、頑張っても、不幸にして病気になったり、あるいはうまくいかなかったりして、生活の基盤を失うことがあります。そのための社会保障の基盤をしっかりとつくっていく。
 また、挑戦するためには教育を受けることができなければならないわけでありまして、家庭の経済事情によって勉強ができない、あるいは高校や大学に進めないということがあってはならない、こう考えております。
 我々は、三本の矢の政策によって、名目GDPは二十八兆円ふえ、そして、国、地方合わせて税収は二十一兆円ふえました。この果実を生かしながら、社会保障制度、例えば介護離職ゼロのための社会福祉、あるいは希望出生率一・八のための子育て支援をしていくことによって、安定した社会的な基盤を確立することができます。そして、その上に、成長への投資を行っていくことによって我々はさらに成長し、そして成長によって果実を得て、それをまたさらに安定した社会的な基盤のために使っていくという、成長と分配の好循環を進めていきたいと思います。
 そして、議員の御指摘のとおり、職業訓練や学校教育、社会保障の充実は、一人一人の多様な能力が十分に発揮をされ、多様性が認められる社会を充実していく上で極めて重要であると考えております。その中で、我々も、社会福祉あるいは教育への支援をしっかりと行っていきたいと考えております。
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稲田朋美#16
○稲田委員 単に経済政策というよりも、次世代のための日本の変革に向けて、産業政策、雇用政策、そして人材育成を一体として進めていく、その上で、セーフティーネットとしての教育と社会保障を次世代のためにという視点で再構築をしていく、そういった時代認識のもとで、大胆に改革を進めていただきたいと思います。
 次に、エネルギー政策ですけれども、競争的で強靱なエネルギー基盤をつくることは、日本の経済再生にとって不可欠であります。さらに、エネルギー政策は国家の安全保障に直結をする基本戦略であることは、近代の日本の歴史がそれを示しているところであります。
 しかしながら、東京電力福島第一原発の歴史的な大事故において、原子力のみならず、エネルギー政策全体に対する国民の信頼が地に落ちているというふうに思います。まずは国民の信頼を取り戻す骨太の政策を打ち出すことが必要だと思います。そのためにも、将来のエネルギーミックスの考え方をしっかりと示す必要があると思います。
 要素は四つあります。一つは、一番重要な安全性です。この安全性という観点からは、原子力への依存はなるべく低減をしなければなりません。さらに、国家安全保障につながる自給率。自給率は高めなければならない。さらに、先進国として恥ずかしくない温室効果ガス排出量の目標を掲げて、達成しなければならない。そして、電力コストは、日本の経済という意味から、これ以上高くなることは避けなければならない。
 この四つをうまくきちんとクリアするようなエネルギーミックスを導き出していかなければなりませんが、政府が目標として定めた二〇三〇年のエネルギーミックスの基本的な考え方について、わかりやすく、総理、御説明ください。
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安倍晋三#17
○安倍内閣総理大臣 今、稲田委員がおっしゃったように、我々は、福島第一原発事故、過酷な事故を経験いたしました。二度と起こしてはならない、その強い決意のもとに、この事故が突きつけた課題と向き合い、それを踏まえて、平成二十六年四月に、エネルギー政策の基本方針をまとめたエネルギー基本計画を改定しました。
 日本は資源に乏しい国であります。安全性の確保を大前提に、経済性、気候変動の問題に配慮をしつつ、エネルギー供給の安定性を確保しなければならないわけであります。日本が経済を成長させていく、そして社会保障費を賄っていく上においても成長しなければならないわけでありますが、それにはエネルギーが必要であります。そして、自前のエネルギーもしっかりと確保していかなければならない。
 そういう観点も入れながら、今回、このエネルギーミックスについて論考を進めたのでございますが、その際、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の高効率化、資源の確保等に全力で取り組み、原発依存度を可能な限り低減していく、このような考え方に基づいて昨年策定した長期エネルギー需給見通しにおいては、自給率をおおむね二五%程度まで改善する、そして、電力コストを現状よりも引き下げる、欧米に遜色のない温暖化ガス削減目標を掲げるという三つの目標を同時に達成するような検討を行いました。
 その結果、例えば再エネについては、現状の水準から二倍程度拡大をし、二二%から二四%、そして、東日本大震災前に約三割を占めていた原子力については、二〇%から二二%としているところでございます。
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稲田朋美#18
○稲田委員 骨太のエネルギー政策、そして、実現可能なエネルギーミックスをしっかりと国民に示していく必要があると思います。
 さて、エネルギーミックスの担い手はエネルギー事業者です。電力業界は、福島第一事故を経て、歴史的な曲がり角にあると思います。
 例えば、このパネルにありますように、電力需要をとっても、戦後の増大基調が頭打ちになり、むしろ減少に転じているわけであります。
 安倍政権は、改革実行政権として、電力市場の全面自由化、発送電分離に踏み切りました。この改革により、これまでの電力会社の地域独占が崩れ、料金の引き下げと多様なサービスの導入がもたらされることを期待されております。
 四月から新たに自由化される市場について、多くの事業者が参入準備を進めております。従来から大口向けの市場に参入していた事業者に加え、新たに、ガス会社、石油会社、通信、放送、鉄道事業者に至るまで、既に百三十社が小売事業者の登録を受け、さらに百社が登録待ちをしております。
 さまざまな地域や業種の壁に分断されていた電力会社、ガス会社の連携が始まって、世界を視野に入れた強靱なエネルギー企業が生まれることも期待されております。
 林経産大臣にお伺いをいたします。自由化を通じてどのようなエネルギー産業の将来の絵姿を目指しておられるのか、また、それが国民にとってどのようなメリットがあるのか、わかりやすく御説明ください。
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林幹雄#19
○林国務大臣 四月からの小売全面自由化によりまして、新たに八兆円の市場が開放されるわけであります。既に二百五十社以上が参入申請をしておりまして、ガスや石油のみならず、鉄道や通信などの業種からの新規参入、また、既存の電力会社同士の競争が既に始まっております。
 今後、エネルギー産業が、電気やガスといった業種あるいは地域の垣根を越えた総合的なエネルギー産業に発展していくことを期待しているところでございます。
 例えば、ある大手ガス会社は、本業の都市ガス事業に加えまして、この電気事業を強化するために通信会社、電力会社と提携を進めておりまして、これによりまして、電気、ガス、通信の一括セット割引を実現するとともに、価格も、現在の電気料金に比べて五%以上格安なメニューもあるなどを認識しているところでございます。
 このような事例は一例にすぎないわけでありますが、今後、活発な競争を通じまして、価格やサービス面での魅力的な提案がなされるものと期待しているところでございます。
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稲田朋美#20
○稲田委員 福島第一事故のピンチをチャンスに変えて、国民の信頼を取り戻しつつ、自由化を通じてエネルギー産業の活性化と国民生活に利益がもたらせられるように、エネルギー政策、ぜひ進めていただきたいと思います。
 先週、福井県の高浜原発が再稼働いたしました。福井県は国策である原子力政策を長年にわたり担ってきたわけでありますが、そうした地元にとって、国家のエネルギー政策が長期的な視点から国民的なコンセンサスの中で行われるということが重要だと感じております。
 総理は、原子力政策全般についての考え方を昨年十二月の原子力防災会議において述べられたと承知いたしておりますが、改めて、国民に対し、原発への理解をどのように求めていかれるのか、御説明お願いいたします。
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安倍晋三#21
○安倍内閣総理大臣 原子力については、東京電力福島第一原発事故によってもたらされた廃炉・汚染水対策、そして福島の復興が最優先の課題であります。
 その上で、先ほどエネルギーミックスの考え方について申し上げたとおり、資源に乏しい我が国が、経済性そしてまた気候変動の問題にも配慮をしつつ、エネルギー供給の安定性を確保するためには、原子力はどうしても欠かせないエネルギーであります。
 もちろん、安全性の確保が最優先であることは当然のことであります。原子力発電所の再稼働については、安全神話の信奉が招いた東京電力福島原子力発電所事故を片時も忘れずに、真摯に反省をし、その教訓を踏まえていくことは当然のことであります。
 高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元理解を得ながら再稼働を進めるというのが、政府の一貫した方針であります。その上で、万が一、原発事故が起きて災害になるような事態が生じた場合、国民の生命、身体や財産を守ることは政府の重大な責務でありまして、責任を持って対処していきます。自治体を最大限支援し、全力を尽くしてまいります。
 原子力については、再稼働、原子力防災対策のみならず、廃炉、使用済み燃料対策、立地地域の振興など、課題は多岐にわたるわけでありますが、政府としては、これに責任を持って取り組んでまいります。
 また、原子力の重要性やその安全対策、避難計画を含む原子力災害対策について、全国各地で説明会を行うなど、国民理解が得られるよう丁寧に説明をしていく考えでありまして、その際、さまざまな声に耳を傾け、政府の取り組みに適切に反映をしてまいります。
 改めて、福井県を初め、原発立地県の皆様の御協力、御理解等に感謝申し上げたいと思います。
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稲田朋美#22
○稲田委員 ぜひとも、国民全体の信頼を回復するためにも、総理を初めとして、政府のリーダーシップのもとで理解を求めていっていただきたいと存じます。
 さて、安倍政権の大きな特徴として、経済再生と財政再建、二兎を追って二兎を得る政権であるというのがあります。二兎を追って二兎を得る、普通は二羽のウサギを追えば二羽とも失うというのがことわざなんですけれども、この難しい選択を安倍政権はしております。
 我が党でも、かつては財政再建路線と上げ潮路線という二つの路線が対立をしていたわけですけれども、安倍政権では、その二つを結合して、両方とも達成する、経済成長なくして財政再建なし、構造改革なくして経済成長なし、財政再建なくして経済成長なし、また、財政再建については、強い意思で取り組むという姿勢をしっかりと示して計画を実行していく必要があると思います。
 我が党でも、特命委員会で、歳出改革の中心は社会保障の改革であったわけですが、むしろ、この社会保障の改革について政府以上に厳しい提言をまとめました。これは、世界に冠たる国民皆保険制度、国民皆年金を維持し、次世代に渡すためにも、次世代に負担を先送りしている今の不道徳な現状は変えなければならないと考えていて、それが与党の責任だと考えているからであります。
 経済財政諮問会議では、我が党の特命委員会での議論も踏まえ、歳出改革の改革工程表を取りまとめられましたが、これに基づいて社会保障改革を着実に推進していくべきだと考えますが、総理の御決意をお伺いいたします。
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安倍晋三#23
○安倍内閣総理大臣 二〇二〇年代の初頭には団塊の世代が後期高齢者となり始める中において、受益と負担のバランスのとれた持続可能な社会保障制度の構築と財政の健全化を両立していくことが重要な課題となっています。このため、社会保障の効率化や制度改革に不断に取り組んでいくことが必要であります。
 昨年六月に、自民党の財政再建に関する特命委員会での御議論、御提案も踏まえまして、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標達成に向けて、経済・財政再生計画を策定したところであります。さらに、昨年末には、計画を具体化するための改革工程表を取りまとめ、早速その実現に取り組んでいます。
 計画初年度となる来年度予算においては、社会保障関係費について、後発医薬品の使用促進のためのインセンティブ措置の強化や、大型門前薬局に対する調剤報酬の引き下げといった改革を含む診療報酬の適正化等を通じて、計画に沿った歳出増加の抑制を実現することができました。いわば、大切な社会保障制度、これ自体を次の世代に引き渡していくためにも、社会保障制度自体の改革に不断に取り組んでいく必要があるだろうと思います。
 我々は、サービスの質を落とすという考え方はないわけであります。サービスの質を確保するために、不断に重点化、効率化を行っていかなければならないと思いますし、また、地方において成果を上げているところがありますから、そういう成果を横展開していく。なかなかできないのであれば、なぜ横展開ができないのかということに着目をしながらやっていくということに重点を置きながら、改革に果敢に取り組んでいきたい、こう考えております。
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稲田朋美#24
○稲田委員 今総理がおっしゃったように、骨太二〇一五において設定された国の一般歳出の水準の目安に沿って初年度の平成二十八年度の予算が策定されて、社会保障の伸びは、五千億を下回る四千四百億にとどまったわけであります。
 党と政府との間で最後まで議論になったのが、数値目標を入れるかどうかだったわけですけれども、私は、社会保障の改革に数値目標は絶対に必要だと思っております。
 それはなぜかというと、規制改革担当大臣時代に、農協改革、それから医療改革、公務員制度改革に取り組みましたが、改革を進めていくというのは物すごくエネルギーの要ることなんです。たとえその改革がいい改革だとしても、長年その制度の中にずっといらっしゃる人々がいて、そして、それを変えることにはとても大きなエネルギーが要ります。
 しかし、農協改革なら農業界、医療改革なら医療界、公務員制度改革なら霞が関と、その改革の対象が限定されているときは、力が要っても、エネルギーが要っても、それは進めることができますが、こと社会保障改革となると、対象は国民全体なんです。国民全体を対象にして改革するのに、数値目標がなくて誰が改革を進めるんですか。私は、数値目標がなくては改革を進めることはできないというふうに思います。
 過去、財政再建の取り組みは途中で何度も頓挫をしております。重要なことは、二年目以降、すなわち、ことしの年末の予算の策定だと思いますけれども、引き続き、目安に沿って歳出改革を進めていく中で、一億総活躍、それから安全保障、防衛、国土強靱化、重大な課題にしっかりと予算をつけつつも、その歩みを着実に進めていく必要があると思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
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安倍晋三#25
○安倍内閣総理大臣 稲田大臣が果敢に改革に取り組んでこられたこと、まさに敬意を表したいと思います。自民党の中で、何であんなにやるんだというたくさんの批判があるにもかかわらず、それを物ともせずに実績を上げてこられた、こういうふうに思います。
 安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもとに、経済再生と財政健全化の両立を目指してまいりました。
 これが正しかったことは、この三年間、経済を成長させ、そして十兆円、国債の新規発行を減額したという実績をつくった。まさに、経済が成長し、その果実の一部は、借金返しに、財政の健全化に生かしていきますよということを実行しているわけであります。同時に、経済を成長させなければ、それはできなかったということにもなるんだろうと思います。
 そこで、今後、アベノミクスの成果の上に、平成二十八年度予算においては、一億総活躍社会の実現や外交、防衛力の強化など、安倍内閣における重要課題にしっかりと取り組みつつ、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標達成に向けて策定した経済・財政再生計画に沿って、社会保障を初めとする一般歳出の伸びを抑制したところであります。
 一番難しいのはやはり社会保障制度でございますが、今回は、しっかりと重点化、効率化を図ることによって、我々は、伸びを五千億円以下に、これは大分切り込むことができました。そういう意味では成果を出すことができた。そして、新規国債発行を十兆円減額することができた、こう思います。
 今後とも、経済再生に最優先で取り組み、重要課題にもしっかりと対応しつつ、計画に示された一般歳出の水準等の目安などを十分踏まえた上で、聖域なき徹底した歳出の効率化などを図り、不退転の決意で二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化の実現を図っていきたいと考えております。
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稲田朋美#26
○稲田委員 先ほど総理が答弁の中でおっしゃったように、数字というよりむしろ制度を改革して、真に必要な人には手厚く、そして負担できる人には負担をしていただくという改革が必要です。
 真に必要な人には手厚くはいいんですけれども、負担できる人には負担していただくと言った途端、今つけている予算を切るということにつながるわけですから、そういった痛みを伴う改革を進めていくには、次世代が高齢者になったとき、今の社会とは全く違う姿の社会に適応するような社会保障改革を私たちの責任としてやっていく、その覚悟が必要だと思います。
 最後に、これは、私が昨年の五月にドイツの財政再建について調査に行ったときに引用された言葉です。欧州委員会委員長のジャン・クロード・ユンカーの言葉ですが、「我々は今断行しなければならないことはわかっている、しかし、それを実行した後にどうすれば国民に再び選んでもらえるかは誰にもわからない。」大変意味の深い言葉だというふうに思います。
 今やるべきことは私たちはわかっているんです。それをやるかどうかだと思います。「いつやるんですか」、「今でしょう」ではなくて、「いつやるんですか」、「今じゃない」と言い続けて今のような状況を生み出したわけでありますので、今やるべきことをしっかりとやる、その勇気と覚悟を持って、党としても、次世代につなぐ社会保障改革に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、外交、防衛についてお伺いをいたします。
 北朝鮮の核実験、そしてミサイルについて、冒頭、総理からお話がありました。北朝鮮の若き指導者の行動は不可解かつ予測不能で、そのような人物が、強い思いで核を開発し、我が国の同胞を拉致し、ミサイルを発射しようとしている、そのような国が日本海を隔てたすぐそこにあるという厳然たる事実を私たちはしっかりと受けとめて、安全保障、そして防衛に取り組んでいかなければなりません。
 集団的自衛権の議論のときに、立法事実がないという批判があったんですけれども、立法事実というのは、現に法益が侵害されている状況ですね。でも、こと安全保障に関して、立法事実があってからでは遅いんですよ。私は、憲法の範囲内で、ありとあらゆる場合を想定して、国民の生命、身体、平和な暮らしを守り抜くのが政治の責務だと思っております。
 そんな中で、日米同盟を緊密にすることは重要ですが、総理が昨年の十二月に日韓合意を成立された、それは大変重要なことだ、意義のあることだと思っております。
 私、外務大臣にお伺いをしたいのは、この日韓合意によって、最終的、不可逆的に解決をしたということなんですが、これは、従来から我が国が言っているところの法的な解決、これは日韓請求権協定で最終的に終わりであるということ、それから、二十万人の若い女性を強制連行して、性奴隷にして、虐殺したという、我が国が犯罪国家、未成年誘拐、監禁、強姦、殺人犯の集まりであるという、犯罪国家であるという虚偽については断固反論するということ、そして、その前提として、そういった象徴的なものである慰安婦の少女像、ソウルの大使館前の少女像を撤去することが我が国の十億円拠出の前提だと思いますが、外務大臣の見解をお伺いいたします。
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岸田文雄#27
○岸田国務大臣 まず、日本政府は、従来から、日韓間の請求権の問題、これは一九六五年の請求権協定によって法的に解決済みである、こうした立場をとってきました。この立場、これは何ら変わっていないということは確認したいと思います。
 その上で、御指摘になられた、事実に反する主張ですとか不適切な表現、これにつきましては、引き続きしっかりと申し入れを行っていく、これはこれからも全く変わらないと思います。しっかりと説明を行い、申し入れを行っていきたいと考えます。
 そして、韓国の日本大使館前の少女像についての御質問ですが、この少女像につきましては、従来からも、累次にわたりまして、我が方から、公館の安寧、そして威厳の維持の観点から懸念をしており、早期に移転することを求めてきました。そして、今回のこの合意において、韓国側は、公館の安寧、威厳の維持の観点から日本政府が懸念していることを認知し、韓国政府として適切に解決されるよう努力をする、こうした表明がありました。
 一方、今回の合意におきまして、日本側の方としては、韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的として設立した財団に資金を拠出する、このようになっております。
 今回の合意においては、今申し上げましたそれぞれの合意の内容を、日韓それぞれが誠実に、着実に実施することが重要であると考えています。
 今回の合意において確認されたのは以上であります。この合意に従って、それぞれやるべきことを誠実に行っていきたいと考えています。
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稲田朋美#28
○稲田委員 戦争に対する賠償は、国と国との平和条約、日韓であれば基本条約と賠償に関する協定が全てなんです。それ以上に個人の賠償を認めていくことは国際法上の正義に反するんだということをしっかりと発信をし、また、事実と違ういわれなき非難については断固反論する、そして、そのいわれなき非難の象徴である少女像、これは大使館前だけでなく世界じゅうにあるわけですから、この撤去を求めていくということを、ぜひ日本の名誉、信頼の回復のためにお願いをしたいと思います。
 最後に、一億総活躍担当大臣にお伺いをいたします。
 一億総活躍は、全ての人々が、生まれながらに置かれた境遇や身体的状況によって差別されることがない、そして全ての人々にチャンスが与えられる社会をつくらなければなりません。
 その意味において、今LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人権が注目をされていて、世界を眺めれば、このLGBTを理由に、犯罪となり、死刑判決が下される場合もあるわけですけれども、LGBTの人々が、日本の社会においてもチャンスが与えられ、十分活躍できるようにするために、まずは学校での差別や職場での差別をなくしていくことが重要だと思いますが、一億総活躍担当大臣のお考えをお伺いいたします。
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加藤勝信#29
○加藤国務大臣 今御指摘ありましたように、まさに、一億総活躍社会とは、誰もが個性を尊重され、将来の夢や希望に向けてもう一歩前に踏み出すことができる、そして多様性が認められる社会ということでありますから、その社会を実現していく理念においても、いわゆるLGBTと言われる性的少数者に対する偏見、あるいは不合理な差別、こういったことはあってはならないわけであります。
 そうした偏見をなくし、また、一人一人の方が、その人権が尊重され、安心して活躍できる社会、これを実現していくために、今御指摘ありました教育あるいは啓発といったことも大変必要だと思いますし、また、個別事案に対して適切に対応していく。そうしたことを通じて、まさに一億総活躍社会、そして、そうした皆さん方も活躍できる社会をしっかりつくっていきたい、こう思っております。
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