上園昌武の発言 (環境委員会)

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○参考人(上園昌武君) まず、一つ目の点なんですけれども、企業活動、事業者の活動というのは日本のCO2排出量の八割以上を占めると、直接排出という点で見れば九割近くなるという点があると思うんですが、そういうことを鑑みると、やはり家庭部門であったりマイカーのCO2排出という点では、どうしても日本全体という点で見ればCO2削減という効果としては限定的であるということを幾つかの論文等でも書いてきたことなんですけれども。
 やはり、個人の努力ということ自体は当然重要であるというふうに考えるんですが、そこに重点を置き過ぎると、先ほど市田さんがおっしゃられたように、けちけち運動というような形になれば、個人の人の意識というのはなかなか訴え切れないんではないかということもあります。やはり、個人の努力だけでなく、先ほどから私が申し上げていますように、設備投資という形できちんとエネルギーの消費が大きく減るような、そういう仕組みをどんどんつくっていかないといけないんだろうというふうに考えています。
 特に、省エネと再エネとの関係でいうと、原発の議論をするとどうしても電源ということがありますので、原発の代わりに例えば太陽光パネルとか風力発電というような大きな電源を、再生可能エネルギーの電源を普及していくという、そういう捉え方が多いかと思うんですが、原発の議論のときに、やはりエネルギー全体をどうするのかという観点も重要になってくると思うんですね。再エネが化石燃料を減らしていく、原発依存を減らしていったときに、再エネの熱と電力、この両方を普及するということと、それとエネルギーの消費ですね、今言った電力と熱の利用、これをどういうふうに減らしていくのかという、双方を組み合わせていくということがまさに不可欠ではないかというふうに考えます。
 個人の努力という点でいうと、どうしても日本全体では非常に効果として限界があるんだけれども、地域社会という観点で見れば、これは、地域社会というとそこには当然個人、国民であったり市民、住民がいるわけですが、それとともに企業、事業者がいるわけですが、こういう様々な主体がどういうふうにCO2を減らしていくのかという、そういう計画を作っていくということだと思うんですね。その点は、今回の温対法の中で出てくるようなCO2の少ないような地域社会、公共交通を増やす、こんなことが重要になってくると思います。
 この省エネと再エネ、これが分断、分けて議論するんじゃなく、まさにこれをどういうふうに組み合わせていくのかということが今後の方向性としては非常に重要だと思います。
 それと、二点目についてなんですが、外来型開発というふうにちょっと私の資料では書かせていただいておりますけれども、結局、大企業がいろんな地方に行って、進出をして、そこで事業活動をしていくと、このこと自体は全て駄目であるという話にはならないんですけれども、余りにもこれが大きく進み過ぎると、ちょっと言葉としてはあれですけれども、地方からの、地域資源というものを収奪してくるという、そういう形がこの間ちょっと目立ってきているんではないかと思うんですね。そうではなく、やはり地域の利益、地域社会や住民の利益をどこまで高めていくかという、そこがこの省エネであったり再エネの事業のポイントとして重要になってくると思います。
 小規模であるとトータルでは経済的なメリット、効果というのは大きいというふうにちょっと私の方で簡単に申し上げたんですが、この辺りの計算ですね、研究というのが、例えばドイツのエコロジー研究所であったり幾つかの研究機関なんかで海外でも研究が進められてきています。日本でもこの観点で研究が取り組まれている例が幾つかあるんですけれども、大規模な仕組みというのは、結局、人を減らしていかにコストを安くしていくかという、そういう観点で事業が進められてきた感があると思います。
 そうではなく、この内発的発展というのは人をたくさん使っていくということなので、コスト自体は増えるかもしれないんですけれども、トータルの経済効果、その事業による経済効果というのは、そのコストを上回るような効果があるということがあります。
 ですから、外来型開発ではなく内発的発展を目指すべきというのは、人を雇用していくという、そういう経済効果も見られますので、この観点で取組をしていくということが重要になるのではないかというふうに考えています。
 以上です。

発言情報

speech_id: 119014006X01020160517_043

発言者: 上園昌武

speaker_id: 31957

日付: 2016-05-17

院: 参議院

会議名: 環境委員会