勝田智明の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○政府参考人(勝田智明君) 厚生労働省でございます。
 表紙のない資料で恐縮でございます。まず一枚目に、TPP協定の概要、三十章書いてございます。このうち枠で囲っております部分が厚生労働分野の関連する章でございます。私ども、主に関連する分野でございますが、衛生植物検疫など食の安全に関する分野、医薬品の知的財産など医療等に関する分野、そして労働に関する分野を担当しております。
 次のページをお開きください。個別に関連分野の内容を御説明します。
 まず、医薬品の知的財産に関する規定でございます。
 合意の概要、左側に示してございます。三点ございます。まず一点目が、①でございますが、医薬品の承認審査のため特許権により利益を享受できなかった期間について特許期間の延長を認める規定でございます。二番目は、新薬のデータ保護期間を五年以上、生物製剤については八年以上のデータ保護期間又はその他の手段による同等の保護を行うこととする規定でございます。③は、後発医薬品、ジェネリック医薬品でございますが、承認審査時に先発品の特許が有効な場合には承認を与えない仕組みを持つことの規定でございます。
 これらに関しましては、右側にお示しするとおり、三点とも現在の我が国の医薬品の知的財産に関する制度と整合的なものでございます。このため、新たな制度改正の必要はなく、現行制度、変更は生じません。
 その下でございますが、こちらは、TPPにおいて法令等の公表や行政手続等について規定した章がございます。その附属書として、特に医薬品を保険収載する際の手続の透明性、公正性について個別に明示化しております。こちらも、右に示しておりますとおり、現在の我が国の制度と整合的であり、変更の必要はございません。
 次のページ、三ページ目をお開きください。
 次に、貿易の技術的障害に関する規定でございます。
 左上の一つ目の丸の記載のとおり、TPP協定の規定では、他の締約国の適合性評価機関に自国の機関に与える待遇に比べ不利でない待遇を与えるとされています。このため、右の一つ目のポツにお示ししますとおり、TPP協定締約国にある事業所においても医療機器の認証を行うこととするため、医薬品医療機器法の改正をお願いしたいと考えております。また、二つ目の丸に示しますとおり、この章に附属した附属書におきまして、医薬品、医療機器、化粧品の承認等の手続について公正、透明化を図るための規定があります。右側二つ目のポツに示すとおり、日本にとっては全て現行制度と整合的でございます。
 次に、投資及び越境サービスに関する規定でございます。
 左下の四角の一つ目の丸のとおり、TPPではサービスの自由化に関する規定として内国民待遇や市場アクセスについてのルールが規定されています。ただし、その下の丸のとおり、医療保険を含む社会保障分野はいわゆる将来留保を行っているため、これらの規定の適用除外となっており、TPPの影響はありません。右下の四角の二つ目の丸に示すとおり、公的年金計画や公的医療保険を含む社会保障につきましては金融サービスの規定の対象からも除外されています。
 次のページをお開きください。
 次が、初めてTPPの中で本格的に設けられた労働に関する規定でございます。
 TPPでは、左上の②に示しますとおり、ILO宣言にある労働者の基本的な権利を各締約国が法律等で採用、維持することが規定されています。矢印の先に示しますとおり、我が国ではこれらの労働者の権利は基本的に確保されており、我が国の労働関係制度の変更を求める内容とはなっておりません。TPPの各締約国で労働者の権利保護が進めば、公正公平な競争条件の確保につながり、ひいては我が国企業の相対的な競争力強化につながることが期待されています。
 また、その下、TPPでは、左の四角のように、商用目的の者の一時的な入国の許可、要件や手続についてルールを規定していますが、医師や看護師の資格の相互承認や単純労働者の受入れにつながるような規定はございません。
 次のページ、五ページ目をお開きください。
 次に、食の安全に関する規定でございます。
 TPP協定における衛生植物検疫の規定については、左側に示しておりますとおり、WTO・SPS協定を踏まえた内容となっており、これは、矢印の先にお示ししてありますとおり、科学的根拠に基づいてSPS措置をとる我が国の立場と整合的であり、我が国の規制制度について変更を求められるものではありません。
 バイオテクノロジー産品、いわゆる遺伝子組換え作物の規定についてはその下を御覧ください。
 TPP協定では透明性の確保や情報共有の規定が設けられておりますが、我が国の規制制度の変更を求めるものではなく、下の米印にあるとおり、むしろ、遺伝子組換え作物の輸入国である我が国にとって、未承認の遺伝子組換え作物の混入事案の発生時等、こういった場合の迅速な対応、未然防止につながるものとなっております。
 次のページをお開きください。
 こちらでTPP協定を踏まえた厚生労働省関係施策を御紹介します。
 まず一つ目は、先ほど申し上げました医薬品医療機器法の改正であります。
 一番上の改正の背景については、先ほど御説明したとおり、TPP協定で他の締約国の適合性評価機関に自国の機関に与える待遇に比べて不利でない待遇を与えるとされており、その実施を確保するものです。
 改正の概要につきましては、左側に示しておりますとおり、TPP協定締約国にある事業所においても医療機器の認証を行うこととするもので、登録認証機関となれるのは日本又はTPP協定締約国の者とし、厚生労働大臣が外国の登録認証機関に対する改善請求や登録の取消しを行えるよう整備する改正を行うことを考えてございます。
 これにより、基準に適合するTPP協定締約国の認証機関が登録を受け、右の図で示す赤い線で囲った比較的リスクの低い一部医療機器について認証を行えるようになりますが、TPP協定締約国の登録認証機関に対しても国内の登録認証機関と同じように指導監督が行えるような改正となっており、引き続き日本に流通する医療機器の安全性を確保していくことになります。
 次のページをお開きください。
 次が、TPP協定締約国の労働環境水準の向上でございます。
 問題点のところに書いてございますが、ベトナムなど開発途上国におきましては労働関係法令が未整備のため、日系企業が海外進出する際、様々なトラブルがございます。これらに対して、ILO等を通じて労働法令や施行体制の整備、構築に取り組んでまいります。
 次のページをお開きください。
 最後に、食の安全、安心の確保でございます。
 先ほど申し上げましたとおり、TPP協定により食の安全、安心に関する我が国の規制制度について変更を求められるものではありません。しかし、我が国への海外からの輸入食品の増加も見込まれることから、引き続き、輸入食品の適切な監視指導、残留農薬・食品添加物の規格基準の策定の推進、協定締結後の技術的対応など、国際基準や科学的な根拠を踏まえた対応を行うことで我が国における食品の安全性を確保していくこととしております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 勝田智明

speaker_id: 3706

日付: 2016-02-10

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会