藤本祐司の発言 (国土交通委員会)
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○藤本祐司君 若干、話を聞いたりすると、その程度の罰則だったらやるだけやってもうけてという方が得だというような、そういう意見もあるぐらいですので、そこのところは慎重に考えていただきたいというふうに思いますし、民泊の場合は、既存住宅の、先ほどの宅建業法の改正もそうなんですが、安全で安心な住環境を維持するということもやっぱり必要なんだと思うんですね。集合住宅なんかの場合、特にそうなんですが、むしろ住環境が悪化することによって不動産価値が下がるという、下がってしまうことによって流通が滞るということもあり得ると思いますので、そういったところもやはり慎重に考えて取り組んでいただきたいなというふうには思います。
ハードルが高いところがいっぱいあると思いますので、これは観光庁長官もお答えになっていますが、観光産業をどうやって発展させるかということの視点でやっていただきたいなというふうに私は個人的には思ってはおるんですが、ある特定の業種、業態だけがもうかるのではなく、日本の観光産業にとってこれが本当にプラスになるのかマイナスになるのか、マイナスになるのだったらどうやって克服するのかということを真剣に考えていただきたいというふうに私は思っております。
正直申し上げると、私は、旅館とかホテルとかで価格のみでお客さんを、価格競争といいますか、価格が安いということだけを売りにして商売しているというところとはかなり競合していくんだろうと思いますが、逆に、私はそれだけの理由で民泊に反対するつもりは正直ありません。
というのは、中長期的に見たら、ふだんやはりサービスをどうやって向上させていくのかとかおもてなしをしていくのか、いい料理を提供していくのかということがいわゆるプロの旅館でありホテルだというふうに思いますので、そのプロのホテル、旅館がただ部屋貸しをするところに市場を奪われるから駄目だと言っているのはちょっと情けない話だというふうに思っておりますので、むしろ、日本の観光産業の質を高めていくということであれば、価格のみを売りにしているところは逆に自然に淘汰されてしまう可能性はあるけれども、それを恐れていては多分日本の観光産業は質は向上していかないということを考えると、是非そういう既存の旅館、ホテルの経営者なんかもプロとして自覚をしてやっていただければ必ずしもマーケットを奪われることはないんだろうなというふうに思っておりますので、そういう指導なんかも監督なんかもしていただければというふうに思います。
残り十分ですが、済みません、私事で大変恐縮ですが、今回、増子筆頭理事と広田理事の計らいでこの委員会で最後の質問をさせてもらうことになりまして、大変感謝申し上げたいと思います。十二年間、六年間が国土交通委員会でした。最初の二年総務、そして四年が内閣で、今は内閣委員会の委員なんですが、今日はこのように差し替えでやらせていただいています。国土交通大臣政務官もやらせていただきましたし、国土交通委員長もやらせていただいて、そのときにも渡辺理事にも大変お世話になりまして、ありがとうございます。
特段観光については思い入れがあるので、半分参議院議員としての遺言だと思ってひとつ聞いていただきたいなというふうに思うんですが、観光立国を推進するというのは、これは非常にすばらしくて、最近、訪日外客が約一千九百七十四万ということでこれまでで最高だということがあって、世間的にも社会的にも観光というのはこれからの日本のリーディング産業の一つになるということを認めてもらえるようになってよかったなというふうに半分思っておりますが。
一つまず、二つあるんですが、一つは、訪日外客が約二千万人になったということでそんな喜んでいるような場合ではないんではないかなというふうに私は正直思っています。というのは、中身を見ると、結局、中国、台湾、韓国、香港、まあベストファイブまで入れるとアメリカ、これで恐らく八割弱なんですね。そうすると、ここがどこかがこけたらどうなるんだというところをやっぱり考えておかないといけないと思いますし、私の政務官時代、ビザの要件緩和を、要件緩和といいますか条件を緩和をしました。
当時、かなり反対意見も正直ありました。警察は、中国のビザの要件緩和をするといろんなトラブルが起きるとか国外逃亡する人たちがいるんじゃないかとか、いろんな意見でかなり警察は反対をしました。総務省は総務省で、実はビザを発給する中国の大使館や領事館の数を増やそうといって三から七にしたんですが、そのとき、定員枠が足りないからそんなのできないとか、いろんな話があったんですね。それで、苦肉の策として、警察に対しては、実は、じゃ二年間やってみましょうと、それで何か問題があったらそこでまた考えませんかみたいな話をしたり、公務員の定員のことについては、外務省は当時、今の岡田代表が外務大臣で、福山副大臣が骨を折っていただいて、いや、外務省の中で何とか回すからそれは大丈夫だよというふうに言っていただいて、最終的に、あの当時、中国のビザの要件を緩和をして今に至っているわけなんです。
ただ、私がそこを考えたことの中で言うのもあれなんですが、ビザが要件緩和したから訪日外客がぐっと増えたということはほぼあり得ないと思います。これは一つの方策で、一つのスムーズになったことだと思いますが、それが大きな原因ではなくて、結局、中国の経済が良くなった、外国に旅行する人たちの層が増えた、これが一つの原因というか大きな理由なんだと思うんですね。だから、さっき言いました、五か国に頼っていると、もし中国経済がこけたら、駄目になったらがたっと落ちるという可能性がありますので、ここはもっともっと日本の魅力を売りたいというのが、日本の伝統であり文化であり芸術であり、そういうものを売りたいというのであれば、それを理解をしてくれるのは、残念ながらまだ欧米の方がその辺の理解度というのか関心度が高いという結果もあるわけなので、もっとそちらの方に観光庁としては頭を、せっかく観光庁でき上がっているわけですので、もう十年を超えているわけなので、工夫をしていただきたいなと。
正直、今言った五か国は、黙っていても恐らく経済がそんなに落ち込まなければそのまま行くと思います。旅行というのは、一回体験するとまた行ってみようと思うというのが普通なんですね。旅行する人というのは、子供の頃に旅行した経験がある人は大人になっても旅行するし、という経験があるわけなので、一度そういうことを覚えると、昔は衣食住が先だと言っていたんですが、最近はそうでもなくて、そっちを抑えてでも旅行したいという人たちが増えてきているということを考えれば、恐らくこの五か国は、もう最近SNSなんかも発達していますので、大きな宣伝をしなくても、恐らく黙っていても来るだろうということで、知恵を使って工夫するのは、いかに欧米から来てもらえるようにするのかという、そういうところなんではないかなというふうに思っています。
それと、訪日外客がここまで増えたので、どうしても訪日外客、訪日外客と目が行きますが、日本の国内消費の八割は国内、日本人が日本国内を旅行するところでマーケットができ上がっています。ですから、人口が減ってはいるものの、二〇四二年までは高齢者の数は減りません。ですから、高齢者マーケットはある程度一定で保っていけるんでしょうけど、じゃ、若い人たち、二十代、三十代、四十代、まあ五十代ぐらいの人たちにどうやって旅行需要を拡大してもらうのか。一泊だったのを二泊、三泊、年に二回だったのを三回、四回してもらうのか、これが多分頭の使いどころなんだろうというふうに思っています。
ただ、その中には、制度を変えればできるものと長く時間が掛かることがあると思います。十年後の観光、日本の観光立国を考えたときに一番時間が掛かるのは多分人の育成、人材育成だと思うんですね。地方創生で石破大臣が国から一年か二年かで派遣をしてみたいなことを言っていますが、それだといっときの話になるので、地方でそういう人材をいかに育てていくかということが大変重要なのかなというふうには思います。その一つがやっぱりDMO、これはまだまだ足りないし、広域観光なんかをやってコーディネートしてブランディングしていく、そういう人たちを育てていくには多分時間が掛かります。時間が掛かるので、ここはもうすぐにでも取りかかって、十年後を見据えてやってもらいたいなということがあります。
あとは、やっぱり訪日外客に関係すると、通訳ガイド。この通訳ガイドに関してはいろんな議論があることは私も承知をしています。ただ、文法がきちんとできてすばらしく通訳できる人ではなくて、むしろ、その地域の伝統とか文化とか芸能とか芸術とかお祭りとか、そういうのを片言でもいいから伝えられる人、そういうことが本当はやっぱり重要なんではないかなというふうには思います。日本の英語教育が、文法ができないから駄目だと思って何にもしゃべれない人がいっぱいいる。英語を六年も七年もやってもしゃべれないのは結局正しい英語をしゃべろうと思うからだとかというのがよくあるわけですから、正しくなくてもいいけれども、高齢者あるいは女性の活躍という視点でも、英語のみならず、その地域の文化、伝統を語り継いで、あるいは伝えていける、そういう人材を育成するという意味での通訳ガイドというのは私は大変重要なんだろうと思います。
今の通訳はかなり資格試験が大変だと、だから、そういう人たちのマーケットを奪うんではないかという意見はあることは承知はしていますが、今の訪日外客が増えることを考えると、そんなことを言っているような場合ではないんじゃないかなというふうに思いますので、是非、人材育成、これは文科省との連携も必要なのかもしれませんが、正直、頭が固いところですので、あそこは、もっと柔軟にいろいろ、子供の頃からの観光教育だとか文化教育だとか、そういうものも含めて、是非、大臣、そして長官、あるいは観光庁で働く皆様方にも、そこのところは念頭に置いて、十年後の日本の観光立国をどうすべきだということを考えていただければというふうに思います。
ちょうど時間となりましたので、これで終わりにします。ありがとうございました。