国土交通委員会

2016-05-26 参議院 全153発言

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会議録情報#0
平成二十八年五月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     中川 雅治君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     金子原二郎君     渡邉 美樹君
     中川 雅治君     大野 泰正君
     田城  郁君     藤本 祐司君
     中野 正志君     中山 恭子君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     田城  郁君
     中山 恭子君     中野 正志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子 洋一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                渡辺 猛之君
                広田  一君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                末松 信介君
                山本 順三君
                渡邉 美樹君
                田城  郁君
                野田 国義君
                藤本 祐司君
                前田 武志君
                谷合 正明君
                辰巳孝太郎君
                室井 邦彦君
                中野 正志君
                吉田 忠智君
                行田 邦子君
                脇  雅史君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       厚生労働副大臣  竹内  譲君
       国土交通副大臣  土井  亨君
       国土交通副大臣  山本 順三君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       宮内 秀樹君
       国土交通大臣政
       務官       江島  潔君
       国土交通大臣政
       務官       津島  淳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官付参事官    中村裕一郎君
       金融庁総務企画
       局審議官     天谷 知子君
       金融庁総務企画
       局審議官     古澤 知之君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       国土交通大臣官
       房技術総括審議
       官        大脇  崇君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        金尾 健司君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       観光庁長官    田村明比古君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五
 条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止
 の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)(閣承認第二号)
○特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五
 条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止
 の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)(閣承認第三号)
○都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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金子洋一#1
○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、中野正志君、田城郁君及び金子原二郎君が委員を辞任され、その補欠として中山恭子君、藤本祐司君及び渡邉美樹君が選任されました。
    ─────────────
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金子洋一#2
○委員長(金子洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省土地・建設産業局長谷脇暁君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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金子洋一#3
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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金子洋一#4
○委員長(金子洋一君) 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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渡辺猛之#5
○渡辺猛之君 おはようございます。自由民主党の渡辺猛之でございます。
 今日は、宅建業法の一部改正ということで、早速質問に入らせていただきますけれども、今週月曜日に厚生労働省が発表しました平成二十七年の人口動態調査では、合計特殊出生率が一・四六と二年ぶりの増加、出生数も五年ぶりに増加をしたということです。大変喜ばしい数字であると同時に、人口の自然減は二十八万四千七百七十二人と過去最大の減少幅となりました。改めて、日本が人口減少局面にあるのは変わりのない事実だという厳しい現実を突き付けられたものと思っています。
 世帯数につきましても二〇二〇年には減少を始めると言われておりまして、このような社会情勢の変化を踏まえた住宅ストックの活用は、このほど改定されました新たな住生活基本計画でも示されておりますとおり、今後の住宅政策の基本的な流れになると承知をしております。
 そこで、まず、今回の法案でテーマとなっております既存住宅の流通活性化、その前に、大前提として、住宅政策の在り方について一点お尋ねをしたいと思います。
 国交省がストック重視の住宅政策を打ち出してからはや十年近くたつわけですけれども、正直なかなかうまく進んでいない側面があるのではないかと思います。住宅需要実態調査それから住生活総合調査でも、新築にはこだわらないという人が増えているというようなものがありますが、これ、どちらかというと都会に限ったものなのではないかなという感じがしているわけであります。
 都会は土地の値段が高いわけでありますから、更地を買って家を建ててというようになりますと膨大な予算が必要になるわけでありますが、それなら、それだけ高いお金はちょっと出せないから中古でもいいかと、都会の人はこういう流れになることが想定をされるわけなんですけれども、地方に行きますと、土地と建物をダブルで購入をするということも都会に比べればそれほど高いハードルではないのかもしれません。家庭を持ったらいつか自分で自分の家を建てると、そういうDNAがまだまだ地方にはあるんじゃないかなということを思うわけであります。
 日本全体あるいは業界全体で考えますと、既存住宅シフトというのはまだ一部の動きにすぎないのかなという率直な私は感想を持っているところであります。都市部とまた地方部での地域特性あるいは生活スタイルといった実態に即した、ある程度分けた政策を考えていく必要があるんではないかなと思うわけであります。
 地元の建築屋さん、工務店さんのお話を伺っても、中古住宅のリフォームも魅力的な市場であることはあるんだけれども、やっぱりできれば新築をやりたいというような声が多いのも事実であります。住宅産業は一般的に裾野の広い産業と言われておりますが、内需の柱として、住宅の新築というのは多くの関連業者の収入源となっているわけであります。既存住宅に軸足を移すということは、こういう言い方が適切かどうか分かりませんけれども、新築着工の需要を食い潰すといいますか、工務店など関連産業の仕事を減らしてしまい、それはひいては地域経済への活力をそぐことになりはしないかと、この点を私はちょっと危惧をしているところであります。
 既存住宅の流通拡大が新築着工への投資や地域経済、内需に及ぼす影響につきましてどのように考えて、また、地域の関連産業が既存住宅分野でも活躍できるようにどのような対策を取っておられるのか、まずちょっとこの点について住宅局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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由木文彦#6
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたとおり、都市や地方といった地域の特性に応じて住宅政策を進めるということは大変重要であるというふうに考えております。
 現在、都市部、地方部を問わず世帯数が減少する中にあって、空き家が増加しているというのが大変大きな問題になっております。一方で、全国で耐震性のない住宅というのはまだ九百万戸あるというふうに推計しております。そうした意味では、やはり耐震性を向上させるという観点からきちんと建て替えを行う、そういたしますと特に空き家も増加をいたしませんので、そういう意味で、建て替えによる新築着工というのはまだまだ必要だというふうにまず考えているところでございます。
 それから、御質問ございました新築とそれから既存住宅の関係でございます。
 お話ございましたように、やはり住宅投資は我が国の内需の柱の一つでございますので、既存の住宅、新築住宅を合わせて、双方を通じて市場全体を活性化させることが何よりも重要だと思っております。例えば、既存住宅が多く市場に出回るようになりますと、若い方や子育て世代などが手の届く価格で住宅を取得できるようになると思います。また、既存住宅の価値が適切に評価をされるということになれば、住宅を売却して新しい住まいへ住み替えるということが促進されるというふうに考えております。
 そういう意味で、質が確保されて多様な価格帯の魅力的な住宅が供給されるということになりますと、すごろくの上がりのように一生に一回住宅買って終わりということではなくて、ライフステージに応じた住み替えが行われる、あるいはライフスタイルを実現するために住み替えを行うといった新しい需要が喚起をされるというふうに考えております。そうしたことから、既存住宅の活性化は新築を含めて市場全体にプラスの効果をもたらすというふうに考えております。
 住生活基本計画では、平成三十七年までの目標といたしまして、既存住宅の流通の市場規模を四兆から八兆円、それからリフォームの市場規模を七兆円から十二兆円というふうにすることを目標にしております。特に、地域の場におきましては、高齢者の方が一生ローンを掛けて取得された住宅が、今では二十年たったらゼロというような評価になってしまっておりますが、その持家の資産価値がきちんと評価をされ、あるいは維持向上されるということが実現できればいつでも換価できるということになりますので、老後の経済的な不安が解消されまして消費や投資の拡大にもつながるというふうに考えております。
 また、御指摘いただきました地域の工務店、これ大変重要な役割を担っていただくことになると思っております。特に、建て替えや既存住宅市場活性化のためのリフォーム、これは、やはり地域のニーズをきめ細かく探っていただいて丁寧に対応していただくということが大切だと思います。その意味で地域の工務店の皆様の役割は大きいと思っております。
 これまでも、耐震化あるいは長寿命化のリフォームへの助成、あるいは税制上の支援策、また地域の工務店の方々が省エネ等の技術力を向上させていただくような講習会への支援を行ってまいっておりますので、そういう施策を一層積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
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渡辺猛之#7
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 今局長から御答弁をいただきましたように、特に地方部においては住宅産業というのは本当に裾野の広い産業でありまして、地域経済にとって大変大きな影響を与えていくということでございますので、既存住宅の活用と、それから引き続き地域経済、強い地域経済ができますようにしっかりと住宅関連産業の動きに注目をしていっていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 さて、冒頭にも申し上げましたが、既存住宅の流通を活発にしようという流れ、これ二〇〇六年の住生活基本法を契機に始まったところですけれども、既存住宅の流通シェアが欧米諸国では七割から九割程度あるのに比べまして、日本では二〇〇八年で一三・五%、二〇一一年に一代前の住生活基本計画策定を経て二〇一三年の数字で一四・七%、一三・五%から一四・七%とちょっと上がっただけなんですね。
 思ったよりも進んでいないというのが率直なところではないかと思いますが、買手からいたしますと、良い中古住宅であるとかまた適正な価格が判別しにくいというのが現状にあるのかなということを思うわけであります。家というのは多くの人にとって人生最大の買物と言ってもいいんではないかと思いますが、そう考えますと、適正価格の判断をしにくい中古住宅にはなかなか手を出しにくいという側面もあるのかなということを思うわけであります。
 加えて、今ほど答弁でも言っていただきましたけれども、日本では二十年を過ぎると建物の価値というのは評価をされなくなるわけでございますので、そうなりますと、きちんと維持管理をしていこうとどうせ売れないんだからという発想がもとにあるんではないかなということを思うわけでありますが、売れないと思うから物件情報も出してみようかというインセンティブも出てこないというような負の連鎖につながってしまっているのかなということを思うわけであります。
 今回の宅建業法の改正では、既存住宅流通市場の活性化を図る、これが大きな柱とされているところでありますが、そのためには、やはり中古住宅の不安やまた不信というものを払拭する、そして情報を広く開示をするということがその第一歩になるのではないかと考えるところであります。
 その根本となる建物状況調査、いわゆるインスペクションでありますが、この存在自体がまだ余り知られていないのではないかと思うわけでありますが、このインスペクションが広く普及をすれば、中古住宅に対する不安や不信はある程度解消されるのではないかと期待をされるところであります。
 そのような観点から、インスペクションをこの宅建業法に位置付ける意義についてどのようにお考えなのか、大臣のお考えお聞かせいただければと思います。
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石井啓一#8
○国務大臣(石井啓一君) 我が国が本格的な人口減少、少子高齢化を迎える中にありまして、既存住宅流通市場の活性化は、住宅ストックの有効活用、市場拡大による経済効果の発現、ライフステージに応じた住み替えの円滑化による豊かな住生活の実現等の観点から、重要な政策課題であります。
 しかし、今委員御指摘いただいたように、我が国の既存住宅流通シェアは二〇一三年で一四・七%、欧米諸国と比べて極めて低い状況にございます。この背景には、既存住宅が個人間で売買されることが多く、買主は住宅の質に対する不安を抱えている一方で、売主に広く情報提供や瑕疵担保の責任を負わせることが困難であるといった課題がございます。このため、不動産取引のプロである宅建業者が、専門家による建物状況調査、インスペクションの活用を促すことで、住宅の品質に関する正確な情報を消費者に提供し、既存住宅取引の不安を解消することが効果的と考えております。
 こうしたことから、今般、宅地建物取引業法を改正をいたしまして、宅建業者に対し建物状況調査の結果について買主への説明を義務付けることなどによりまして、建物状況調査の普及を図るとともに、その結果を活用した瑕疵担保保険への加入を促進してまいりたいと考えております。
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渡辺猛之#9
○渡辺猛之君 ただいま大臣から御答弁をいただきました。これがきちんと実現をして、既存住宅を安心して売買ができる市場が整うために、それにはやはり建物状況調査、いわゆるインスペクションが、誰もがこれは適正だなと、そう信用できる判断基準をさせることが重要ではないかと考えます。
 そこで、まず、建物状況調査、どのような資格を持つ人が実施をすることを想定しているのか、そしてまた、特に地方においては空き家の増加が大変著しいという現状があるわけでありますけれども、どのくらいの調査需要を見込んでおられて、その調査をするのに十分な体制を確保するためにどのような方策を考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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谷脇暁#10
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。
 建物状況調査を実施する者の詳細な要件は省令で規定をするということにしておりますけれども、調査が適正に実施されることを担保するために三つの点が必要であるというふうに考えております。
 一点目は、建物の設計や調査に関する専門知識を有していることでございます。二つ目といたしまして、適正な業務遂行を担保するための指導監督などの仕組みが制度上確保されていることを考えております。三点目といたしまして、円滑に調査が行われるために必要な人員が確保されていること、これも重要であるというふうに考えてございます。このため、現時点では、このインスペクションを実施する者といたしまして、国家資格である建築士であって調査に関する一定の講習を修了した者とすることを想定をしてございます。
 また、需要の方でございますけれども、これはいろいろな仮定が必要になりますけれども、いろんな仮定を置きましておおむね十年後の需要というものを試算をいたしますと、年間十万ないし二十万件程度の需要があるというふうに考えております。
 現在、今回法律に位置付けをいたします建物状況調査を実施する者に求められる要件と同等の能力を有する者といたしまして、現時点で既存住宅売買瑕疵保険の加入時に必要な調査が実施できる建築士、こういう者が一万人ほどいらっしゃいます。さらに、各都道府県別に見てみましても、少なくとも数十人は各都道府県にいらっしゃるということでございまして、地方部におきましても必要な体制は確保できるものと考えております。
 引き続き、今後の制度運用に当たりましては、建物状況調査が円滑に行われるように適切に対応していきたいと考えております。
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渡辺猛之#11
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 時間が迫っておりますので、通告、ちょっと一問飛ばさせていただきまして、谷脇局長にお尋ねをしたいと思うんですけれども、先ほど大臣の御答弁、そして今局長の御答弁いただきましたように、既存住宅の取引を活性化させるためには市場における資産価値が適正であると、これ、みんなが納得をして安心をできることが必要だと私も考えています。そもそも、インスペクションの実施率を上げることに加えて、そのインスペクションを適正に価格に反映をして、誰にでも分かりやすくする役割も重要だと思います。
 既存住宅の資産価値の適正評価のためにどのような策を講じるおつもりか、今ほど御答弁の中にも出てきました宅建業者さんあるいは不動産鑑定士の皆さん方、そういう関連の皆様方への激励も含めて、少しお聞かせをいただきたいということを思います。
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谷脇暁#12
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございましたように、既存住宅の流通促進のためには、住宅の市場価格が経年で一律に減少するという評価の在り方から、個々の住宅の使用価値を反映して、良質な既存住宅は適正に評価されるようにするということが重要であるというふうに考えております。このため、国土交通省では、平成二十六年三月に中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針を策定をしてございます。基礎、躯体につきましては個々の住宅の性能に応じた耐用年数を設定をするということ、さらに、適切な内外装、設備の補修などを行えば価値が回復、向上するという評価の考え方を示したところでございます。
 このような考え方が市場に定着することが必要でございますので、昨年七月に、不動産鑑定士の皆さんの役割も非常に大きいわけでございますので、不動産鑑定士の皆さんが鑑定評価を行う際の留意点、こういうものを取りまとめて周知をしてございます。さらに、宅建業者の方の価格査定、これも非常に重要でございますので、宅建業者の方が用いる価格査定マニュアル、こういうものの改訂というものも行ったところでございます。
 こういう不動産鑑定士あるいは宅建業者の実務への働きかけなどを通じまして、良質な住宅ストックが適正に評価される市場の整備を図ってまいりたいと考えております。
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渡辺猛之#13
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 住まいというのは人生の大半を過ごす非常に重要な生活の礎であります。安全で良質で安心できる住環境を実現すると、この観点を一番に考えていただいて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 宅建業法の改正案についての質問はここまでにいたしまして、最後に熊本地震について一点だけお尋ねをします。
 改めまして、今回の地震でお亡くなりになられました皆様方に心から御冥福をお祈りを申し上げますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 私も被災された方からいろんなお声を聞かせていただいておりますが、今回の熊本地震、今までの地震と大きく違うのは、震度七を超える本震があったと、前震も震度七であったということ。そしてまた、これは地震の後皆さん言っておられたんですけれども、ずっと揺れておるということをおっしゃっているんですね。本当はもうすぐ復旧に向けて動き出したいんだけれども、もしかしたらまだ大きな余震が来るかもしれないという不安があるからなかなか復旧作業に手を出せなくて、結局自動車で避難を続けておられるという方がいらっしゃるということを伺っているところであります。
 そして、被災地から聞こえてくるもう一つの不安の声は、これから梅雨の時期、そしてまた秋には台風のシーズンを迎えているので、地震で弱くなった地盤が梅雨のシーズンあるいは台風シーズンでまた新たな二次災害を引き起こすのではないかということを非常に心配をしておられておりました。
 そこで、土砂災害を中心とする二次災害の発生が危惧されている中で、これ以上被害を拡大させないために国土交通省としてどのような対策を講じていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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金尾健司#14
○政府参考人(金尾健司君) 被災地では、地震により地盤が緩んでおりますので、土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げて運用しておりまして、早めの避難を促すなどの警戒避難体制の強化を図っているところでございます。
 また、今後の降雨に備え、国土交通省において、熊本県内の緊急度の高い危険箇所などの点検を実施し、応急的な対策や警戒が必要な箇所などを熊本県及び関係市町村へ説明の上、今後の対応について助言をしております。これらのうち特に緊急度の高い阿蘇大橋地区については、既に直轄砂防事業により斜面対策に着手をしております。
 その他の崩壊のおそれがある箇所においても、亀裂の拡大を監視するための伸縮計などを既に設置したほか、住居に被害が及ぶ可能性のある箇所において熊本県が梅雨期に備えた応急工事を実施しております。さらに、立野川地区や高野台地区など八か所において、この度の地震で発生した不安定土砂や崩壊斜面に対し熊本県と大分県が砂防堰堤などを緊急的に整備するため、災害関連緊急砂防事業などを実施することといたしました。
 今後とも、二次災害防止のため、熊本県などと相談しながら全力で支援してまいります。
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渡辺猛之#15
○渡辺猛之君 しっかりと被災地に寄り添って対応していただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
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金子洋一#16
○委員長(金子洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中山恭子君が委員を辞任され、その補欠として中野正志君が選任されました。
    ─────────────
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増子輝彦#17
○増子輝彦君 おはようございます。民進党の増子輝彦でございます。
 今日は、宅建業法改正についての質疑をさせていただきたいと思います。
 今から十年ぐらい前までは、私の福島県の方でも新築をすることによって上棟式等にお呼ばれが随分ありましたが、最近はほとんどなくなってきたという、住宅の建設等についてもいろんな変化が出てきているのかなと。と同時に、経済対策や景気対策には、新築をどんどんどんどん増加させるということが大きな経済対策であったことは間違いありません。一つの住宅を建てればそこに三十数種類の業種が関わるということで、大変経済対策、景気対策には良かったわけですから、かつて国でも年間百二十万戸とか、非常に大きな住宅建設を促進してきたわけであります。
 しかし、近年はなかなかこれもうまくいかないというような環境にあるし、と同時に、今度のこの宅建法改正においては、どこにその目的や理念があるのか、今、渡辺委員からもいろいろ質問がありましたけれども、私も、若干重なるところがあるかと思いますが、これらに沿って質問させていただきたいと思います。
 まず、大臣、今回の宅建業法改正の理念、目的は何でしょうか。御見解をお伺いしたいと思います。
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石井啓一#18
○国務大臣(石井啓一君) 我が国が本格的な人口減少、少子高齢化を迎える中にありまして、既存住宅流通市場の活性化は、住宅ストックの有効活用、市場拡大による経済効果の発現、ライフステージに応じた住み替えの円滑化による豊かな住生活の実現等の観点から重要な政策課題でございます。
 しかし、我が国の既存住宅の流通シェアは二〇一三年で一四・七%と、欧米諸国と比べますと極めて低い状況でございます。この背景には、既存住宅が個人間で売買されることが多く、買主は住宅の質に対する不安を抱えている一方で、売主に広く情報提供や瑕疵担保の責任を負わせることが困難であるといった課題がございます。このような課題に対応して、売主、買主が安心して取引ができる市場環境を整備するのが今回の法改正の目的でございます。
 既存住宅取引の不安を解消する観点からは、不動産取引のプロである宅建業者が、専門家による建物状況調査、インスペクションの活用を促すことで、住宅の品質に関する正確な情報を消費者に提供することが効果的でございます。このため、法改正では、宅建業者に対しまして建物状況調査の結果について買主への説明を義務付けることなどによりまして、建物状況調査の普及を図るとともに、その結果を活用した瑕疵担保保険への加入を促進してまいりたいと考えております。
 また、近年、不動産取引に関連する制度等が専門化、高度化している中で、既存住宅流通市場の活性化を図るためにも、宅地建物取引業に従事する者の資質の向上や消費者利益の保護の一層の徹底を図ることが必要となっております。このため、宅建業者の団体に対しまして、従業者への体系的な研修を実施するよう努力義務を課すほか、営業保証金等による弁済の対象から宅建業者を除外をいたしまして、消費者の確実な救済が図られるようにしているところでございます。
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増子輝彦#19
○増子輝彦君 大臣、ありがとうございます。
 これから質問する項目の幾つかは既にお答えをいただいたような気がしているんですが、それはそれとして、改めてお伺いしたいと思います。
 今大臣の御答弁からもありましたとおり、我が国の既存住宅流通シェアは、極めて欧米諸国と比較しても低いということは明々白々であります。当然、良質な既存住宅をしっかりと安定して流通しなければいけないという時代に入ったことは間違いないわけであります。
 実は、前国会で、私どもも議員立法で宅建業法改正をしようということで努力はいたしてまいりましたが、残念ながら、終盤国会、安保法の様々な問題が出まして、これが日の目を見ることがありませんでした。今回この宅建業法改正、すなわち既存住宅の流通をしっかりとしたものにしていこうということに併せて、実は我々がやろうとした議員立法によるこの改正というものがセットで行われることになりましたが、これはどのような観点からこのようにセットでこの法案を出されたのか、その御見解をお伺いしたいと思います。
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石井啓一#20
○国務大臣(石井啓一君) 宅地建物取引業に従事する者の資質の向上や消費者利益の保護の一層の徹底を図ることを目的といたしまして、議員立法による宅建業法の改正案の国会への提出が検討されていたことは承知をしております。私も当時、政調会長という立場でそれに携わっていたところでございますが、一方では、国土交通省といたしましては、既存住宅の流通を促進するとともに買主等の利益の保護を図るために、宅建業者が専門家による建物状況調査の結果等の買主への説明を義務付ける等の措置を講ずる宅建業法の改正案をこの国会に提出すべく検討を進めておったところでございます。
 議員立法として検討されておりました改正内容は国土交通省としても是非実現することが必要な内容でありまして、共に売主、買主が安心して取引ができる市場環境を整備するという法目的も一致することから、政府・与党内で調整の上、政府提案の法律案として一本化したということでございます。
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増子輝彦#21
○増子輝彦君 ありがとうございます。
 今、全国に十二万二千を超える宅建業者の皆さんがおられるわけであります。今回の法案にもあるとおり、極めてこの宅建業法に関わる方々の責任というものが重くなってくるんだろうと思いますし、またその役割も問われてくるんだろうというふうに思っています。
 そういう状況の中で、今日まで宅建業者でどのぐらいの行政処分を受けた業者がおられるのか、ここはこれから本当にゼロに近いものに持っていかなければならないわけですから、今までの宅建業者の中で行政処分を受けた業者というのはどのぐらいの数に上るのか、教えていただければ有り難いと思います。
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谷脇暁#22
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。
 平成二十二年度から平成二十六年度の五年間において行われました宅地建物取引業法に基づく監督処分の件数でございます。
 一点目、指示処分につきましては三百四十四件、二点目、業務停止処分につきましては三百十一件、三点目、免許取消処分につきましては八百九十八件でございます。なお、この八百九十八件のうち六百二十二件につきましては、取消しの事由が事務所所在地の不確知、事務所所在地が分からないということを理由としての取消しということになってございます。
 以上でございます。
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増子輝彦#23
○増子輝彦君 私の感覚からすれば、十二万二千を超える業者の皆さんの中で、ざっと見たところ千二百件ぐらいの行政処分を受けたという数ですよね。これ、多いのか少ないのか、ちょっと判断しかねますが、いずれにしても、今回の宅建業法改正によって、先ほど私からも申し上げたとおり、宅建業者の皆さんの責任や役割というのは非常に今まで以上に大きくなってくると思います。大臣からも再三御答弁があるとおり、やっぱりしっかりと、研修も含めながら、様々な観点から宅建業界が国民の財産を預かると、ある意味では、財産を預かるという立場からすれば、ここはしっかりとしていただかなければならないわけですので、できれば行政処分を受ける方々がもっともっと少なくなっていくことを私自身は期待をしたいと思っております。
 そういう意味で、今回のこの研修等を含めて、様々な議員立法で我々がやろうとしたことについても大変重要な役割もあるわけでありますから、是非、今回のこの宅建業法改正によってより良質な宅建業者が増えていくことを願っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 質問幾つか用意しましたが、ほぼ大臣の御答弁の中にも既に何度もお話が、御答弁が出ておりますので、宅建業法改正についてはこれぐらいにさせていただきたいと思いますが、重ねて、どうぞ国交省としても良質な住宅が国民に提供されるように、ましてや八百二十万軒を超える空き家あるいは中古住宅があるわけですから、この国民の言わば財産と言っていいものをより良いものにして、流通がしっかりとできるように御期待を申し上げたいと思います。
 次に、質問を変えます。
 最近、私ども、国民の安全と安心というものが大分損なわれつつあるのかなと大変憂慮しているわけであります。東洋ゴムの問題、旭化成建材の問題、そして今回の三菱自動車、スズキ自動車等の問題、そして、実は先般もこの委員会で我が党の野田委員からも質問をしていただきましたが、東亜建設工業のいわゆる滑走路の問題であります。
 これだけやはり安全、安心というものを重要視しなければいけない我が国の中において不祥事が続いているということ、一体どういうことなんだろうというふうに私自身も大変心配をいたしているわけであります。公共交通関係を含めて、やっぱり国民の皆さんの安全、安心がきちっと担保される体制を取っていかなければいけないと思っているんです。
 そういう意味で、今回の東亜建設工業に見られるように、様々な今まで申し上げた事例が出てきているわけです。この国民の安全、安心の観点から、大変憂慮すべき事態と考えております。このことについて大臣がどのような御見解を持っているか、お伺いをしたいと思います。
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石井啓一#24
○国務大臣(石井啓一君) 今委員から御指摘いただいたように、昨年来発生をしております東洋ゴム工業による免震材料等の不正事案や基礎ぐい工事問題、三菱自動車工業の燃費試験における不正行為、さらには東亜建設工業の施工不良問題につきましては、いずれも国民の信頼を裏切るものでありまして、断じて許されないことであるというふうに考えております。
 これらの事案に対しましては、徹底した原因究明を行いまして再発防止策を図るとともに、法令に従い厳正に対処してまいりたいと、このように考えております。
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増子輝彦#25
○増子輝彦君 大臣、厳正に対処してまいりたいということ、当然のことだと思います。
 もう一度お聞きいたしますが、こういう憂慮すべき事態がこれだけ連続して発生しているというこの原因はどこにあるとお考えでしょうか。
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石井啓一#26
○国務大臣(石井啓一君) 昨年発生いたしました東洋ゴム工業の不正事案や基礎ぐい工事問題につきましては、既にそれぞれの事案ごとに有識者委員会を設置をいたしまして、原因究明や再発防止策の検討を行ってきたところでございます。その中で、事案が発生いたしました原因といたしましては、個人の規範遵守意識の問題に加えまして、不正を未然に防ぐことができなかった社内のチェック体制の不備などが有識者委員会から指摘をされているところでございます。
 また、三菱自動車工業の燃費試験における不正行為、東亜建設工業の施工不良問題につきましては、これは何が原因かをしっかりと究明することが不可欠であると考えておりまして、今そういった検証をさせているところでございます。
 今後、事業者からの報告や有識者委員会等における検討、検証等を通じまして、原因究明と再発防止に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
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増子輝彦#27
○増子輝彦君 今大臣から御答弁がありましたとおり、個人の規範の問題とか、社内のチェック体制とか、様々なことが当然これは欠如しているということもあるんでしょう。しかし、第三者委員会に全ての原因究明を委ねて、その後どのような対策を取るかということが極めて私は欠如しているのではないだろうかというふうに心配をしているわけです。やはり、企業が責任を持って国民の安全、安心を構築していかなければいけない。それが連続してそれぞれの業種によって様々な事案が出てくるということ、これは大変憂慮すべき問題だと思っているんです。これがドミノのようにまたいろんなところから多分出てくる可能性も否定はできない。そのときにやっぱり社員の規範の欠如だとか、あるいはチェック体制が不備だとか、同じようなことが繰り返されてくるんだろうというような心配をしているわけです。
 ここはやっぱり、特に公共事業的なものとして扱うならばなおのこと、悪い言葉かどうか知りませんが、ごまかしはいけない、これは。もう分かっていて、承知していてやっているということもこれ否定できない事実があるわけですから、ここの問題はやっぱり国交省としてもしっかりと、チェック体制のみだけではなくて、指導というもの、摘発すればいいんじゃないと思うんです、私は。やっぱり事前に徹底的な指導をしてそういう事案が起きないようにすることの方がむしろ大事なんだろうと思います。
 よく私言うんですが、交通違反も、四十キロ制限のところを五十キロでみんな走っているわけです。これは、そういうことは本来は違反かもしれないけれども、やっぱりある程度車の流れに沿っていかなければ、四十キロという制限の中をオーバーしてしまうことは致し方がないんですが、そういうときに、例えば取り締まる警察官や様々な方々が摘発だけを目的ではいけない、指導するということがあってしかるべき、指導があって摘発だと思うんです。
 ですから、指導という面が私は少し国交省を含めて様々な国の機関の中で欠如があるのではないかという心配もしておりますので、この辺の指導という体制をもう少ししっかりとしていただきたい。そのことによって、国民の安全、安心が守られるということになってくるのだろうと思います。この指導ということについて、大臣、通告はいたしていませんが、どのようにお考えか、御答弁いただきたいと思います。
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石井啓一#28
○国務大臣(石井啓一君) 今委員御指摘いただいたような指導ということも非常に重要な課題であると認識をしております。私どもとしましては、様々な機会を通じて関係業界にコンプライアンスの遵守ということをしっかりと指導してまいりたいと考えております。
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増子輝彦#29
○増子輝彦君 しっかりと指導をお願いしたいと思います。
 そこで、東亜建設工業の問題について更にお尋ねをしたいと思いますが、今回の施工不良事案について、東亜建設工業に対して早急により詳細な報告を求めるべきだと、もちろん私ども考えておりますし、国交省も当然そのような体制にあるんだろうと思っています。今後のスケジュールの中で、どのようなスケジュールで東亜建設工業から詳細な報告を求めて、どのような方向にきちっと決着を付けるのか、お伺いしたいと思います。
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