山下芳生の発言 (内閣委員会)

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○山下芳生君 今、大口さんは、社会一般あるいは後見人の理解が足らないんじゃないかという御回答でしたけど、私、その点もあるんですが、もっとより根本的には、この現行の成年後見制度の体系、構造そのものにこういう問題を生じさせる原因があると、そういろいろな事例を聞いて理解いたしました。
 先ほどの法務省のパンフレットにもあるように、この制度の八五%は後見人で担われています。保佐とか補助は少ないというんですが、そちらの方にもっと行ってもらったらいいという御趣旨の御答弁でしたけど、問題は、この後見人という概念が、果たしてこういう概念がいいのかどうかということにしっかり切り込む必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
 すなわち、もうこの後見類型では、判断能力について自己の財産を管理、処分できないと判断されるその方は、後見人には包括代理権、全ての法律行為に代理・代行権限が与えられる。しかも、その人の能力の状態が回復したと診断されない限り権限は死ぬまで継続される、もうずっと固定化されるんですね。要するに、判断能力がもう一切ないという、それを固定的に判断される類型になっている。そして、後見人には包括的な広範囲な代理権が付与されるということから、本人の意思がしっかり確認されないまま意思に反する代理、代行がされちゃうということになっているんじゃないかと思うんですね。
 日弁連が昨年十月二日に、このシンポジウムを踏まえて総合的な意思決定支援に関する制度整備を求める宣言というものを出しておられます。
 その中で現行の成年後見制度の改革として問題点を述べているんですが、その文章をちょっと紹介しますと、その人の意思決定能力を支援することにより本人の意思決定を導くことは義務付けられておらず、権限行使に当たって本人意思の尊重をどの程度図るかについては後見人等の広範な裁量に委ねられている、利用件数の大半を占める成年後見類型は、判断能力につき自己の財産を管理、処分することができないと診断されると、個々の行為について必要な支援がなされれば自ら意思決定が可能なものがあるかについて個別に考慮することなく、その人につき成年後見が開始され、その人の法律行為全てにつき包括的に代理・代行権限及び同意権、取消し権が付与されることになっていると。
 こういう全てもうできないであろうということを一律に決めちゃって、もう包括的に全面的に権限を移行されてしまう、そういう類型をつくっちゃっていいのか、つくっちゃっていることがこういう本人の自己決定権が尊重されない一つの大きな要因になっていると日本弁護士連合会は指摘をされております。続けて、開始決定の審判の効力に期間制限がないこと、定期的な審査の機会が与えられていないこと、死ぬまでそうなっちゃっているということも指摘されているんですね。
 これは、非常に大きなやっぱり構造的問題から起因していると私は理解したんですけど、提案者はいかがですか。

発言情報

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発言者: 山下芳生

speaker_id: 9284

日付: 2016-04-05

院: 参議院

会議名: 内閣委員会