内閣委員会

2016-04-05 参議院 全56発言

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会議録情報#0
平成二十八年四月五日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     山下 芳生君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                井上 義行君
                上月 良祐君
                相原久美子君
                山下 芳生君
    委 員
                石井 準一君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                酒井 庸行君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                風間 直樹君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                江口 克彦君
                山田 太郎君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  田村 憲久君
       内閣委員長代理  大口 善徳君
   国務大臣
       国務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       金子  修君
   参考人
       独立行政法人日
       本スポーツ振興
       センター理事   池田 貴城君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○成年後見制度の利用の促進に関する法律案(衆
 議院提出)
○成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び
 家事事件手続法の一部を改正する法律案(衆議
 院提出)
    ─────────────
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神本美恵子#1
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十一日、田村智子さんが委員を辞任され、その補欠として山下芳生さんが選任されました。
    ─────────────
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神本美恵子#2
○委員長(神本美恵子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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神本美恵子#3
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山下芳生さんを指名いたします。
    ─────────────
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神本美恵子#4
○委員長(神本美恵子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 成年後見制度の利用の促進に関する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として法務大臣官房審議官金子修さんの出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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神本美恵子#5
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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神本美恵子#6
○委員長(神本美恵子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 成年後見制度の利用の促進に関する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事池田貴城さんの出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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神本美恵子#7
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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神本美恵子#8
○委員長(神本美恵子君) 成年後見制度の利用の促進に関する法律案及び成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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相原久美子#9
○相原久美子君 民進党の相原久美子でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 この法案でございますけれども、与野党の有志の皆さん、本当に真摯な議論をされてきて、この法案をまとめられてきたということだと思います。
 かつて私たちは、禁治産、準禁治産という制度を有しておりました。しかしながら、これ、意思決定能力に制約のある人も社会人として様々な意思決定をしていくことが必要であり、その能力支援制度は社会を成り立たせる上で不可欠なのですが、禁治産等の制度はこのような思想とは異なっていたため、私たちは、これを大きく改めて成年後見制度のこういう創設をしたわけです。しかしなお、支援制度の必要な人でごく僅かしかこの制度を利用できておらず、しかも、本人の意思決定能力を補完し保佐する制度としての保佐や補助よりも、本人の意思決定を代行する後見の方が圧倒的に多く利用される状況にあってきたということだと思います。
 これを改めまして、成年後見等の制度の利用を本来あるべき姿に改めようと本法律案が提出されたものと理解しておりますが、これが提出者の意図であるかどうか、認識をお伺いしたいと思いますし、また、この法案作成過程におきまして、制度を利用する側、そして支援団体などの意見を十分に聞かれたのかどうか、それについてお伺いしたいと思います。
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大口善徳#10
○衆議院議員(大口善徳君) 相原久美子委員にお答えを申し上げたいと思います。
 この成年後見制度のうち、法定後見には後見、保佐、補助の三つの類型があります。平成二十六年の十二月末時点におきまして、成年後見の利用者は十四万九千人、これは八一・六%なんですね。保佐の利用者は約二万五千二百人、一三・八%、そして、補助の利用者は約八千三百人で四・五五%ということで、成年後見の利用が圧倒的に多いと。
 しかし、一定の判断能力のある方には保佐人や補助人の支援を受けつつ自ら意思決定をしていただくことが望ましい、こういうことで、この法案では第十一条の一号において、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずると規定しているところでございます。
 また、この法案は、成年後見制度を利用している当事者の方からの意見もお伺いをさせていただきました。昨年の八月の二十一日、十四の障害者の団体にお集まりをいただき、そして意見を述べていただきました。根幹部分での反対意見はなく、その中で、やはり障害者権利条約をしっかり踏まえて本人の意思の尊重をしっかりしていただきたい、こういう強いお話も賜りまして、この障害者権利条約の精神というもの、これもしっかりこの法案では盛り込まさせていただいたつもりでございます。
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相原久美子#11
○相原久美子君 ありがとうございます。
 一番大切なところだと思いますので、そこの部分、曲げられることのないように是非これからも注視してまいりたいと思います。
 そうはいいながらも、この法案が取りまとめ進められ、そして、今様々なメディアにも取り上げられていますように、成年後見の利用の促進ではなくて抜本改革こそが必要だというような声が聞こえてまいりました。
 実は、ちょっと私の方にもいろいろと連絡がございまして、是非受け止めていただいて、これからも改革のための議論をしていっていただきたいという要望でございますけれども、自治体の職員なんかには、実はこれ欠格条項に値するんですね。さはさりながら、多少の支援をすれば本当に十分活躍していただけるという方たちもいらっしゃる。さて、こういう制度が本当にあっていいのかということにもなりかねないわけです。
 ですから、今回の法案に絡んでということではないのですが、この抜本見直しというような制度そのものの議論を今後にも続けていっていただきたいなということで、これは、質問通告しておりませんので要望としてまずはさせていただきたいと思います。
 そして、やっぱり通常の人と異なるとかなんとかということではなくて、本人に代行して意思決定をする制度の利用促進ではなくて、本人の意思決定能力を最大限尊重していくと、それを脇から支援する制度にやっぱり改めていかなければならないのではないか。これは、世界的な流れを言ってもそうなんだろうと思うんです。
 もちろん、認知症ですとか何かと、それから障害の程度にもよります。我々も、いつ認知症という形である意味宣言されるか分かりません。でも、そこにもやはり人権、基本的な形で人権を尊重していく、尊厳を守っていくということがやはり必要なのではないかと思っています。
 国連の障害者権利条約、権利委員会でもこの点かなり強くやはり言われているのではないかと思っております。欧州各国その他も、やはり人権の感覚からこの制度の見直しが進められてきているように思います。ですから、基本的人権条項の第十一条、国際的動向条項ですとか、それから自発的意思の尊重条項に、今回の法律にも規定されていると思うのですが、理解としては、そういう人権を尊重していく、人としての尊厳を尊重していくという基本に立っているのだという確認でよろしいでしょうか。
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大口善徳#12
○衆議院議員(大口善徳君) 相原委員にお答え申し上げます。
 冒頭のお話でございますけれども、この法の第十一条の二号に、成年被後見人の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを行うと、こう書かせていただいています。二百以上、一律に資格制限ですとかあるいは権利の制限の規定があります。こういうものを全て見直していこうと、こういうことでございます。そして、三年前、選挙権の回復、それも私どもやらさせていただきました。これもその一環であると、こう考えております。
 その上で、本当に人権の尊重ということがこの法律の基本理念でございます。この第三条に、成年後見制度の利用促進は、成年被後見人が成年被後見人でない者と等しく基本的人権を有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきこと、成年被後見人等の意思決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人等の自発的意思が尊重されるべきこと及び成年被後見人等の財産の管理のみならず身上の保護が適切に行われるべきこと等の成年後見制度の理念を踏まえて行われるものとすると、こういうふうに書かさせていただきました。
 また、第十一条の柱書きにおきましては、成年後見制度の利用促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえ、これは障害者の権利条約も当然入っているわけです、を踏まえ推進されるものとすると。そして、これもさらに、やはり高齢者とかあるいは障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつということで、今、社会保障制度審議会の障害者部会でもこのことが議論されていますよね。そういうことの整合性、あるいは新オレンジプランとの整合性、そして内閣府の障害者政策委員会における議論、こういうことも踏まえながらやっていくということでございます。
 そして、そういう国際的な動向を踏まえて推進されるものと定めた上で、基本方針として、成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の能力に応じたきめ細かな対応を可能とする観点から、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずること、これが第十一条の第一号。また、成年被後見人等であって医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難なものが円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方について、成年後見人等の事務の範囲を含め検討を加え、必要な措置を講ずること、これが第三号。そして、成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の自発的意思を尊重する観点から、任意後見制度が積極的に活用されるよう、その利用状況を検証し、任意後見制度が適切にかつ安心して利用されるために必要な制度の整備その他の必要な措置を講ずると、こういう形で規定させていただいております。
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相原久美子#13
○相原久美子君 私たちが本当に望むべきことというのは、それぞれの方たちの人権が尊重されるということが第一義だと思っておりますので、恐らく、これからも見直しをしていかなければならない、多々出てくるであろうと思います。是非、その視点に立って、改正の方向も、また私どもも一緒になって議論を進めてまいりたいなと思っております。
 そして、最後になりますけれども、そうはいいながらも、後見人制度という中で、三月の二十三日に衆議院の内閣委員会におきまして共産党の委員から指摘されましたように、やっぱり後見人による不正行為ということは私どもも看過するわけにはいかないわけです。その中で、いわゆる不正防止策ということをどう考えていくのかという御議論もいただいたわけですけれども、お答えの中にありましたが、やっぱり家裁とかがいわゆるその団体の管理をしたりとか、それから調停を図るとか、状況を監査する意味での人的体制、これがやっぱり今非常に脆弱であるということがあるのではないかと。
 その意味では、この法案成立を契機といたしまして、この不正防止策、もちろん、親族での不正もあるという答弁もありましたけれども、ここはなかなか難しいところですけれども、いわゆる第三者がこういう不正行為を行わないという形を取っていきませんと信頼性もなくなってしまいますので、これは、時間になりましたので要望として申し上げさせていただきたいと思います。
 あくまでも、やはりそれぞれの人権、人間としての尊厳が守られるという過程の上でしっかりとした法律にしていくように、我々も努力させていただきますが、提案者としてよろしくお願いしたいということを申しまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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山下芳生#14
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 二〇〇〇年に改正された成年後見制度は、判断能力の不十分な高齢者や障害者の虐待や財産的被害からの救済や予防などで一定の役割を果たしてきたと思います。
 資料の一枚目に成年後見制度の概要、これは法務省のパンフレットから抜粋いたしましたけれども、付けております。
 制度は三類型されておりまして、後見、保佐、補助であります。後見というのは判断能力が欠けているのが通常の状態の方、それから保佐というのは判断能力が著しく不十分な方、補助は判断能力が不十分な方でありまして、どうやってこれを分類するのかといいますと、本人や親族が家庭裁判所に申立てをして、審判でこの類型が区分されるというふうに承知をしております。
 先ほどからの答弁にあったように、この三類型の中で最も多い、大宗を占めるのは、八五%を占めるのが後見でありまして、この後見人には、ここにあるように、財産に関する全ての法律行為に関しての代理権が与えられるということになっているわけであります。こういう制度が一定の役割を果たしているということは私も認めるわけですが、もう十五年たって様々な問題が発生している、改善されるべき問題が生まれていると指摘せざるを得ません。
 昨年の十月に、日弁連人権擁護大会のシンポジウムで成年後見制度から意思決定支援制度へと題したディスカッションが行われました。そこでも様々な問題点が紹介されております。私もそれ学びまして、私なりに問題点三点あるんじゃないかと、こう理解いたしました。
 一つは、被後見人とされた方の財産が毀損される、本人の意思に反してですね。例えば、紹介された事例では、被後見人の所有する土地を被後見人の意思に反して売却してしまったという事例が紹介されておりました。財産が本人の意思に反して処分されるということが起こっております。
 それから、二つ目のパターンとして、本人がこれまで築いてきた人と人との関わり、あるいはその地域で住むこと、そういう人間関係だとか地域で住む権利が残念ながら後見人によって遮断されたり奪われたりということも起こっております。例えば、親と住み慣れた自宅で生活してきた精神障害者の方が、同居の親が亡くなったために離れて暮らしていた兄が成年後見人となったところ、本人が理解できないまま施設入所契約をして自宅での生活を断念させられてしまい、すっかり元気をなくしてしまったなどなど、これはもうたくさん起こっていると承知しております。
 それから、三つ目のパターンは、先ほど相原理事からもお話があった仕事を奪われちゃうという例ですね。市役所で仕事をしていた方が、保佐人が付いたことで公務員の欠格事由とされて解雇されたということも、これも日弁連のシンポジウムでも実際に紹介された事例としてあります。
 こうして、本来いろいろ意思決定が十分できない方々を支援するはずのこの制度が、本人の意思に反して財産が毀損されたり、人と人との関わりや居住の意思が損なわれたり、それから職を奪われたりということが残念ながら起こっていると。提案者に伺いますが、こういう問題が起こっていることについてどう認識されていますか。
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大口善徳#15
○衆議院議員(大口善徳君) 今先生の御指摘のようなある意味では副作用的なことが行われている、やっぱり自己決定権が十分尊重されているとは言い難い事案もあるということはそのとおりだと私も思います。
 提案者としては、やっぱり成年後見制度の利用を促進するに当たり、成年被後見人等の自発的意思を尊重することが重要であると考えておりまして、今回のこの法案においても、基本理念の内容として、成年被後見人等が成年被後見人等でない者と等しく基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきこと、成年被後見人等の意思の決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人の自発的意思が尊重されるべきことということ、これは三条の一項で書かせていただいています。
 民法の八百五十八条、本人の意思を尊重し、その身上に配慮する義務を負っているわけでありますけれども、それを怠っている例もあるということでございまして、この点につきましては、しっかり本当に本人の意思を尊重するということを徹底していくためにどうすべきか、あるいは不正行為をいかに防止していくのかということも、これからこの法案において、利用促進会議や利用促進委員会の御意見もお伺いしながら進めていくということになると考えております。
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山下芳生#16
○山下芳生君 資料の二枚目に、先ほど紹介した日弁連の人権擁護大会のシンポジウムで配付された、東田直樹さん、自閉症をお持ちの方ですが、その方の「尋ねてほしい。 見た目の行動から決めつけないで」という詩でしょうか、を載せておきました。ちょっと後段を紹介します。
 いちばん嫌なのが、わからないからといって、見た目の行動だけで気持ちまで決めつけられることです。答えられなくても、尋ねてくれたらいいのにと、思います。そうしてもらえれば、その人が僕を大切に思ってくれていると伝わるからです。僕について話をしているにもかかわらず、まるで僕がその場にいないかのような態度をされると傷つきます。自分は、その辺の石ころみたいな存在なのだろうか。ただ、周りの人の意見だけで動かされ、すべてが決められていく。自分の意思をみんなのように伝えられない僕は、なんて無力なのだろう。小さい頃、何度こんなふうに思ったことでしょう。
 気持ちを伝えられないということは、心がないことではありません。周りの人がさせたがっていることが、本人のやりたがっていることだとは限らないのです。そのことを忘れないでください。
 大変、実際こういうお立場の方がどんな気持ちでいらっしゃるのか、痛切に伝わってまいりました。この気持ちを大事にした制度の運用であり、制度そのものにしていく必要が私はあると思いました。
 そこで、提案者に伺いますが、先ほど紹介したような、こういう本人の意に反するような事例がこの成年後見現行制度の下で起こっているのはなぜか、どこに原因があるかと御認識でしょうか。
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大口善徳#17
○衆議院議員(大口善徳君) 山下委員にお答えを申し上げます。
 この成年被後見人等の自己決定権が十分尊重されていないと見られる対応が行われる根本的な原因の一つとして、成年被後見人の自己決定権に対する社会や一般の成年後見人等の理解の不足が考えられるところではないかと思います。そして、私ども、この法の十一条の二号で、いまだに二百以上こういう欠格条項がある、権利制限の条項があるということもやはりそうした認識の表れではないかなと思います。そういう点で、本当に成年被後見人の自己決定権というものをもっともっと社会が、また成年後見人等も、一生懸命やっている方は大変だと思いますが、一部理解不足の方がいらっしゃると、こういうことをどう防いでいくかということだと思っております。
 提案者として、成年被後見人等の自己決定権が尊重されるように成年後見制度が運用されるようにしていきたいと。そういう点で、本法案では、三条の一項で基本理念として成年被後見人等の自発的意思が尊重されるべきことを、また、十一条の八号では、基本方針として成年後見人等又はその候補者に対する研修の機会の確保を掲げております。
 実は、これはそれこそ消費者相談をやっておられる方のアンケートを取りましても、要するに、裁判所がきちっと点検とか審査をする、問題があったらそれをきちっと研修をしていくというようなこともやられるのは本当に一桁なんですね、パーセントにすると。やはりそういうことも含めて、しっかりこの十一条の八号でやっていかなきゃいけないと思います。
 また、成年後見制度の利用に占める後見の比重が大き過ぎるというふうに考えます。ですから、成年後見人が成年被後見人の意思決定を代行する後見ではなく、意思決定を本人が行う保佐や及び補助、あるいはどの事務を委託するかを本人に選択権がある任意後見の利用の比重を大きくしていくことが本人の自発的意思を尊重する実務の傾向を醸成するために重要であると、こういうふうに考えております。
 また、障害者福祉の分野におきましては、社会保障審議会の障害者部会の平成二十七年十二月十四日の報告において、意思決定支援の定義や意義、標準的なプロセス、留意点を取りまとめた意思決定支援ガイドライン(仮称)を作成し、事業者や成年後見の担い手を含めた関係者で共有し、普及を図るべきであると、こう述べられています。この意思決定支援ガイドラインの案というものを、策定に向けた調査研究も進んでいます。
 福祉の分野で意思決定支援の普及や質の向上に向けた取組を進める方向で動いており、本法案も、成年被後見人等の意思決定支援と自発的意思の尊重について定める中、今後とも、成年被後見人等の自己決定権の尊重のための取組が進められるようにしていかなければならないと、こう考えます。
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山下芳生#18
○山下芳生君 今、大口さんは、社会一般あるいは後見人の理解が足らないんじゃないかという御回答でしたけど、私、その点もあるんですが、もっとより根本的には、この現行の成年後見制度の体系、構造そのものにこういう問題を生じさせる原因があると、そういろいろな事例を聞いて理解いたしました。
 先ほどの法務省のパンフレットにもあるように、この制度の八五%は後見人で担われています。保佐とか補助は少ないというんですが、そちらの方にもっと行ってもらったらいいという御趣旨の御答弁でしたけど、問題は、この後見人という概念が、果たしてこういう概念がいいのかどうかということにしっかり切り込む必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
 すなわち、もうこの後見類型では、判断能力について自己の財産を管理、処分できないと判断されるその方は、後見人には包括代理権、全ての法律行為に代理・代行権限が与えられる。しかも、その人の能力の状態が回復したと診断されない限り権限は死ぬまで継続される、もうずっと固定化されるんですね。要するに、判断能力がもう一切ないという、それを固定的に判断される類型になっている。そして、後見人には包括的な広範囲な代理権が付与されるということから、本人の意思がしっかり確認されないまま意思に反する代理、代行がされちゃうということになっているんじゃないかと思うんですね。
 日弁連が昨年十月二日に、このシンポジウムを踏まえて総合的な意思決定支援に関する制度整備を求める宣言というものを出しておられます。
 その中で現行の成年後見制度の改革として問題点を述べているんですが、その文章をちょっと紹介しますと、その人の意思決定能力を支援することにより本人の意思決定を導くことは義務付けられておらず、権限行使に当たって本人意思の尊重をどの程度図るかについては後見人等の広範な裁量に委ねられている、利用件数の大半を占める成年後見類型は、判断能力につき自己の財産を管理、処分することができないと診断されると、個々の行為について必要な支援がなされれば自ら意思決定が可能なものがあるかについて個別に考慮することなく、その人につき成年後見が開始され、その人の法律行為全てにつき包括的に代理・代行権限及び同意権、取消し権が付与されることになっていると。
 こういう全てもうできないであろうということを一律に決めちゃって、もう包括的に全面的に権限を移行されてしまう、そういう類型をつくっちゃっていいのか、つくっちゃっていることがこういう本人の自己決定権が尊重されない一つの大きな要因になっていると日本弁護士連合会は指摘をされております。続けて、開始決定の審判の効力に期間制限がないこと、定期的な審査の機会が与えられていないこと、死ぬまでそうなっちゃっているということも指摘されているんですね。
 これは、非常に大きなやっぱり構造的問題から起因していると私は理解したんですけど、提案者はいかがですか。
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大口善徳#19
○衆議院議員(大口善徳君) 先生がおっしゃること、また日弁連の議論ということも聞いております。
 今回の法案は、まず、これは障害者団体の方からも、当面今のことを放置していいのかということで、できる限り障害者権利条約の精神を生かした形でその運用をしっかり改善していく、あるいは権利制限とか資格制限、こういうものはもう法改正をしていく、そういう形で成年後見制度を権利制限に転用するというようなことはこれは良くないということからも十一条の二号を規定させていただいているところでございます。
 そういうことから、この後見と、それから保佐と補助、この割合を本当にしっかり考えていかなきゃいけない。そういうこともあって、私どもはこの十一条の一号でこういう形で書かさせていただいているところでございます。
 抜本的なお話については、じゃ、その支援付きの意思決定制度というのは具体的にどういうものなのかとかいうことがまだはっきりしていません。ただ、本当に今、それこそ十八万、十九万人の方が成年後見を利用されています。だから、そういう現実もありますし、そしてまた、実は、これはこういう制度によって裁判所がチェックするということももっとしっかりやっていかなきゃいけないわけでありますけれども、ただ、そういう目があるわけですね、第三者の目が。ところが、そういう成年後見が利用されていないがために、実際に虐待され、そして財産を毀損されている方もこれは相当多いわけであります。そういうことも含めて考えていかなきゃならないと、こういうふうに考えます。
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山下芳生#20
○山下芳生君 虐待だとか財産侵害についてはこの制度が一定の役割を果たしていると私は認めた上で、その上でこういう問題が起こっていることについてどう切り込んでいくかという、私は、それに構造的な、この制度自身の構造問題があると、日弁連もそれを指摘しているんだから、ここはやっぱり踏み込まないと。そこを、残念ながら、今御答弁聞いても、そこに踏み込まないまま単に現行制度の利用促進という今回の法律の立て付けになっているというふうに思わざるを得ないわけです。
 そこで、どういう、じゃ、あるべき制度に進んでいったらいいのか。私は、そのガイドラインとしては、やはり障害者の権利に関する条約、資料の三枚目にお付けしておりますけれども、その第十二条に、法律の前にひとしく認められる権利として、もう具体的に大事なガイドライン、指針が、指針というか基本的な理念ですね、書かれてあります。
 第十二条の一項、締約国は、障害者が全ての場所において法律の前に人として認められる権利を有することを再確認する。これは、知的発達障害者等も意思決定の権利主体であるとしていることであります。
 第二項、締約国は、障害者が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認める。これは、すなわち知的発達障害者等、生活の全側面で意思に応じた行為能力がある、自分で自分のことを決める能力があるというふうに権利条約は認めているということです。
 第三項、締約国は、障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとる。すなわち、国に知的発達障害者等への意思決定支援の体制をつくることを求めていると。
 その上で、第四項は、濫用の防止ということがありまして、法的能力の行使に関する措置が、障害者の権利、意思及び選好を尊重すること。ちゃんと障害を持つ方が自分で選ぶことができることを尊重すること。そして、障害者の状況に応じ、かつ、適合すること、可能な限り短い期間に適用されること並びに権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関による定期的な審査の対象となること。日弁連が先ほど指摘した現行制度の問題点は、既に障害者権利条約で濫用の防止として指摘されていることがやはり日本の現行制度については当たっているということだと思うんですね。
 大臣、来ていただいておりますが、この法律が成立した暁には加藤さんがこの現行成年後見制度の担当大臣となられますので、この今私紹介した障害者権利条約第十二条で述べられていることをしっかり念頭に置いてこの制度の所管担当大臣になっていただくことが大事だと思いますが、いかがですか。
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加藤勝信#21
○国務大臣(加藤勝信君) 成年後見制度、そしてこの法案が成立をいたしましたら、この法案に関しては私のところで対応させていただくということになるわけであります。
 今提案者からもお話がありましたように、本提案というのは、急速に高齢化が進み認知症の方が増える、そうした中で成年後見制度が十分利用されていないという、そういう状況にあるとの認識の下で提案がされていると。
 他方で、この利用推進に当たりましては、今御指摘もありましたように、成年被後見人の方の意思が尊重されるということも踏まえて対応するということでございますので、そこをしっかり踏まえながら私どもとしてこの法律の施行を進めさせていただきたいと、こう思っております。
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山下芳生#22
○山下芳生君 最後に、資料の四枚目に付けてあるんですが、実は、世界ではもう進んだ実践が広がっております。日本自閉症協会の「成年後見制度の見直しを進めるよう提案します」という冊子の中に紹介されている二〇〇五年に成立されたイギリスの意思決定能力法の内容であります。非常に重要なことが書かれてあります。
 (1)意思決定の能力は固定されたものではなく、事柄によって異なる(家の売買契約はできなくても、服を選ぶことはできるように)。
 (2)意思決定の能力は、その時の環境や気分によっても変化する。落ち着いた環境で、信頼できる人と一緒であれば、意思決定の能力は高まる。
 (3)意思決定の能力は、経験を通して発達する。
 (4)意思決定支援を尽くしても意思決定できないこと、できない時にのみ、支援者の「代行決定」が認められる。
 (5)代行決定は、その人の「最善の利益」となるように行う。本人への制約は最小限にすべきである。
 これは、二〇〇五年にこういう理念に基づいた制度ができまして、実際にこの専門的な知見を持っている方々が法的に整備されて、この代行・代理権を行使する際には、その方が本人と意思を確認する際のアシストをされるということにもなっていると聞きました。日弁連のシンポジウムでもこの制度の調査の報告がされております。
 日弁連さんが意思決定とは何かということをまとめておられます。意思決定の支援とは、その人が意思決定することができないという判断をする前に、本人と信頼関係を築いている身近にある支援者や家族等が本人に寄り添い、本人が自分で意思決定ができるように必要な情報をその人の特性に応じて提供し、選択とその結果を見通せるような工夫された説明や体験の機会をつくる等を通じて本人が意思決定することが可能となるように、様々な合理的配慮を尽くす実践の総体であると、そういうふうに意思決定ができることを引き出す支援があってこそ意思決定の支援なんだということなんですね。
 こういうことを、もう非常に大事な観点ですが、加藤大臣、是非、そういう障害者権利条約、そして日弁連、世界の到達、しっかり踏まえて所管されることを期待したいと思いますが、もう一度その点を。
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神本美恵子#23
○委員長(神本美恵子君) 時間ですので、答弁簡潔に。
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加藤勝信#24
○国務大臣(加藤勝信君) はい。
 今御指摘の点もかなりこの法案の中にも盛り込まれているように私は感じさせていただきながら聞かせていただきました。
 いずれにしましても、この法案、そしてここでの議論、それを踏まえながら適正に執行するように努めて、同時に、この法案の趣旨にしっかりと沿った形で執行できるように進めていきたいと思っております。
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山下芳生#25
○山下芳生君 終わります。
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山本太郎#26
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 成年後見制度の利用の促進に関する法律案と成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案、質問いたします。
 加藤大臣、この法案提出の担当大臣ではなく、この法案が成立した後を担当する大臣だとお聞きしました。法案が成立した後、大臣は何をなさるのか、簡潔に教えていただけますか。
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加藤勝信#27
○国務大臣(加藤勝信君) この法案の中身に沿って、例えば実効性の高い基本計画を策定できるよう、法務省や厚生労働省等の関係省庁と協力を得ながら、まずは必要な事務体制を整えて、そして政府一体となって取り組むよう努力をしていきたいと、こう思っております。
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山本太郎#28
○山本太郎君 ありがとうございます。
 成年後見制度というセの字も分からない、このことについて知らないというネットを御覧の方のために、ざっくりと説明させていただきます。
 自分では意思決定ができないとされた精神や身体に障害を持たれた方、そのほかにも認知症の方々に対して、代理人、つまり後見人がその人に成り代わり意思決定をする代行決定の制度なんですが、本人の意思決定権を奪うことや本人の意に反する決定を後見人が行う危険性があるだけでなく、後見人による着服、横領が二〇一四年一年間で五十六億円に及ぶなどの問題も多く、今回の法案では、医療同意への拡大、この部分が懸念されています。つまり、医療に関する決定権につながるおそれがあると。生命を守るための医療ではなく、後見人の判断で延命治療の停止、安楽死への道を開く可能性、また逆に後見人による過剰治療を招くこと、ほかにも後見人による精神病院への強制入院や老人ホームへの強制収容などもあり得るのではないかと懸念の意見があります。
 成年後見を見直す会代表でありグループホームを経営する西定春さんは、世界ではどうなっているか、そのことについて教えてくださいました。
 ニュージーランドもオーストラリアもヨーロッパも、全ての人の自己決定を認める方向になっている、だから国連障害者権利条約が生まれたんだと。誰かがハンディのある人の代行決定をするのではなく、その人が自分で決められるように支援していく社会であるべきだ、自分で決めることができれば後見人は必要がないんだろうと。
 三月三十一日に開かれました記者会見、池原毅和弁護士が紹介したように、FGC、ファミリー・グループ・カンファレンスでみんなと相談しながら自己決定が形成される手法があるとおっしゃいます。これは元々マオリ族が行ってきた手法でもあると。そのような環境であるならば、誰でも支えられながら自己決定を行うことができる。また、SDM、サポーテッド・デシジョン・メーキングという手法がオーストラリアでも開発されているそうです。ハンディがあるとされる人に寄り添う人が集まって当事者の自己決定を支えていくんだと。このように、自己決定できる環境を整えたり周囲が支えれば誰でも自己決定が可能です。このような手法が広がっている国や地方では、当然に後見制度を利用する人は少なくなっていっています。日本も代行決定主義から脱すべきですと、そのようにおっしゃっています。世界的潮流は、どんなに重いハンディがある人も、力のある人も、大金持ちも、ノーベル賞受賞者も、みんな同じ権利を持つ人間ということです、そのようにおっしゃっています。
 日本では、判断能力の有無を余りにも簡単に決めてしまう。これを個々人に応じた必要最小限の制限にとどめ、当事者が可能な限り自己決定できる、そんな支援と環境整備を原則とする制度に改めるべきだと、それが世界の流れのようです。
 法務副大臣にお聞きしたいと思います。
 成年後見制度自体、現在の先進国の流れからいえば逆方向を進んでいるようにも感じるんですけれども、日本政府がそれでもやっぱり成年後見制度なんだよという見解、法務副大臣から簡潔に教えていただけますか。
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盛山正仁#29
○副大臣(盛山正仁君) 山本委員からいろいろな御指摘を賜りまして、ありがとうございました。
 私は、この法案を作りますチームの一員として実は昨年まで、大口議員あるいは田村議員と一緒に作っておったわけでございますけれども、今日は法務副大臣として、政府側としての答弁をさせていただきます。
 御案内のとおり、平成十一年の民法改正で、それまでの禁治産者、準禁治産者というところから成年後見あるいは保佐、補助という制度をつくるようになってきたわけでございます。山本委員御指摘のとおり、ナッシング・ウイズアウト・アスというんでしょうか、障害をお持ちの方あるいはいろんな方が自分たちの力で何かを決める、そういう方向はもちろん我々も重々承知しておりますし、障害者権利条約、おととし我が国にも適用されるようになりましたし、障害者差別解消法もこの四月一日から施行されたばかりでありますので、政府としてもその方向に向かっているということは間違いございません。
 しかしながら、重度の認知症患者の場合などで御本人が意思決定を事実上することができない、こういう方々がいらっしゃるのも事実でございますので、成年後見人の方が法律行為を代理して行うことが必要という場合もございます。
 また、現在の成年後見制度では、成年後見人が本人の意思を尊重し、その身上に配慮する義務を負っておりますので、本人の意思と無関係に代理権が行使されるわけではありません。そしてまた、保佐、補助の類型は、基本的に保佐人、補助人の同意を得て本人が自ら法律行為をする、こんなふうにもなっております。
 今回の法律案は、本人の自己決定権の尊重を基本理念の一つとして掲げており、本人の意思を尊重しながら成年後見制度の利用を促進していくことを大きな目的としていると我々は考えているところでありますし、また、今後この法案が成立されれば、その委員の御指摘のようなことも含めて広く検討していき、制度を改善していく方向に進んでいくものと我々は考えております。
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