山下芳生の発言 (内閣委員会)

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○山下芳生君 子供の健康や安全、発達の保障に直接影響を与える事項については国が最低限の基準を定めるべきものであるとの考えからそうしたというんですが、これは当然だと思いますね。
 保育所の最低基準というのは、少しちょっと歴史を振り返ることになりますけれども、昭和二十三年、一九四八年、児童福祉施設最低基準として定められました。これは当時、アメリカのワシントン州の基準を参考にして、日本社会事業協会、今の全国社会福祉協議会が厚生省から委託を受けて策定したものですが、ただ、そのときアメリカのワシントン州はかなり基準が高かったので、社会福祉協議会の前身の基準にはなかなか日本の、戦後直後ですから、基準を定めるのは少し無理があるという議論があったんでしょう、戦後の社会状況を踏まえて大幅に引き下げて決められたものであります。約七十年近く前ですね。
 したがって、当時の厚生省児童局企画課長だった松崎芳伸さんも自書の中で次のように述べておられます。最低基準というのは読んで字のごとく、これより下がってはいけないぎりぎりの最低線ということであり、単に基準というのとは大いに異なる、それはいわゆる最低賃金という場合の最低に通じるものであり、これだけくれなければ生きていかれないという思想である、こう述べておられます。つまり、これ以下では真っ当な保育ができないという基準であって、制定当時からそれを上回る基準が期待されていたわけであります。
 資料の二枚目に、児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の抜粋を付けておりますが、この第一条三項に、「厚生労働大臣は、設備運営基準を常に向上させるように努めるものとする。」ということがあります。私は、これこそ児童福祉法の精神だと思います。
 取りあえず、戦後直後、この低い水準からスタートせざるを得なかったけれども、これで満足してはならない、常に向上させるように努める、これは厚生労働大臣に課せられたわけですね。これはもう当初からこの文言は変わっておりません。これは私は、子どもの権利条約、子供に最善の環境をという精神にも合致するものだと思っております。
 しかし、残念ながら、この国の最低基準は七十年近くほとんど引き上げられていないのが実態でありまして、職員の配置基準は若干改善がありましたけれども、面積基準はこれまで一切改善がありません。したがって、各自治体の努力で上乗せが行われて、改善されない国の基準をカバーしてきたというのが実態だと思います。
 資料三枚目に、その結果、保育所の面積基準の国際比較、今どうなっているかということを載せておきました。これは全国社会福祉協議会が調査研究したものをまとめたものなんですが、保育所の面積基準の国際比較、調査した十四の国、地方の中で、例えばゼロ歳児あるいは一歳児、左側ですね、一人当たりの面積基準の比較をやりますと、日本のゼロ、一歳児のほふく室三・三平米、これは畳二畳分ですけれども、これは下から五、六番目ということになっております。トップのストックホルムの半分以下という広さにすぎません。
 それから右側、二歳児あるいは三歳以上児一人当たりの面積基準の国際比較を見ますと、日本の保育室、遊戯室の一・九八平米、畳一畳強ですけれども、これは十四か国、地域の中で文字どおり最下位になっております。トップのストックホルムの三分の一以下ということになっているわけであります。日本の最低基準は世界最低の基準に甘んじていると言わなければなりません。
 厚生労働省に伺いますが、私が述べたこの最低基準の歴史、それから児童福祉法の精神、向上させなければならない、そして今残念ながら国際的な到達、間違いありませんか。イエスかノーでお答えください。

発言情報

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発言者: 山下芳生

speaker_id: 9284

日付: 2016-05-26

院: 参議院

会議名: 内閣委員会