金尚均の発言 (法務委員会)
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○参考人(金尚均君) 定義のことですけれども、本法案に関しましてはとりわけ刑罰を問題にしているわけではございません。いわゆる差別禁止の理念法でありますから、その点、刑罰を予定とする規定とは異なって定義の問題も考えるべきであろうというふうに思います。
それに関しまして、まさに前例として大阪市の条例がございます。そこでは、いわゆる行為者の目的並びに行為態様、そしてどういった場で行われたか、この三つの要件を明確に絞る必要があるというふうなことであります。それに関しましては、このヘイトスピーチ規制については、とりわけEU諸国で、EU加盟国全国がヘイトスピーチ規制を持っているということであります。そういったようないわゆる諸国の比較というものが非常に大事になってくるかと思います。
例えば、その定義ですけれども、国連の自由権規約の二十条二項がまず先例になるかと思います。そして、二つ目としましては、欧州閣僚会議、これ一九八七年にございましたけれども、そこでの勧告においてヘイトスピーチの定義が出され、そして、それについてはアン・ウェーバーさんという方が著者となりましてヘイトスピーチのマニュアルというものが作られております。これについては英語などでも読めます。インターネットでも読めますので、それが参考になるだろうというふうに思います。
そして、最近では、人種差別撤廃委員会から一般的勧告三十五が出ておりまして、そこでより明確にヘイトスピーチの定義があるというふうなことですので、まさにそれは諸国の比較、法を通じて日本の差別禁止についても十分に生かせるかというふうに考えております。その点では、いわゆる差別の定義ないしはヘイトスピーチの定義については各国それぞれ経験を踏まえた所見が出されるだろうというふうに思います。
なお、アメリカでは、ヘイトスピーチ規制はないというふうなことがこの間議論されておりますけれども、例えばニューヨーク州刑法典などでは加重的ハラスメント罪という形で、いわゆる人種ないしは民族を根拠とした、ないしは理由としたハラスメントといったものが処罰の対象となっておりますので、あながちないというふうなことは言えないというふうなことです。
以上です。