宇都隆史の発言 (本会議)

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○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。
 自由民主党、公明党を代表いたしまして、平成二十七年度補正予算二案に対しまして、賛成の立場から討論いたします。
 第二次安倍政権が誕生してから三年が経過いたしました。安倍政権がデフレ脱却・経済再生を目標に掲げ、アベノミクスを推し進めた結果、企業の収益は過去最高の水準、有効求人倍率は二十三年ぶりの高水準となる等、多くの経済指標で確かな改善の傾向を見ることができます。アベノミクスの成果により、我が国は、もはやデフレではないという状況にまで経済を取り戻すことができました。
 しかしながら、現状においては、地方や中小企業を中心に景気回復の実感はまだかすかで、個人消費や企業の設備投資の伸び悩みなど、完全にデフレから脱却したと言い切れない状況であるのも事実です。経済再生の妨げには、少子高齢化の進行による人口減少という我が国が抱える構造的な課題があります。このまま人口減少が続き、国内の労働力や国内需要が縮小していくのを放置すれば、日本経済及び日本の国家財政は成り立たず、それが社会保障も含めた各種政策の将来に対する不安へとつながっています。アベノミクスによる成長の果実が得られつつある今こそ、更なる追加政策を行い、確実なデフレ脱却を実現させなければなりません。
 そこで、昨年、安倍総理は一億総活躍社会を打ち出し、その実現のためにアベノミクスの第二ステージとなる新三本の矢を放ちました。第一の矢である強い経済では、名目GDP六百兆円達成を目標に掲げ、その実現に向けた取組から得られる果実を第二、第三の矢の目標である希望出生率一・八、介護離職ゼロ実現のために分配し、子育てや介護の基盤を強化します。子育てや介護に対する不安が解消され、将来に対する見通しが明るくなれば、消費や投資が促され、経済の好循環が一層強化されます。このように成長と分配の好循環を強化し、持続させることによって確実なデフレ脱却を実現することができるのです。
 また、昨年十月にTPPが大筋合意されました。政府が、TPPを我が国の経済再生を進める上での有効なカードとすべく、国会決議を重く受け止め、国民生活と国益を守り抜くための粘り強い交渉を乗り切ったことを高く評価いたします。TPPが最終締結されれば、我が国の八倍の人口、六倍のGDP規模を有する世界最大の市場を手にすることにより、国内の経済、産業を活性化させ、GDPを押し上げる効果が期待できます。アベノミクスの成果が現れ始めた今こそ、TPPを最大限に活用した経済の押し上げを早期に現実のものとし、アベノミクスによる経済再生の実体を国民の実感につなげていくようにしていかなければなりません。実体を実感につなげるのです。
 一方、TPPは日本経済が飛躍するための大きなチャンスでありますが、他国にとってもそれは同様で、厳しい競争にさらされる業種、特に農林漁業者の方々には大きな不安があるのも事実です。しかし、販路や輸出を拡大し、各種業界が主導する体質強化、攻めの農林水産業へと転換を図ることは、日本の山野、里山、海を守る上でも非常に重要なことです。攻めるべきところは攻め、守るべきところは守る、農林漁業者やこれからの担い手が将来に夢を持って経営に取り組めるような措置を講じていかなければなりません。
 本補正予算案は、一億総活躍社会を推し進め、TPPを活用し、日本が大きく飛躍するための第一歩であります。この第一歩を力強く踏み出すため、一日も早い成立が求められます。
 以下、本補正予算に賛成する主な理由を三点申し述べてまいります。
 第一に、一億総活躍社会の実現に向けて、緊急に実施すべき対策に的確に対応している点であります。
 国民一人一人が活躍できる社会づくりを進める上で、結婚、出産への希望が実現しにくい環境や介護と仕事が両立しにくい環境を改善することは喫緊の課題です。本補正予算案では、地域における結婚に向けた活動の支援や保育所等の整備、保育士の確保など、結婚、子育ての対象となる若者世代の支援のための経費を計上するとともに、介護基盤整備の加速化、介護人材の育成確保をするなど、介護と仕事を両立するための、お年寄りや介護従事者の支援のための経費が計上されており、希望出生率一・八と介護離職ゼロの実現に直結する対策がなされております。
 また、本補正予算案には、アベノミクスの成果の再配分の観点から、景気回復による賃金引上げ等の恩恵が及びにくい低所得高齢者世帯に支援を行うために、年金生活者等支援臨時福祉給付金が計上されております。昨年の春闘での賃金引上げ率は一九九八年以来十七年ぶりの高い水準でありました。安倍政権発足後の最低賃金の引上げ率も春闘の賃上げ率とともに上昇傾向にあります。
 その他、中小企業・小規模事業者への投資促進、生産性を高めるための経費、地方創生の本格展開のための経費が計上されており、我が国の経済の根幹を支える中小企業の強化は地方創生に直接寄与するものであり、大いに評価いたします。
 賛成する第二の理由は、TPP関連政策大綱実現に向けた施策、特に攻めの農林水産業への体質強化対策に予算が計上されている点であります。
 攻めの農林水産業への体質転換を図るためには、その足腰を強化する必要があります。農林水産業には高齢化や担い手不足等様々な問題があり、一刻も早く対策を打たなければなりません。政府は、農林水産・食品の輸出目標額一兆円を前倒しして実現することを目標に掲げ、我が国農林水産物の一層の輸出拡大、六次産業化、地産地消による地域の収益力強化等により、攻めの農林水産業を推進しております。
 本補正予算案では、今後の農業界を牽引していく優れた経営感覚を持った担い手を支援、育成し、人材力の強化を進め、力強く持続可能な農業構造の実現に必要な経費を計上しております。また、畜産、酪農の収益力強化のための経費、林業、漁業の体質強化のための経費等が計上されております。魅力ある農林水産業をつくり出していくことは、農林水産業の抱える諸課題の解決にもつながってまいります。
 賛成する第三の理由は、災害復旧、防災・減災、東日本大震災からの復興加速化のための的確な経費が計上されている点であります。
 昨年九月の関東・東北豪雨は各地に大きな被害をもたらしました。特に、鬼怒川の氾濫によって茨城県常総市では大きな被害を受けており、一日も早い復旧復興が望まれます。また、東日本大震災から間もなく五年が経過いたします。本年三月で集中復興期間も終了いたします。いまだに多くの避難を続けられており、復興を一層加速させなければなりません。国民の安心、安全は政府が取り組むべき最優先事項であり、速やかな成立が望まれます。
 以上、賛成する主な理由を三点述べてまいりましたが、付け加えて、本補正予算案の財源は税収増、前年度剰余金で確保されており、平成二十七年度のプライマリーバランス赤字半減目標は堅持されていることも評価いたします。
 最後に、本年平成二十八年のえとはさる年です。「申」という漢字は、果実が成熟していく状態を表しているといいます。その果実を一億総活躍社会へとつなげるため、今回の予算は時宜を得た内容となっております。
 多くの皆様からの御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 宇都隆史

speaker_id: 26022

日付: 2016-01-20

院: 参議院

会議名: 本会議