鈴木宣弘の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)
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○鈴木参考人 この点につきましては、具体的な資料がきょうの私の配付資料の十一ページにございますので、これで少し確認させていただきたいと思います。
まず、表の二と書いてあるところでございますが、日本の販売農家の農業所得に占める補助金の割合は、二〇〇六年段階で一五・六%、非常に少なかった。確かに最近は、米価の下落等で所得が減ってきているものですから、三八%ぐらいまで増加しております。
しかしながら、表の一で見ていただきますと、アメリカがやはり三五%程度と日本と同程度ですが、ヨーロッパ各国、スイスはほぼ一〇〇%、フランス、ドイツ、イギリスも九割前後の所得が補助金で賄われている。こんなのが産業かと言われるかもしれませんが、命を守り、環境を守り、国土、国境を守っている産業を国民が支えるのは、欧米では当たり前なんですよね。むしろ、それが当たり前でないのが日本だと考えた方がいい。
表の三のフランスを見ていただくと、品目別にありますが、ここでは、日本ではほとんど所得に補助金が出ていないと思われるような野菜とか果物でも、三割、五割もの所得に対する補助金率となっております。これが世界の実態だということ。
そして、アメリカは、ヨーロッパに比べれば補助金の割合は少ないようにも見えますけれども、表の四、主要国の農業生産額と予算額の割合、アメリカの場合は、農業生産額に対する農業予算の割合が七五%に達しております。これも、ほかの国と比べて日本が一番低いわけです。
こういうことを考えますと、日本の農業が過保護であるという議論は、世界的に、相対的に見れば全く間違っている。このような前提をもとにして、農業が過保護であるからこれを競争にさらせば輸出産業になって強くなるんだという議論をしてしまえば、最後のとりでまで失って、本当に潰れてしまいますよということになるんじゃないか。
こういうふうな、世論がこういうことについて全く逆の方向に誘導されているということが大変な問題だと思います。