初鹿明博の発言 (厚生労働委員会)

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○初鹿委員 いや、私は違うと思いますよ。
 一般世帯は、というか所得のある程度ある人は、消費が少なくてもストックができるわけじゃないですか、貯金ができるわけですよ。それで、いざというときがあったらそれを使えるわけですよ。生活保護世帯は、この十八・四万円の中で、全て使っているわけじゃないですよ、これは支給額なわけですから。
 本来だったら、では、生活保護世帯が支給額のうちどれだけ毎月消費しているのかという調査をして、それと比較をしてくださいよ。生活保護世帯だって、万が一のときに備えて、この少ない金額の中でも切り詰めて、貯金をしたり、子供の教育のために残しておいたりしているわけですよ。そういう実態もあるのに、そういうことを飛ばして比較をするのは非常に不適切だと思います。
 もう一枚めくってください。
 今度は「生活保護の基準と消費実態」ということで、母子家庭の世帯、一人親世帯が、一般の世帯との比較ということで書かれているんですが、この上の「論点」というところ、二番目、「母子加算がかつて廃止された同時期に、学習支援費等が創設され、子どもの学習経費等に係る支援が行われているが、平成二十一年度に、母子加算は復活されている。」という書きぶりから見ても、母子加算をもう一回なくしていこうというような意図が非常に見えてくるんですね。
 これで、三番目のところは何と結論を出しているかといったら、「これだけの水準の金額が毎月保障されていることで、就労に向かうインセンティブが削がれている可能性がある。」何を根拠にこんなことを言っているんですか。実際に聞いたんですか。
 それで、このグラフですよ。「母子世帯の就労率」、全体は八五%だけれども、生活保護世帯だと四七%という数字を出している。
 これは確かにそうだと思いますよ。でも、生活保護に陥っている母子世帯が就労をしたくてもなかなか就労できない、そういう理由もある。そのことを全く考慮しないで、この資料を出して、「改革の方向性」というところで書いてあるとおり、「生活保護基準の見直しに向け、その在り方・水準について、検証を行うべき。」という結論を出しているのは非常に不適切だと思います。
 ちょっと一枚めくっていただきたいと思います。そして、一番後ろにクリップでとめているこちらの方がわかりやすいと思いますが、見てください。
 多分、これは厚労省が二〇一〇年に出した試算というか調査の結果なんですけれども、まず、仮設一、被保護母子世帯は一般世帯よりも就労阻害要因のために働きたいけれども働けない層が多いのではないか、そういう仮説に基づいて調査をしたところ、生活保護世帯の母親で健康状態がよくない、余りよくないというのが約七割いる。そして、その下、精神疾患を疑われる心の状態にある者が四割、一般世帯の倍ぐらいになっているわけですよ。
 次の二、被保護母子世帯は、一般母子世帯よりも、就労しても悪条件が多く、十分な収入を得にくいのではないかというところ。ここは非常に注目すべきですけれども、就業中の被保護母子世帯の母親は正規雇用がわずか一%、一般母子世帯は約三割。その下、就業中の被保護母子世帯の母親は非正規雇用が約九割、一般母子世帯は約五割。こういう実態があるんですよ。
 それなのに、このグラフでの比較、あたかも生活保護をもらっている母子家庭は優遇をされていて、働くことをしていない、甘やかされている、そういうことを示唆するような資料を出して生活保護の制度をこれから見直していこうというのは、私は非常に不適切だと思います。いかがですか。

発言情報

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発言者: 初鹿明博

speaker_id: 16301

日付: 2016-11-02

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会