木内孝胤の発言 (財務金融委員会)
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○木内(孝)委員 具体的な株主還元等々一定の成果が出ていることは評価した上で、一点、ちょっと個別の案件についてお伺いをしたいと思います。
当然のことながら、個別の案件につきましては、いろいろ情報開示の面あるいはコメントしづらい面があることは重々承知をしておりますが、個別の案件についてお伺いをしたいと思います。
呉服屋のさが美という会社がございまして、九月に、あるファンドがこの会社に対して株式公開買い付けをいたしました。五十六円という株価で公開買い付けをした。その一方で、別のファンドが、五十六円に対して、何回か価格を変えながら九十円という形で具体的な提案をいたしました。
一方で、本来であればそのさが美という会社は善管注意義務を負っていて、きちんとその提案について向き合わなければならない。しかしながら、きちっとした説明責任を果たさずに、結局、こうした提案に向き合っていない。
これは比較的小さな案件でもございますし、国内の報道を見ていても余りニュースにはなっていなかったんですが、例えば十月七日のフィナンシャル・タイムズにも記事になっておりまして、日本の市場は非常に不透明ではないかというようなことが記事となっております。
せっかくコーポレートガバナンス改革ということでさまざまな取り組み、先ほど申し上げたとおり、私は一定程度評価はしているんですが、ちょっと残念な案件だなというふうに感じているところであります。
金融庁さんにその案件の途上でいろいろヒアリングをしたところ、当然のことながら、個別の案件に金融庁さんがその時点でいろいろ指導監督することはなかなか難しいということは理解をいたしました。一方で、東証にもヒアリングをかけて、こういう案件はどうなっているんだということを申し上げましたら、TOBがかかっている案件については、現時点でどうもしようがないと。
結論から言うと、非常に違和感のある取引が起こっている中でも、なかなか具体的な指導監督ができないような状況に置かれている、ある会社が五十六円と言っているものを別の会社が九十円で買いたいと言っているのであれば、普通であれば、誰がどう見ても九十円の方に売るのが至極当たり前。昨今、例えばハゲタカと言われるようなファンドとかであれば、いきなり九十円で買っても、重要な資産を売却してしまったりというようなこともあったりで、中長期的に見たら五十六円の方が企業価値を高める可能性があるという判断もあろうかと思いますけれども、必ずしもハゲタカファンドではないファンドからの提案に対して、きちっとしたマーケットへの説明等々がなかったというふうに私は認識をしております。
なかなか個別の案件に対して説明がしづらいということは承知の上で、この案件についてそもそも内容をきちっと把握をしているのか。今後こういうイレギュラーな取引があった場合、どのような形で指導監督ができる体制となっているのか。今回みたいに、パーツパーツでは金融庁さんの対応としてはそんなに間違っていないと思いますし、東証さんの現在の対応としては間違っていない。ただ、すぽんと何の対応もされていない、市場にも何らメッセージが発信できていないという状況は、海外から見たら、日本の株式市場に対する信頼性を大きく損ねているんだと思います。
この異例な形の状況についての、その指導監督体制についてお伺いをいたします。