山尾志桜里の発言 (法務委員会)

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○山尾委員 おはようございます。民進党の山尾志桜里です。
 きょうも、保証の話そして約款の話と、論点を一つずつ整理していきたいというふうに思うのですけれども、その前に、ちょうど皆様のお手元に、きのうの朝日新聞ですけれども、これを見ていただきたいんです。私は、きのうこの記事を見て、改正案の中の債権の準占有者に対する弁済、こういう論点を、自分自身、やはり改めて皆さんにちょっと提示をしておきたいなというふうに思いまして、冒頭にこの議論をさせていただきたいというふうに思います。
 本当に、振り込め詐欺とかオレオレ詐欺とか、まさに時代の変化に沿って出てきた新しい類型の犯罪なわけですけれども、このきのうの記事、これはなかなか驚くべき事件でありまして、五月十五日のたった三時間弱のうちに東京、愛知、大阪、福岡など十七都府県で偽造カードによって計十八億六千万円が不正に払い戻された。一万八千回以上、この三時間のうちに、それはかなり多数の出し子を使って、この記事によると、複数の暴力団が横につながって一気にこういう犯罪が行われた、こういうことであります。
 こういった事件において、外形的な債権者、真の債権者ではない外形的な見かけの債権者に対する弁済の有効無効をいかに考えるかということを、やはり改めてこの法務委員会で問題にしたいというふうに思うんです。
 現行法四百七十八条では、債権の準占有者、見かけの債権者ですね、に対する弁済は、弁済者が善意無過失の場合に有効、こういう条文になっています。
 今回の改正案を見てみると、債権の準占有者という表現がわかりにくいので、ここの部分はわかりやすくしてあるんですね、「受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するもの」と。今回の法の趣旨、できるだけわかりやすい表現に改めるということで、これは一つの考え方で、いいと思うんです。
 ただ、中身、要件なんですね。本来は、見かけの債権者ですから、その弁済は無効というのが原則ですけれども、しかし、例外的にそれを有効とする場合、どういう場合にそれが例外的に認められるのか。現行の善意無過失要件、弁済をしてしまった側、ありていに言えば銀行、金融機関が善意、それを知らずに、そして知らないことに過失がなかったとき、善意無過失要件、このときは例外的に弁済が有効なんだ、これは今回の法改正でそのまま維持されております。
 そこでお伺いをしたいんですけれども、法制審中間試案では、この要件も変えましょう、こういう議論が随分活発に行われていたはずです。具体的には、善意無過失という銀行側の主観面だけではなくて、そう信じたことについて正当な理由があるかどうか、あるいは、やはり例外的に金融機関を保護することについて正当な理由があるかどうか、こういうふうに、考慮事項をもうちょっと深く総合的に検討できるようにするべきではないか、正当な理由、こういう要件にしてはどうだろう、こういう議論があったはずです。
 つまり、ともすれば、真の債権者、預金者よりも、銀行側が、金融機関側が保護され過ぎている傾向があるのではないか、こういう問題意識から、保護される要件についても、善意無過失から正当な理由というふうに、深く検討できるような改正が提示されていたはずです。
 ただ、今回の改正案を見ると、結局、善意無過失要件に戻ってしまっていますよね。なぜそういうふうになってしまったんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 山尾志桜里

speaker_id: 12435

日付: 2016-12-09

院: 衆議院

会議名: 法務委員会