山尾志桜里の発言 (法務委員会)
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○山尾委員 今言っていただいた判例、平成十五年四月八日の最高裁判例だというふうに思います。無権限者が他人の預金通帳を利用してATMから預金の払い戻しを受けたケースにおいて、最高裁は、今局長がおっしゃったとおり、この払い戻しちゃった銀行が無過失であるというためには、「機械払システムの設置管理の全体について、可能な限度で無権限者による払戻しを排除し得るよう注意義務を尽くしていたことを要する」、より具体的には、「通帳機械払の方法により払戻しが受けられる旨を預金規定等に規定して預金者に明示することを要する」、こういう判例が出たわけです。
つまり、弁済したときの銀行側の主観面だけではなくて、間違った相手に支払ってしまうことのないように事前のシステム設置管理自体の過失の有無をも総合的に考慮すべきだ、こういう判例の御紹介でありました。
それで、今、にもかかわらず、なぜ今回改正にならなかったのかということについて、現に判例も、あるいは実務も、主観面以外も考慮して運用されているからいいのだという趣旨の御発言だったと思うんですけれども、今回の改正の趣旨というのは、条文からでは読み取れない判例実務を可能な場合にはわかりやすく条文化しよう、こういう趣旨であることからすると、もう判例実務で実際はそういうふうにやっているからいいのだということではなくて、もしそれがある程度正当な運用だという評価をされているのであれば、それこそまさに条文の中に取り入れていこう、これが今回の法の趣旨ではないんでしょうか。
だとすると、まさに判例実務がそういうふうに今もう動いているということは、では、条文の中にそれを組み入れていく側のむしろ理由になるのではないでしょうか。