小川秀樹の発言 (法務委員会)
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○小川政府参考人 現行法の九十五条は、錯誤による意思表示につきましては無効としております。この無効という効果の一般的な理解によれば、まず無効は誰でも主張することができるということ、それから無効を主張することができる期間には制限はないというのが、二つ挙げられようかと思います。もっとも、錯誤による意思表示の効力を否定するのは意思表示をしました表意者を保護するためでありますので、相手方やそれ以外の第三者が意思表示の無効を主張することを認める必要はないと考えられます。そこで、判例も、取り消しと同様に、原則として意思表示をした者のみが錯誤により意思表示の効力を否定することができるとしております。
また、他人の欺罔行為に基づいて誤解を生じたという、いわゆる詐欺の場合を考えますと、意思表示は無効でなく取り消しとされておりますため、その効力を否定することができる期間は五年間に制限されるにもかかわらず、他人の欺罔行為によることなくみずから誤解をするに至った錯誤の場合にはそのような期間制限がないということになりまして、そのままでは、落ち度のある表意者をより保護する結果となっておって、バランスを欠いていると考えられます。
そこで、改正法案におきましては、以上のような点を考慮いたしまして、錯誤による意思表示は、無効ではなく、取り消すことができるものとしております。