木内孝胤の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○木内孝胤君 民進党・無所属クラブの木内孝胤です。
私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)
二年前、安倍総理は、増税を再び延期することはない、ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします、平成二十九年四月の引き上げについては、景気判断条項をつけることなく確実に実施いたします、三年間、三本の矢をさらに前に進めることにより必ずやその経済状況をつくり出すことができるとまで言い切り、誰も反対していなかった消費税延期を争点だと言って、強引に衆議院を解散しました。
さて、あれから二年、あれだけの大見えを切りながら、消費税増税の延期を余儀なくされたということは、端的に言えば、アベノミクスがうまく機能しなかったということではないでしょうか。私は、アベノミクスは失敗だとか成功だとか、事を単純化して思考停止にならないように論じたいと思います。
安倍政権成立後の異次元の金融緩和と機動的な財政は、一定の効果を上げ、企業収益の改善、有効求人倍率や失業率の改善という成果に結びついたと率直に評価をしています。
評価をするべきところは評価をした上で、失策をきちんと指摘したいと思います。
デフレ脱却が道半ばの中で消費税を二年半前に引き上げたことは、アクセルを踏み続けるべきときにブレーキを踏んだ失敗と言えます。そして、個人消費への悪影響は一過性という甘い見通しで十分な逆進性対策を講じなかったこと、産業の新陳代謝を促し潜在成長率が高まるような政策、規制改革のおくれなど、成長戦略の成果がなかったことが評価をしていない部分です。
企業収益の改善も喜ぶべきことですが、内部留保が九十兆円積み上がるだけで、経済の好循環ともいうべき実質賃金の上昇や設備投資に回っていないのが実態です。したがって、結果だけを素直に見ると、アベノミクスは家計から大企業へ資産を移転させただけと総括できます。
安倍総理や関係大臣がいい数字だけに目を向けて経済は好循環だと説明するのとは裏腹に、国民が景気を実感できないでいる理由は簡単です。個人消費と実質賃金が低迷しているからです。この現実を直視しないで、増税の延期理由を世界経済のリスクのためにと一言で片づけていることが誤った政策につながっていると思いますが、麻生財務大臣の御見解を伺います。
アベノミクスの一番の課題は、個人消費が弱いということは明らかです。家計を温めるという最大の課題に取り組むべきときに、安倍政権は、厚生年金を年間十四万円カットする法案により、個人消費をさらに冷え込ませようとしています。
年金カット法案の年金減少額の試算を依頼すると、前提条件を変えての回答がありました。同じ前提条件での情報開示をお願いすると同時に、情報公開が不十分なことが不安をあおっています。
介護報酬のカットもそうです。介護離職者ゼロという政策を高々と掲げながら、介護報酬のカットの政策を進めています。これまた家計と個人消費を軽視した政策と断じざるを得ません。
塩崎厚生労働大臣に、年金カットの試算、個人消費への影響の御答弁を求めます。
安倍政権は、二〇一五年度五百一兆円の名目GDPを、二〇二〇年には六百兆円と目標を掲げています。年率三・七%成長というのはどのように実現するつもりなのですか。個人消費六十兆円の押し上げの具体策を教えてください。
財政再建の数値目標について伺います。
二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化の目標も荒唐無稽だと思います。
伊勢志摩サミットで消費税増税延期を宣言した際、安倍総理は、財政再建に関して、長期債務残高対名目GDP比を安定的に推移させると説明しました。
この際、デフレ脱却に向けたコミットメントを強く見せるためにも、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化という目標を撤回し、長期債務残高対名目GDP比に変える方が、期待成長率を押し上げ、個人消費や設備投資の拡大につながるのではないでしょうか。石原経済財政担当大臣の御答弁をお願いいたします。
アベノミクスの頼みの株価について伺います。
外国人投資家が日本株の売り越しを続けて、株価下落につながっています。資本市場は、財政投融資の復活、官民ファンドへの回帰など官僚統制型の計画経済に後戻りしていることや規制改革のおくれに失望しています。
コーポレートガバナンスの強化というかけ声はよかったのですが、電機メーカーの不正会計への甘い対応、先日も、呉服メーカーをめぐって善管注意義務、コーポレートガバナンスコード違反が疑われるような取引が進められています。
現政権は、民間活力を阻害する方向に後戻りしています。潜在成長率〇・三%という数字がそれを物語っています。潜在成長率〇・三%という現実、資本市場の動向について、石原経済再生担当大臣の御答弁をお願いいたします。
公正な経済という観点から質問いたします。
稲田防衛大臣の二百六十枚の白紙の領収書を、高市総務大臣は問題ないと答弁しました。高市総務大臣はこの答弁を撤回していただけませんか。
今後は、飲食店で白紙領収書に勝手に金額を書き込むことでも税務上の経費として処理して差し支えないのか、麻生財務大臣に伺います。
景気判断条項を今回も設けない理由は何ですか。世界経済はリスクを増していると説明しているのに、三年後に消費税を確実に上げられる状況をつくり出すとまた大見えを切るのか、財務大臣及び経済財政担当大臣に伺います。
次に、消費税の逆進性対策について伺います。
多くの有識者から、軽減税率は高所得者優遇である、対象品目の線引きが難しく、利権発生の温床になりかねない、中小企業、小規模事業者に大きな負担を与えるなど、逆進性対策にはふさわしくないとの指摘がなされています。有効な逆進性対策は最低生活費に係る消費税を払い戻す給付つき税額控除であるということも、多くの有識者が指摘するところです。逆進性対策を軽視すると、個人消費の低迷という同じ失策につながります。
政府は、給付つき税額控除について、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感につながらないという問題、所得や資産の把握が難しいといった問題等があると批判しています。
消費税そのものの負担が直接軽減されるものではないという点では、現行の簡素な給付措置も同じですが、痛税感の緩和につながっていないと考えているのですか。
所得の把握については、マイナンバー制度が導入され、正確性が高まりつつあると考えますが、不十分と考えているのですか。所得税減税に当たり、資産の把握まで行ったことはないし、行う必然性も考えがたいのですが、政府として今後、給付つき税額控除と同様の所得税減税を行う際には、資産の把握が必要であると考えているのですか。財務大臣に答弁を求めます。
小池百合子新都知事の登場で、豊洲移転、五輪関連施設の見直しで注目が集まっています。税金の使い方が余りにもずさんで、都民のみならず、国民も怒っています。
新国立競技場も大きな問題になりましたが、NHKの新社屋計画三千四百億円が目にとまり、その金額の根拠を問いただしたところ、いきなり千七百億円に見直されました。NHKのバランスシート上の五千億円を超える資金、経営努力や受信料の徴収率七六%の向上により、受信料を一〇%程度は十分に引き下げが可能だと思います。
高市総務大臣は昨年の予算委員会ではゼロ回答でしたが、籾井NHK会長に、苦しい家計を助けるために受信料を下げるように指示していただけないか、御答弁をお願いいたします。
日曜日に、米山隆一新潟県知事が誕生しました。新潟県民の民意をあらわした正々堂々の勝利と歓迎をしています。
少し関連して、原発事故にかかわる賠償支援と除染処理のために交付国債が発行されています。本来であれば、円高、原油安で電力料金の引き下げが可能ですが、円高、原油安のメリットは交付国債の償還原資に回されています。
賠償金と除染費用の総額、交付国債の残高、今後の残高の増加見通し、償還が完了する時期の見通しを麻生財務大臣に伺います。
民進党は、身を切る改革、行政改革の徹底は必須であると考えます。
二〇二〇年国勢調査に基づいた議員定数十削減はスタートにすぎず、さらなる削減が必要です。行革をさらに進めていくためには、行政事業レビューの法定化はもちろんのこと、公開プロセスにかける対象事業を拡大していく必要があると考えます。
また、特別会計改革として、外国為替特別会計、国債整理基金特別会計、労働保険特別会計などを財源とするお考えはありませんか。NTT、日本たばこの株式六兆円、これを財源にはできませんか。へそくり的なあらゆる国有資産を売却して、個人消費を押し上げるための財源に総動員させるお考えはありませんか。麻生財務大臣に伺います。
最後に、民進党は、野党第一党として、今後とも国民目線で安倍政権を厳しくチェックするとともに、建設的な提案を重ね、自民党にかわり政権を担い得る政党を目指すことを国民の皆様方にお約束し、私の質問とさせていただきます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕