西原正行の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)

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○公述人(西原正行君) 私、全十勝地区農民連盟の委員長をしております西原です。よろしくお願いいたします。
 私たちの組織は、十勝地区で約四千戸弱の農業者で組織されている組織でございます。農業の営む生産者自らの声を国に届けようということが発端で始まって、戦後すぐから始まっている組織でございます。今年で単組によりますと七十年の歴史があるところもございます。そのような組織でございます。
 私たち組織は、政府がTPP交渉への参加検討を表明しているその時点から断固反対の運動を展開させていただきました。今でもその立場は変わらず、その立場からの意見を述べさせていただきます。
 本題に入る前に、私の経営概況と十勝の農業について若干御説明をさせていただきたいと思います。
 私の農場は、十勝の本当に大雪山の麓の上士幌町というところで、最近ふるさと納税で有名になっている町なんですけれども、そこで畑作農業、野菜をメーンに作っております。祖父が上士幌の地に入植してから、そのときは五ヘクタールぐらいの面積から始まった。私の父が、今、法人化をしまして有限会社にして、昭和五十五年に法人化組織にしまして、その段階で、私が帰った段階で約三十ヘクタールの面積。現在、約六十ヘクタールの面積の農地で、小麦やジャガイモ、あとナガイモ、ゴボウ、ニンジンなどの野菜類も含めて九品目作付けし、販売先はJAが中心。大体パーセンテージでいうと、ちょっと数字詳しく把握はしていないんですけれども、約七五%。あと残りの二五%ほどを自ら販売をさせていただいております。取引先は日本全国津々浦々という形で、個別といっても個人までではないんですけれども、様々な全国各地に販売をさせていただいております。
 十勝の農業でありますけれども、農家戸数が五千八百四十三戸、耕地面積が二十三万五千二百六十八ヘクタールということで、一戸当たりに換算いたしますと約四十ヘクタールの面積で農業を展開しております。広大な農地を利用した農業を展開させていただいておりますけれども、昨年は気候に恵まれまして史上最高の売上げということで、大変喜びもつかの間、残念ながら今年は史上最悪の災害ということで、実はこの十勝の地というのは決して肥沃な土地ではないんです。私の父親が昔、林を刈って開墾したときの土壌分析の値があるんですけれども、窒素、リン酸、カリの値、当時は窒素の数字は出ていないんですけれども、リン酸の数値がゼロという数字が残っているんです。そのような土地なんです。まあそういう土地ばかりではないですけれども、そのような土地で何度も何度も冷湿害の災害にも遭遇しながら、そのような中で先人たちが築き上げたのがこの十勝の地だというふうに思っております。
 先ほど言いました今年の災害ですけれども、長雨、四度の台風によって考えられないような災害がございました。政府に至っては、国会議員の皆様に至りましては、迅速な対応、また激甚指定を早急にしていただいたということで、ほっと胸をなで下ろして、全てが元に戻るわけではないですけれども、一つの力になっているということを本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
 その中で、TPPに関してですけれども、これ、私たちは農家の末端でどんなことが話し合われているかという声を本当に皆さんに聞いていただきたいんですけれども、いろいろな方がいます。メンバーの中にあっても、輸出やっている方もいますし、様々な方がいるんです。ただ、その中にあって、大多数の方がやはり不安を覚えるんです。
 その中で、特にやっぱり重要五品目に関して、一番最初に、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること、また、十年を超える期間を掛けた段階的な関税撤廃を含め認めないとの決議がなされた。正直、その段階でちょっと胸をなで下ろした、いいな、何とかなるのかなというふうに思ったというのが実感でございます。ただ、やっぱり現実、全てが一〇〇%の回答ではなく、例えば小麦のマークアップの引下げ、砂糖の関税に関して、また例えば牛肉に関しても十六年掛けて九%に関税を下げるという、そのような事柄が出てまいりました。
 いろいろな説明会に行きますと、守りました、関税の一部撤廃であり、また関税削減という言葉で、関税撤廃ではなかったという言葉に置き換わっているとしか私たち取れなかったんです。現実にやっぱりそのような痛みを伴う事柄にもつながっているということを御理解いただきたいと思います。
 実は現実に、強い農家だけではなく、本当に、昨日、実は私、農産物を取りにちょっと違うある町村に走って行ったんですけれども、今年、ビート、砂糖の原料になる作物ですけれども、掘りたくても収穫できていない畑が山ほどあるんです。昨日、道路を走っていると、手で収穫をしているんです、いまだに。実はもうとっくに終わっていなくちゃいけないんですけれども、そのような畑は結構まだあるんです。なかなか思ったようにいかないというのが農業で、気象条件によってあっという間に今まで良かった事柄がなかなか思ったようにいかないというのが、現実の姿が農業なんです。そういう状況の中で、やっぱり少しでも不安を覚えるような事柄が出ると、ある年配の方は、まだあと五年あるけれど、いい機会だからもうやめてしまおうか、そういう声が出るのが当然なんです。
 是非、これいろんなところで言うんですけれども、この間ずっとテレビでやっていた大臣の言葉、国会議員の言葉というのはすごく影響力があるんです。たった一つの過ちの言葉で、そのぎりぎりで考えていた人たちがやっぱりやめてしまうということが現実的にはあるんですね。是非、言葉の重要性を認識していただいて発言をしていただきたいなというふうに思っております。
 TPP協定、もし発効した場合に、メリットを受ける方、デメリットを受ける方、本当にあると思いますけれども、是非そういうことも、メリットを受ける方は、それで頑張ろうとしている方はいいんですけれども、決してそういう方だけではないということを御理解いただきたい。余りにも不謹慎な言葉と自分で言っていましたから、そういう言葉はやっぱり慎むべきだというふうに思っております。そういう事柄一つ一つが農家のやる気をどんどんそいでいってしまうということにもなりかねないということを御理解いただきたい。
 また、私、こういう場ですので、この間、テレビ、委員会を見ていると、小川先生も質問されていたんですけれども、開国して農業を変えなくちゃいけないという言葉がよくあるんです。強い農業にしなくちゃいけない、私、大賛成なんですよ。今、小砂さんからも海外に打って出る話も出ていました。私、すごくやる気を覚えるんですよ。
 実は私、先ほど説明したように、自分で農産物売ったりしたくて、若いときからいろいろチャレンジしたんです。実は一時期、売上げの四〇%ぐらいまで自分で売ってやっていったんですよ。今現実どうなっているかというと、自分で売っている、数字的に言うと、大体二五%ぐらいまで落としたんです。なぜかというと、私、家族で経営して、一人雇っていますけれども、その中でやっているとどうしても負担が大きくなり過ぎて、一個人ではなかなかやり切れなかったというのが正直なところなんです。
 そういう中で、じゃ、どうしていくのかと。その分、自分で売れなくなった分は、実は農協さんと相談して、一緒になって物を販売することにしたんですよ。今も、実はうちの農協、野菜いろいろやっているんですけれども、私がきっかけで、自分がちょっとやりたくてやっていた事柄がたまたま、前に、何ですか、毒ギョーザ事件というのがあったじゃないですか、あのときにゴボウを買い付けに全国飛び回っていた業者さんがいて、たまたま私のところに来たんですよ。それがきっかけでうちの農協がゴボウに進出、その後、またある縁でナガイモにも手を染めて、今どんどん増えていっている状況です。そのように私たち農家も農協と手を組みながら行っております。
 実は、今回、農協に関しての事柄について、特に金融関係について出ましたけれども、特に北海道の地においては組勘制度が主流でございます。実は、その出た後に、私の知っている酪農家、畑作、津々浦々いろいろ電話してみていたんですよ。いっぱい聞こうと思ったんですけれども、全然進まなかったんです。なぜかというと、みんな何でこういうことになるんだという声がすごく多くて、まあ簡単にどうだいって聞こうと思っていたのが、実はもう一人十分、二十分、ある人は三十分以上語られたと。それだけ何でこういう発言が出るのか私たちには分からない。大臣の発言の中で畜産農家の例が出ておりましたけれども、畜産農家の人に聞いたんですけれども、何でそういうことになるんだ、私たちはもうそれをちゃんと全てを理解した上で利用しているんだ、それが前提がなくなってしまうとまた一から組み直しかって、そんなことにはならないって。西原、おまえ、是非こういう場で言ってこいと何人もに言われたんです。
 農協の取組、またいろいろな農業の発展が決して反発することにはならないということを御理解いただきたい。それを理解しないと、特にこの北海道のような農協の取扱高、十勝のように集約率が高いところは今回の改革で割を食ってしまうというのが現実です。是非そのことを御理解いただきたいと思います。
 指定団体制度についてもそうです。決して地理的に有利なところにいる強い農家だけではないということ。北海道の酪農家の五〇%は、五百トン以下で酪農をやっている方です。そういう方々が、一人一人がいろいろなところに独立してやっていくというのはなかなか現実的に難しいこともありますので、是非そういうことも御理解いただきたいというふうに思っております。
 これで終わらさせていただきます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 西原正行

speaker_id: 24823

日付: 2016-11-21

院: 参議院

会議名: 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会