二之湯武史の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)

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○二之湯武史君 全く私もそのとおりだと思っております。今の総理の答弁には、自由貿易そのものの重要性とともに、分配であり、また各国の経済政策によってそれをしっかりと配分していくことが重要だというお話だったというふうに思います。
 私もやはり、TPPのような自由貿易体制で得られた利益をどのように国民に分配をしていくのか、これは当然、政府の部門による再分配も重要でありますし、一方で、この資本主義というフィルターを通して国民に還元をしていく、言わば日本型資本主義という経済の国柄のような視点が非常に重要だというふうに思っております。
 では、今日の我が国の資本主義においてどのような傾向があるのか。まず、一枚目のパネルをお願いします。(資料提示)
 このパネルを御覧いただきますと、上場企業の利益が過去最高を記録していると言われる中で、株主の分配は増加をしておりますし、一方で労働分配率は低下をしているということであります。企業の利益が投資や賃金になかなか向かっていかないという議論がよく聞かれますが、実は株主配当や自社株買いにはしっかりと向いているのです。
 総雇用者所得や実質賃金もようやくプラスになり、アベノミクス効果が発現をしているというのは事実でありますが、本年七月時点の世論調査においてもまだ効果が実感できないという回答が七割という状況であり、これは与党としても真摯に受け止めなければならないというふうに思っております。TPPによってグローバル企業を始めとした企業の収益力を強化すると当時に、その収益を国民にしっかりと分配をしていくということが重要だと思います。なぜなら、日本のGDPの六割は個人消費でありますし、その担い手は企業で働く社員の皆さんだからです。
 そこで、私が提案したいと思っているのが、公益資本主義という日本型の資本主義の在り方です。総理のおっしゃる瑞穂の国の資本主義と同じ意味だと、同じイメージだと私は勝手に思っているわけですが。
 次のパネルを御覧ください。
 公益資本主義は、株主のみならず、社員や取引先、また地域といった社中全体への分配、中長期的な投資、そしてたゆまぬ企業家精神、この三本柱から成る概念であります。
 政策の一例を御紹介をいたしたいと思います。次のパネルを御覧ください。
 例えば、キャピタルゲインの課税において、短期の取引の税率と中長期の取引の税率を、中長期を優遇していくことによってそういった中長期投資を促していく、保有期間が長くなると例えば配当金も高くなっていく、重要な議決案件については中長期の保有者にその議決権を限る、株主分配と社員の分配をリンクさせていく、こういうことです。まだまだ構想段階ではあるんですが、こういった国民をしっかり豊かにしていこうという政策体系であります。
 次のパネルを御覧ください。
 これは、ある自動車会社の種類株の概要であります。昨年発行された株でありますが、この株は五年間売却できないわけですが、元本が保証されています。そして、保有期間が長くなるにつれて配当が高くなるという仕組みになっております。こういった仕組みに共感をする中長期の投資家から、結果が出るまで時間の長い次世代のイノベーションの研究開発資金として五千億円を調達しているということでございます。まさに私はこういうものが日本型の資本主義だというふうに思います。これ、英米のマーケットではこういった資金調達はなかなか難しいんじゃないかなというふうに思うんです。
 TPPのような自由貿易体制から得たGDPの拡大を、こうした公益資本主義のような政策体系全体によって確実に実質賃金の上昇につなげていく、国民を豊かにしていく、そういった仕組みを私はしっかりとつくり上げていく必要があるというふうに思っておりますが、総理はいかがお考えでございましょうか。

発言情報

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発言者: 二之湯武史

speaker_id: 8992

日付: 2016-12-05

院: 参議院

会議名: 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会