天笠啓祐の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)

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○参考人(天笠啓祐君) 済みません、五つ、肥育ホルモン、ポストハーベスト農薬、ゲノム操作、ネオニコチノイド、遺伝子組換え。
 肥育ホルモン、今、一つ食品安全委員会の方にかかっておりますけれども、肥育ホルモンについては、一つは、アメリカでこの肥育ホルモンが登場したときに大きな問題になったのが、成長促進目的なものですから細胞分裂を活発にするということで、それで肥育を促進するということなんですけど、これが残留したりした場合に、私たちの体に入ったときに一番刺激してしまうのががん細胞であるということで、がんの促進作用があるんじゃないかということでアメリカで大きな議論が巻き起こりました。それもあってヨーロッパでは予防原則に基づいて輸入停止、アメリカからの輸入停止ということになっておりまして、これがいまだに続いているということであります。そのほかにもいろいろありますけど、一応大きなポイントはそこになります。
 ポストハーベスト農薬の問題で一番大きな問題というのは、やっぱり果物の回りにいわゆる塗られているあの防カビ剤だと思うんですけれども、これが、日本ではやはり果物の回りに防カビ剤を塗ってはいけないわけですけれども、これ、アメリカから輸入する際には、どうしても長距離輸送でやってまいりますので、腐ったり虫が湧いたりかびたりするものですからこれが塗られているわけですね。
 それで、これ農薬であります。ですから、農薬でありますから、非常にいわゆる劇物だったり毒物だったりするわけですけれども、日本ではそれが認められないものですから、それでわざわざ食品添加物として承認しているわけですね。これがやはり大きな問題になっていまして、アメリカからずっと、食品添加物であるということと農薬であるということで二重の安全審査が求められたことに対して、これを一本化しろという圧力がずっと掛かってきた問題であります。これが今回のTPPの中で入ってきておりまして、一本化するという話になってきているわけですね。
 これは、やっぱり直接果物の回りに塗られるものですから、農薬が、非常に私たちの健康にとって直接影響が及びかねないものですから、これは非常に大きな問題だと思います。
 それから、ネオニコチノイド農薬の場合は、これは今、新たな毒性としまして、有機リン系農薬やネオニコチノイド系農薬に対して、いわゆる受容体毒性という考え方が出てまいりまして、今まで考えられなかったような毒性があるんじゃないかということがまず一つ指摘され始めております。これは欧米辺りでもやはりこの研究がかなり進んできておりますけれども、神経毒性が非常に強いものでありますから、それで非常に問題になってきておりますけれども。
 特に、このネオニコチノイドの大きな問題点というのは、いわゆる浸透性農薬と言われるものでして、これは根から吸わせる農薬ですね。根から吸わせて、それで植物全体に行き渡らせるという、そういう農薬なものですから、例えば、消費者の場合はやっぱり農薬を減らそうと思って一生懸命洗うわけですよね。洗うけれども、中に入った浸透性農薬ですから、中に入っていますから、これ洗っても、幾ら洗っても落ちないわけです。そういう問題がやっぱりこのネオニコチノイドの場合あります。
 それから、ゲノム操作、いわゆるゲノム編集技術とか遺伝子ドライブ技術というのが今非常に大きな注目を集めておりまして、今ちょうど開かれている生物多様性条約の締約国会議でもこの遺伝子ドライブ技術というのが大きなクローズアップされてきているんですけど。
 ゲノム操作というのは、遺伝子を、いわゆるDNAを切断する技術です。目的とした場所でDNAを切断して遺伝子の働きを止めてしまう、そういう技術なんですね。これは、従来の遺伝子組換えに比べまして非常に正確度が上がったということが一つのポイントになっているわけですけど、しかしながら、遺伝子を操作するということに関しては同じなんですね。そういう意味では、遺伝子組換え食品で指摘された問題点というのはそのまま同じだと思うんですね。
 ただ、これが例えばアメリカではもう既にゲノム編集技術で作られた菜種が栽培が始まっておりまして、もう食品として出回ろうとしております。ただ、アメリカではこれが、いわゆる安全審査の仕組みがないものですから、全くフリーパスで栽培が始まって、それで市場に出ようとしているという、そういう状況になっております。もし、私もTPPの問題でやっぱり一つの懸念の材料としてこのゲノム編集技術の問題を挙げているんですけれども、こういう新しい技術が出てきたときに、それに対応する仕組みが日本にもない。アメリカにもない、日本にもない、それをやはりきっちりさせなきゃいけないはずなのに、それに対する姿勢が各国とも弱い、そういう問題がやっぱり一つあります。
 遺伝子組換えの問題というのは、今三つの問題点というのがずっとあると思っていたんですけれども、一つはやっぱり安全性に非常に疑問がある。これは、例えば二〇〇九年に、アメリカ環境医学会というアメリカの環境と医学を取り扱っている学会があるんですけれども、そこが、それまで行われてきた遺伝子組換え食品の動物実験を分析したわけですね。その結果、三つの問題点が起きているということを指摘しております。
 一つは、免疫システムに影響が出ている。免疫力の低下、これは、免疫力が低下しますと病気になりやすくなったりとかアレルギーになりやすくなったりします。それから二つ目のポイントとしましては、子や孫の代、ひ孫の代で非常にいわゆるひ弱になって数の減少が起きているということ。それから三つ目としましては、肝臓と腎臓といった解毒臓器に障害が起きていると。
 こういう三つの点を指摘しまして、アメリカ環境医学会は提言を出しまして、アメリカでも遺伝子組換え食品の流通をやっぱりやめるべきじゃないかという提言を出したんですね。ただ、もし流通をそのまま続けるならば、せめて表示をして消費者に選択権を与えるべきであると。そういうことをやはり出しております。恐らくそれは世界で多くの人が共通の認識としてある問題だと思います。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 天笠啓祐

speaker_id: 29280

日付: 2016-12-06

院: 参議院

会議名: 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会