磯崎仁彦の発言 (憲法審査会)

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○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、国権の最高機関であって国の唯一の立法機関である国会として憲法にどう向き合うべきかという点について意見を述べさせていただきたいと思います。
 一点目は、憲法と法律について、二点目は、憲法改正の発議についてであります。
 まず、一点目の憲法と法律についてですが、憲法第九十八条において、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」と規定をされております。最高裁判所によって、これまでも何件もの法令違憲判決が出されております。古いところでは尊属殺重罰規定事件、薬事法距離制限事件、新しいところでは女子再婚禁止期間事件、非嫡出子法定相続分規定などであります。
 三権分立の下、裁判所の憲法違憲判断を踏まえてその後速やかに法令改正をすることでも問題はないかもしれませんが、国民の皆さんの意識が多様化して、また慣例も変わる中では、国会も取り巻く環境に敏感であり、憲法に照らして法令がどうかということを常に意識することが必要ではないかと思います。
 また、昨今、衆参の選挙制度に関して、一票の格差をめぐり訴訟が提起をされ、違憲状態の判決が出されています。しかしながら、裁判所はあくまで憲法に照らして公職選挙法の規定が違憲か合憲かを判断するまでで、人口減少が進む中、代表の在り方をどうすべきかという政策判断は行わない、いや、行えないわけでございます。人口減少の時代を迎えた今、地方を守り、国土を守るためにどのような代表の在り方が望ましいかを議論をし、必要であれば憲法の在り方まで踏み込めるのは国会をおいてほかにありません。憲法の枠内で法律で対応するのか、憲法の在り方まで踏み込んでいくのか、まさに国会の役割は大きいと言えます。
 次に、憲法改正の発議についてです。
 言うまでもなく、我が国は三権分立を取っています。立法権は国会に、行政権は内閣に、司法権は裁判所に帰属をしております。三権とも、憲法の枠内で法律を提出し、法律を制定し、法律を執行し、法律を審査しなければなりません。そして、主権者である国民の皆さんに対して憲法改正の発議を行えるのは国会だけです。
 去る十一月三日、日本国憲法は公布七十周年を迎えました。七十年の間に我が国を取り巻く環境は大きく変わっています。国民の皆さんの意識にも大きな変化があります。憲法と現実との乖離、憲法がそもそも想定していなかった状況が現実となっています。自衛隊、私学助成、新しい人権等については、憲法の解釈で対応しているところもありますし、憲法の変遷で解決しようという学者も見受けられます。しかしながら、もはや解釈も、憲法の変遷といった論理で、現実との乖離、憲法の空白を埋めるには限界に来ているのではないかと思います。
 これらの問題を議論をし、今の憲法の枠組みでは対応が難しいと判断したときに、憲法改正の発議を行うのは国会です。憲法はまさに我が国の在り方、我が国の形を示すものであり、我が国が大きな変革期にある中、国の在り方、国の形を憲法として国民の皆様にしっかりと提示をする、この国会としての責任をしっかりと自覚しなければいけないと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 磯崎仁彦

speaker_id: 31384

日付: 2016-11-16

院: 参議院

会議名: 憲法審査会