中曽宏の発言 (財政金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(中曽宏君) 日本銀行の金融システム安定化の機能についての御質問であるというふうに思います。
金融システムについてでありますけれども、実際今から十九年前、一九九七年十一月でありますけれども、一月の間に四つの金融機関が連続破綻をいたしました。日本の金融システムが最もメルトダウンに近いときとして、当時その危機対応に従事していた者としても記憶に鮮明に残っているところでございます。現在の日本銀行の金融システム安定化のための施策は、こうした実際の過去の危機の経験を踏まえたものでございます。
具体的には、個別の金融機関に対して考査やオフサイトモニタリングを行い、業務運営の実態ですとか各種リスクの管理状況の把握に努めてございます。そして、いわゆるマクロプルーデンスの観点から金融システム全体としてのリスク分析の評価を行っております。さらに、システミックリスクの顕在化を回避するために、必要に応じまして最後の貸し手機能を発揮して、一時的に資金が不足した金融機関に対して資金供給を行うこともございます。
そして、お尋ねの日本銀行の財務との関係についてでございますけれども、現在私どもは長短金利操作付き量的・質的金融緩和を行って、この下で国債の買入れを実施しておりますけれども、昨年には債券取引損失引当金の拡充を行いますなど、日本銀行の財務の健全性にも留意しているところでございます。
なお、日本銀行は、保有国債の評価について償却原価法を採用してございます。このため、金利が上昇したとしても、決算上期間損益において評価損失が計上されることはございません。ちなみに今年の三月末では、日本銀行の保有国債については十五兆円の含み益となってございます。仮に金利が今後上昇して含み損が生じる可能性がございますけれども、中央銀行には継続的に通貨発行益が発生をいたしますので、信認が毀損したり、あるいは機能が発揮できなくなるということはないと思っております。すなわち、財務の健全性に十分留意しつつ、金融システムの安定化も含めて中央銀行として必要な施策を行っていくということでございます。