勝野哲の発言 (経済産業委員会)

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○勝野参考人 電気事業連合会の会長の勝野でございます。
 本日はこのような機会を賜りましたこと、そして、電気事業の運営に際しましては、先生方の皆様には日ごろより多大なる御理解と御協力をいただいていますことを、この場をおかりして、改めて厚く御礼申し上げます。
 また、福島第一原子力発電所の事故により今もなお多くの皆様方に御迷惑と御負担をおかけしていることに関しましても、同じ電気事業に携わる者として、大変申しわけなく思っているところでございます。
 我が国では、S、安全、プラス3E、安定供給、環境保全、経済性の観点から、原子力を重要なベースロード電源と位置づけ、二〇三〇年のエネルギーミックスの達成に向けて取り組んでおります。
 私ども原子力発電の担い手といたしましても、原子力の利用に当たっては、福島の復興再生に必要な福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の確実な実施と安全性向上へのたゆまぬ取り組みが前提であることをしっかり認識し、信頼回復に努めてまいる所存であります。
 その上で、安全性が確認された原子力発電所については、着実に再稼働を行っていくことで、安定した安価な電気をお届けするとともに、エネルギーミックスの達成、地球規模での温室効果ガスの削減に貢献していきたいと考えております。
 そのためにも、福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないという強い決意のもと、徹底した安全対策に取り組み、新規制基準への的確な対応はもとより、規制の枠にとどまらない、より高い次元での安全性確保に向けて、原子力施設のリスク評価、管理を行う原子力リスク研究センターや、NRRCと呼んでおります、原子力事業者みずからが安全性向上に取り組むための自主規制組織である原子力安全推進協会、JANSIと呼んでいます、などの外部の機能も積極的に活用しながら、自主的、継続的な取り組みを全力で進めているところでございます。
 ことしの二月にも、原子力事業者、そしてNRRC、JANSIのトップが一堂に会して、原子力の自主的安全性向上に向けた取り組みにかかわる議論を行い、安全性向上に向けた取り組みに終わりはないという認識を改めて共有するとともに、それぞれ果たす役割や、リスク評価手法の充実、その評価結果や工学的判断などを適切に組み合わせた意思決定、ピアレビューを通じた安全性向上に関する議論、緊急事態支援センターや事業者間の相互協力体制を通じた緊急事態への対応能力の向上といった新たな取り組みについても、相互に確認いたしました。
 私どもといたしましては、原子力のリスクに対して常に正面から向き合い、安全性向上に向けたさらなる取り組みとして、リスク低減のために私たちが何を常になすべきか、追求していくことが重要だと考えております。
 私どもは、このたび確認した内容も含め、今後も、取り組みを着実かつ継続的に進め、原子力の安全性向上という事業者の使命をしっかり果たすことで、社会の皆様から、信頼の回復に努めてまいりたいと考えております。
 それでは、今回御審議いただいております原子力損害賠償・廃炉等支援機構法、以下、支援機構法と呼ばせていただきます、の改正法案につきまして、私どもの考えを申し上げたいと思います。
 福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策、これもまとめて廃炉と呼ばせていただきます、については、終了まで三十年から四十年、合計八兆円の規模とも言われております。廃炉の実施に当たっては、東京電力がグループの総力を挙げてその責任を果たしていくことが原則ですが、廃炉を安全にかつ着実に進めていくためには、長期にわたる巨額な廃炉の資金需要に対応できる仕組みが必要となります。
 したがって、今後の廃炉の本格化に備えて、東京電力に対して、第三者機関である原子力損害賠償・廃炉等支援機構、以下、支援機構と呼ばせていただきます、に必要な資金の積み立てを義務づけることで、将来の廃炉作業に伴う資金需要に備える廃炉等積立金制度を創設することは極めて有効であると考えております。
 支援機構が、積み立てられた資金の運用を行うほか、廃炉の工程や資金支出を適切に管理監督することで、東京電力が取り組む廃炉がより確実に実施できるものと考えております。
 また、東京電力に義務づけられる資金の積み立てについては、東京電力が、徹底した生産性向上により、主として送配電事業や原子力事業において資金を確保することとされており、事故事業者がみずから廃炉責任を果たしていく仕組みとなっている点についても、非常に評価できるものと考えております。
 本改正は、廃炉の確実な実施を確保することを目的としており、福島の復興再生を加速するためにも、重要な改正であると受けとめております。
 一方、法改正に当たりまして、私どもとして留意すべきと考えることもございますので、その点についても言及したいと思います。
 まず一点目は、廃炉等積立金の適正な管理についてであります。
 今回の法改正により、支援機構は、従来から担っている福島事故に係る損害賠償の資金の管理に加え、福島第一原子力発電所の廃炉の資金管理などの業務も行うこととなります。
 したがって、支援機構においては、原子力事業者が一般負担金等により負担する損害賠償資金と東京電力のみが積み立てを行う廃炉資金とをしっかり区分し、資金管理における透明性を十分に確保していただきたいと考えております。
 二点目は、着実な廃炉の実施に当たっての支援についてでございます。
 福島第一原子力発電所の廃炉は、長期にわたり巨額の資金投入が必要な国家的事業であり、原子炉圧力容器を貫通した燃料デブリの取り出しが必要であるなど、世界でも経験のない取り組みではございます。
 今回の法改正により、資金管理等の面において、廃炉の確実な実施を確保するための仕組みが整備されることとなります。一方で、実際に、汚染水対策、使用済み燃料プールからの燃料の取り出し、そして燃料デブリの取り出しといった廃炉作業を進めていくに当たっては、広範かつ前例のない技術的課題の解決が求められます。
 これらの技術的課題の解決には、国内外の英知を結集した研究開発が必要となります。加えて、現場作業を担う人材の確保、育成など、廃炉作業を進めるための体制の整備も必須となってまいります。課題は多岐にわたっておると思っております。
 これらの課題を解決し、廃炉を円滑かつ安全、確実に実施していくために、私どもとしましても、業界全体で支援をしてまいりたいと考えておりますが、引き続き、産業界や研究機関、そして、政府も含めたオールジャパンでの協力体制が不可欠であると考えております。
 以上、支援機構法の改正に当たって、私どもの考えを申し上げました。
 最後になりますが、東日本大震災を契機に検討が進められてまいりました電力システム改革については、昨年の四月から小売全面自由化がスタートし、各事業者が厳しい競争環境の中、切磋琢磨をしております。経営環境が変わる中でも、電力システム改革が真にお客様の利益につながるよう、引き続き詳細検討に協力していくとともに、安全性が確認された原子力発電所の再稼働や、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた課題解決にも取り組んでまいる所存でございます。
 今後とも、皆様方におかれましては、引き続き御指導、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 勝野哲

speaker_id: 30782

日付: 2017-04-07

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会