松浦一夫の発言 (憲法審査会)

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○松浦参考人 一般論として、衆議院の解散権を制限すべきであるという御意見なんですが、もちろん、今の制度のもとでも、党利党略による解散をよいという憲法学説はないわけでして、そういった意味では、解散権を濫用するようなことはもちろん慎むべきであるわけですが、制度として、では、六十九条だけの問題にすべきかどうかということになりますと、先ほど中谷幹事の方からも御説明がありましたように、民意を問うて、特に下院にその意思を反映させる、議院内閣制の中で内閣と衆議院、議会が対立した場合に民意を問うというその制度が過度に制約されてしまうというところに問題があるということであります。
 イギリスの例は中谷幹事がおっしゃるとおりだと思うんですが、先ほどドイツの例がちょっと挙がっておりました。ドイツは、ワイマール憲法時代に解散権が濫用されるというようなこともありましたが、一方で、内閣不信任も濫用された部分があるわけで、そういった中で、戦後のボン基本法では、不信任に関しましても建設的不信任という形で、次の首相を決めない限りは不信任はできないんだ、つまり、政権の安定というものを図る上で、解散権も確かに制限されてはおりますけれども、不信任投票のあり方も制限されている。このバランスがやはりあるものですから、解散権の制限というものが機能するわけなんだろうと思います。
 ですので、一般論として、現行憲法のもとでこれは制約すべきかどうかということについては意見は差し控えますが、そういうことで、単に制約すればいいというものではないんだろうと思います。
 それから、一般論として、解散権を制限すれば、緊急事態においてわざわざ制限する規定を置かなくてもいいのではないかという御意見でありますけれども、今、ドイツの例を挙げましたが、ドイツも解散権は制限されているんですが、やはり緊急事態において連邦議会、連邦参議院の意思を継続させるという意味で、任期の延長というものを改めて規定しているわけでありまして、そこはダブルで置いておきませんと、やはり緊急事態だから例外を認めるというようなことにならない、そういう制度設計になっているんだろうと思います。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 119304183X00220170323_021

発言者: 松浦一夫

speaker_id: 12646

日付: 2017-03-23

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会