小川秀樹の発言 (法務委員会)
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○小川政府参考人 これはさまざまとしか言いようがないところでございます。
例えば、現行法のもとで、相手方が反社会的勢力であることを知らずに契約をした当事者が、後に相手方が反社会的勢力に該当するということを知って、錯誤により契約が無効であると主張して争った複数の裁判例が下級審レベルでございます。
錯誤による無効を認めた裁判例としては、契約中に反社会的勢力による利用を拒絶する旨の規定が設けられていたことや、あるいは、その業界が作成しているモデル約款の中にもそういった内容の規定が設けられていたために予測可能性があったことなどを根拠としているもの、あるいは、契約当事者が反社会的勢力と一切関係を持たないことについての取締役会決議をしていたことや、同じ業種の他の企業がその相手方との取引を拒絶していたという事実があったこと、こういったことを根拠としたものがございます。
他方で、認めなかった例、錯誤を認めなかったものとしましては、契約締結時に相手方が反社会的勢力でないことの調査を行っていなかったことや、その契約において暴力団関係者を相手方とする契約を解除することができる旨の契約条項が設けられていなかったことなどを根拠としているものがございます。
こういった裁判例の傾向を総合いたしますと、事前に相手方が反社会的勢力であるか否かを確認する取引慣行があったか、その契約中に反社会的勢力との取引を拒絶しまたは契約を解除することができる旨の条項が設けられていたか、そのような条項が業界が作成する約款中に設けられていたかといった点を踏まえて錯誤と判断するかどうかを決めているものというふうに考えております。
それに応じまして、契約の内容、いわゆる要素の錯誤になるのか、あるいはその前段階としての動機の錯誤になるのか、これは個別の事案によろうというふうに考えられるところでございます。