小川秀樹の発言 (法務委員会)
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○小川政府参考人 お答えいたします。
売買の目的物にふぐあいがあった場合に買い主にどのような救済手段があると解すべきか、この点に関しまして、現行法は、今御指摘いただきましたように、五百七十条において、売買の目的物に隠れた瑕疵があったときに、買い主は損害賠償請求と契約の解除をすることができるとしております。
その内容について、学説上は、今御紹介いただきましたような法定責任説と契約責任説、これもさまざま内容がございますが、例えば法定責任説の内容としましては、よく紹介されますのは、特定物売買については、瑕疵のないものを給付することは不可能であるということを前提に、売り主は瑕疵の有無にかかわらず目的物を現状のまま引き渡す債務を負うんだ、これを根本とする考え方、これが法定責任説でございます。
それから、特定物であるか不特定物売買であるかを問わず、売り主は契約の内容に適合したものを引き渡す債務を負うとする、これが契約責任説でございまして、この二つの説が激しく対立しておりまして、判例の立場も明瞭ではございません。
そこで、このような状況を改めまして、明快で合理的なルールとする必要があると考えられるわけでございます。
現代社会においては、売買の目的物は大量生産され、ふぐあいがあった場合には部品の交換や代替物の給付など履行の追完が可能であるものが多く、実際の取引においてもそのような対応が一般化しております。また、問題となった取引が特定物売買であるか不特定物売買であるかの判別は必ずしも容易ではございませんで、法定責任説のように両者を截然と区別してその取り扱いを大きく変えるということも、取引の実態に合致していないという指摘もございます。
そこで、売り主は、特定物売買と不特定物売買とを区別することなく、一般に、種類、品質及び数量に関して売買契約の内容に適合した目的物を引き渡す債務を負うことを前提として、引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合には債務は履行されていないという整理をして、買い主は売り主に対して契約の内容に適合させるように求めることができることなど、救済手段を具体的に明文化するのが合理的であると考えられます。この考え方は、現在の学説でいえば契約責任説に相当するものと考えられます。
この考え方に基づきまして、今回の改正では規定を整備し、修補や代替物の請求あるいは代金減額請求、四百十五条の規定による損害賠償請求、五百四十一条、五百四十二条の規定による契約の解除をすることを認めるなどという手当てをしております。