林眞琴の発言 (法務委員会)
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○林政府参考人 まず前提といたしまして、今回、テロ等準備罪の創設は、これは刑事実体法の規定でございまして、何ら手続法を改正するものではないわけでございまして、テロ等準備罪の捜査に、通信傍受、現行の通信傍受法を適用することはできないということを前提として考えます。
そして、それでは、このテロ等準備罪の捜査について、現行の通信傍受法における通信傍受を行う実務上の必要性というものが想定されるのかどうかということをお答えいたしますと、まず、通信傍受法は、捜査機関が通信傍受を行うために、裁判官が発付する傍受令状が必要となります。この傍受令状が発出されるためには、非常に厳格な要件が定められております。
一つには、その罪が犯されたと疑う十分な理由があること、二つに、当該罪が数人の共謀によるものであると疑うに足りる状況及び犯罪に関連する通信が行われると疑うに足りる状況があること、そしてさらに、ほかの捜査方法では犯人を特定することが著しく困難であるということ、こういった厳格な条件を満たす場合でなければ発付されないわけであります。
仮に、テロ等準備罪を通信傍受の対象犯罪にするということを想定いたしましたとしましても、テロ等準備罪におきましては、その計画された犯罪が組織的犯罪集団の意思決定に基づくものであり、かつ、その効果、利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものであること、また、指揮命令関係に基づいてあらかじめ定められた任務の分担に従って行われることに加えまして、計画に基づき実行準備行為が行われたこと、このような厳格な要件を事前に裁判官に対して十分に疎明しなければ傍受令状が発付されないわけでございます。
逆に言いますれば、テロ等準備罪についてこのような疎明が可能なほどに捜査が進展しているのであれば、被疑者を逮捕し、あるいは関係場所の捜索等を行い得る状況にあるものと考えます。
未然防止の必要性が極めて高いテロ等準備罪の特質に鑑みますれば、そのように捜査が進展している場合には、捜査機関としては、通信傍受を実施するのではなくて、テロ等の犯罪発生の未然防止のために、テロ等準備罪の被疑者を逮捕するなど、その他の捜査手法を選択すると考えられます。また、それが可能な状況、疎明ができるということについては、そのような可能な状況になっていると考えられます。
そうしたことから、捜査実務上、こうしたテロ等準備罪について通信傍受を利用するということ、現行法の通信傍受法を利用するということは想定しがたいと考えております。