宮崎政久の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○宮崎(政)委員 自由民主党の宮崎政久です。
性犯罪を厳正に対処するための刑法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
明治四十年に現在の刑法が制定されて今日まで百十年が経過して、今回初めて、性犯罪の構成要件などを大幅に見直す改正となりました。何が罪となるのか、いかなる重さで処罰されるのか、これは国の意思でありまして、主権者である国民が定めるところであります。
この委員会で刑法の理念を審議して、議論して、そしてその結果が議事録にも記載されることは、ここにいる私たち国会議員の大きな責務であると認識をしております。
本日、私を含めまして十名の質疑者が立ちますが、この法案を速やかに成立させるべきであるという点では、与党も野党も共通した思いを持っているところであると思っております。充実した審議を求めて、まず私から先陣を切らせていただきたいと思います。
今回の改正内容、どれも重要なのでありますけれども、私は、特に二点、評価をしたいと思っております。
一つは、法定刑の下限を引き上げたという点であります。
これまで強姦罪は、強盗罪と比較をされて、財物を奪う強盗と性的自由を奪う強姦とで、なぜ強姦の方が刑が軽いのか、こういう批判をされてきました。また、法定刑の下限が懲役三年以上であることから、検察官の求刑も低目になるということもあり、執行猶予つきの判決が出やすいという現実もあったことは事実であります。
性犯罪の被害に遭いますと、被害に遭われた方は、学校や会社に行けなくなってやめてしまったり、異性と交際ができなくなって結婚を諦めてしまったり、その被害の結果は極めて甚大であります。
それなのに、被告人が裁判を経て執行猶予つきの判決を受けるということになれば、被害に遭われた方からすれば、言ってみれば無罪放免になったような印象を受けますので、それが司法に対する不信感になったり、被害の回復を阻害するという面があったわけであります。
もう一つは、親告罪でなくしたという点であります。
被害に遭われた方が警察に相談に行くということはその時点で相当な勇気を振り絞っているわけでありまして、警察に行きさえすれば、後は捜査をして、裁判になってくれるというふうに信じておられるわけであります。にもかかわらず、親告罪だということで、改めて、これを事件にするかどうかはあなたが決めてくれというようなことを言われるのは、被害者の方にとっては苦痛以外の何物でもないし、せっかく勇気を出して警察に行ったのに途中で心が折れてしまったり、悪い場合には、加害者からの逆恨みを恐れて告訴を断念するという事態もないわけではないわけであります。
また、事件が進展する中で、告訴を取り下げるならば被害弁償を支払うという持ちかけを受けて、泣く泣く告訴を取り下げて示談金を受け取ることにならざるを得ないケースというものもあります。
本来であれば、罪を犯した者は刑事責任を負って、さらに損害賠償という民事上の責任を負うのが当然であるはずなのに、親告罪であったがために刑事か民事か二者択一を迫られる、こういった被害に遭われた方もこれまで多かったわけです。
こういったこと自体、言ってみれば二次被害という状況でありますし、その後の被害の回復をしていただくのに多大な悪い影響を及ぼした現実がありました。
今回、このこと以外にも大きな前進となる本改正をすることには、性犯罪の被害に遭われた多くの皆さんが声を上げてくださったことが推進力となってきたことは事実であります。
これは、与野党問わず、被害に遭われた皆さんの声を聞いたと認識をしておりますけれども、私ども自由民主党においても、私は事務局長をさせていただいておりますが、司法制度調査会において、性犯罪の被害に遭われた方、これを支援されている方、法改正の運動に取り組んでおられる方、また熱意を持ってこの問題に取り組んでいる弁護士さん、こういった多くの皆様から幾度となくヒアリングをさせていただいて、その声を聞かせていただきました。
被害を声に出して人々に訴えるというのはとてもつらく苦しいことであることは、想像にかたくないわけであります。性犯罪の被害に遭われた皆さんが長い年月をかけて訴えてきた地道な取り組みの成果が今ここでようやく一旦結実しようとしていることに対して心から敬意を表して、また感謝の思いを胸にいたしまして、質疑に入りたいと思います。
本改正の概要等大枠につきましては、先日の衆議院の本会議において金田法務大臣から丁寧に御答弁をいただいております。本日は、刑事実務にわたる部分、言ってみれば細目的、技術的な事項にわたる部分も多くありますので、政府参考人、主として刑事局長にお答えいただきたいと思っております。
まず、今回の刑法改正に至る経緯と改正の趣旨を端的に御説明ください。