松田直久の発言 (本会議)

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松田直久君 民進党・無所属クラブの松田直久でございます。
 ただいま議題となりました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問させていただきます。(拍手)
 地球上の生物は、およそ四十億年にもわたる進化の歴史でさまざまな環境に適応してきました。現在、世界で確認している生物だけでも約百七十五万種、未知の種も含めると五百から三千万種が生息をしていると言われています。地球の豊かな自然は、こうした多種多様な野生生物がつながり合って形づくられており、私たちにとっても大切な資源にもなっています。
 身の回りでも、ここ十数年見かけなくなった種もいます。例えばゲンゴロウです。私の子供のころから比べて、ただ見る機会をなくしていることが理由だと思っていましたが、環境省の第四次レッドリストでも、準絶滅危惧から絶滅危惧2類にランクを上げ、現在でも減少に歯どめがかかっていない状況です。
 私の地元三重県においても、二〇一四年版三重県レッドリストの昆虫類レッドリストでは、スジゲンゴロウが絶滅になりました。知らぬ間に絶滅をしているという現実に直面をしているわけです。
 現在、野生生物を取り巻く環境は、開発による生息地破壊や土壌、水質汚染、地球温暖化、乱獲、外来種の持ち込みといった人間の活動によって急速に悪化しており、その結果、かつてないスピードで野生生物が絶滅しています。一度でも失ってしまった生物は、人の手ではつくり出せず、二度ともとに戻すことはできません。
 私たちは、暮らしに欠かせない水や食料、木材、繊維、医薬品を初め、さまざまな生物多様性の恵みを受け取っています。生物多様性がある豊かな自然は、私たちの命と暮らしを支えており、今後もこの恵みを受け取り続けるためには、自然を賢く利用することが必要です。
 この生物多様性を保全するために重要な法律の一つが、今回改正をされる種の保存法であります。前回の改正で規制が強化されたものの、まだまだ数多く課題が残されました。それは、衆議院で十一項目も附帯決議がつけられたことからも明らかです。今回の改正が、これらの附帯決議をしっかりと反映させたものになっているのかについて、まず答弁願います。
 海洋生物を含めた保全戦略の策定について伺います。
 平成二十六年四月に策定された絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略では、平成二十八年度をめどに海洋生物のレッドリスト作成を目指すとされていましたが、先日、ようやく海洋生物のレッドリストが公表されました。
 そもそも、もともとの法律の策定時には海洋生物は想定されていなかったことを考えれば、海洋生物のレッドリストを作成し、海洋生物の種の保存のあり方も十分に検討した上で、種の保存法の抜本的な改正を行うべきであったと考えます。
 なぜ公表がおくれ、今回の法改正が抜本改正に至らなかったのかについて答弁願います。
 財産権の尊重について伺います。
 種の保存法三条には、財産権の尊重等として、「この法律の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、住民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに国土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。」とされています。同様の規定は、自然環境保全法、自然公園法にも置かれています。
 これらの規定は、生物多様性保全や自然保護の意識がまだまだ低い時代の、自然保護で所有権が侵害されて財産的価値が低くなるという考えや、自然を破壊しても公共事業を行うべきという考え方が支配的な時代の条文に思えてなりません。人間の諸活動がこのとうとい地球の生態系の上に成り立っているという観点からすれば、生物多様性、生態系の保全を優先的な価値として考えるべきです。
 三条の規定をわざわざ置くことによって種の保存が十分に行われないような事態は、避けなければなりません。この条文が本法の効力を弱めてきたという指摘が、生物多様性の保全に取り組む団体から指摘されていますし、本法の上位法である生物多様性基本法には財産権の尊重に関する規定はありません。
 環境法令における財産権の尊重規定について削除するか、財産権よりも環境的価値が優位である旨の規定に変えるべきであると考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 今回の改正で、二次的自然に分布する種の保存を図るため、特定第二種国内希少野生動植物種の制度が創設されたことは評価します。一方で、今後の種の指定がこの第二種ばかりになり、現行の国内希少野生動植物種の指定がなされなくなるということはないでしょうか。
 現行の国内希少野生動植物種は、指定をふやすだけではなく、種ごとにきちんと保全計画を立てると明確に答弁願います。
 第二種の場合、販売、頒布目的での捕獲のみを禁止することになっておりますが、販売、頒布目的と、調査研究、環境教育での捕獲は外見上区別がつかず、現場で調査研究との言い逃れができてしまうのではないかとの懸念があります。
 少なくとも、捕獲時には、事前の申請に基づいて発行された許可証の携帯を義務づけるといった措置を講ずるか、九条二号の「販売又は頒布をする目的以外」の証明は捕獲を行った者に課し、言い逃れをできないようにする工夫をすべきであると考えますが、どのような運用を行おうとしているのかについて答弁願います。
 平成二十五年の改正時の衆参両院の附帯決議では、科学委員会の法定化が最も重要な項目と意識されていました。なぜなら、種の指定の過程が密室で行われるため、なぜ指定が進まないのか、また、どのような種が候補に挙がり、どのような理由で指定に至らなかったのかなど、全て不明なままだからです。
 今回の改正で四条七項が新設されましたが、これが科学委員会の法定化に該当するということでしょうか。また、それは原則公開の場で行われることを想定しているのかについても答弁願います。
 この法律の究極の目的は、絶滅を危惧されている種が、その危険を脱し、本来の生息数を取り戻し、この法律の対象から外れていくことかと思います。保全戦略では、個体数の回復によりレッドリストカテゴリーから外れ、ランク外とされた場合、指定を解除するとされています。この指定の解除については、今回の改正で創設される四条七項の、専門の学識経験者の意見を聞いて科学的に決めるということでよろしいでしょうか。答弁を願います。
 また、指定の目標はあるものの、解除についての、いつまで、どのぐらいといった数値目標も必要ではないでしょうか。あわせて答弁願います。
 国際希少野生動植物種の登録制度についてお伺いをいたします。
 今回の改正では、新たに登録の有効期限を設けるとともに、可能かつ必要な種については個体識別制度を導入することとなりました。一定の期間で失効させることにより、不正流用を防止する趣旨は理解できます。不正流用を確実に防止するために、これまでの登録票と一見明らかに違うものにすべきではないでしょうか。例えば登録票の色、大きさを変えて、これまでのものと区別できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 加えて、これまでの登録票には、登録した者の氏名や住所が全く記載されていませんでしたが、これらも記載すべきであると考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 世界で環境、野生動物の保護活動を行っている国際機関の環境調査エージェンシーが、一般財団法人自然環境研究センターをめぐる実態調査を明らかにし、センターの担当者が象牙の違法取引を助長していると訴えました。EIAによれば、当局者一名が、いつ輸入されたかわからない象牙をどうすれば合法的に登録できるのか、警察の捜査を未然に防ぐためにはどうすればよいのか、潜入捜査官に対しその方法を具体的に教えたとして、電話のやりとりが明らかにされました。
 自然環境研究センターは、一部に誤解を招きかねない対応があったとして、対応マニュアルの作成と履行状況の確認を定期的に行うとしていますが、対応マニュアルはいつ作成され、履行状況の確認はいつ行われたかについて答弁願います。
 この事件で、日本の象牙管理が海外から甘いと思われたことは明らかであります。やはり登録業務委託先をゼロベースで選定し直すべきではないでしょうか。選定をし直さないのであれば、その理由を誰にでもわかるように明確に答弁願います。
 象牙については日本国内に十分なストックがあり、違法な輸入は考えられないとしていますが、全ての象牙の登録がなされているわけではなく、家に眠っていたと言えば許される状況であれば、海外の疑念を払拭することはできないと思います。期限を定め、個人が所有する象牙も登録し、象牙に登録済みマーキングなどを施す必要があるのではないでしょうか。答弁を願います。
 今回の改正では、届け出を登録に改め、罰則を設けたことは評価しますが、二〇一六年秋のワシントン条約第十七回締約国会議における国内象牙市場閉鎖決議も出ており、今回の改正で象牙管理が十分であると考えているかについても答弁願います。
 国内希少野生動植物種の指定増、希少野生動植物種の流通管理強化、象牙等の事業者の管理強化に伴い、これから実効あらしめるためには、大幅な人員強化と予算強化が求められます。今回の法改正の結果、人員並びに予算について、これを大幅にふやし、法の実効性を担保すべきであると考えますが、政府の見解を求めます。
 生物多様性基本法三条三項においては、「生物の多様性が微妙な均衡を保つことによって成り立っており、科学的に解明されていない事象が多いこと及び一度損なわれた生物の多様性を再生することが困難である」とされています。私たちは、少なくとも次世代に、かけがえのない、生物多様性という生物資源を残す義務があります。
 民進党は、今後も、生物多様性の確保に全力を挙げることをお誓い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣山本公一君登壇〕

発言情報

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発言者: 松田直久

speaker_id: 33683

日付: 2017-04-11

院: 衆議院

会議名: 本会議