安倍晋三の発言 (予算委員会)
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○安倍内閣総理大臣 確かに、今委員が御指摘になったように、この十数年で我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変わったわけであります。これは世界においても大きく変わったと言ってもいいと思います。
かつて、米ソ冷戦構造時代には、弾道ミサイルを保有していたのは米ソしかなかったわけであります。それが今、相当数の国々が弾道ミサイルを持つようになった。また、核兵器についてもそうであります。
その中で、北朝鮮については、昨年、二回の核実験を強行するとともに、二十発以上の弾道ミサイルを発射したわけでありまして、SLBM、ミサイルの発射にも成功したということについても報道がなされているところでございます。相当程度、いわば専門家の予測を上回って、彼らの弾道ミサイルについての技術の革新が、技術開発が進んでいると言ってもいいんだろう、このように思います。そして、我が国が射程内に入る核ミサイルが配備されるリスクが時間とともに増大をしていくわけでございます。
また、飽和攻撃というお話もされましたが、先般、北朝鮮は一度に三発ミサイルを撃って、そして狙いどおりの場所に着水させたという事案もございました。
このような脅威に対しては日米の共同対処によって我が国の防衛を図ることとしておりまして、その中でいわゆる敵基地攻撃能力、すなわち打撃力の使用を伴う作戦については、委員が御指摘になったように、米国に依存をしているのは事実であります。
そのような中で、北朝鮮が、弾道ミサイルの長射程化や核兵器の小型化、弾頭化を行うことによって、米国に対する戦略的抑止力を確保したとの過信を持つ危険性があるのは事実であります。つまり、米国を射程に入れる核能力を持ったとなれば、米国は報復しない。いわばほかの国に対する攻撃に対して、その能力を持っている北朝鮮に対しては、みずからの国に撃ち込まれる危険性を冒してまで報復しない。つまり、それが抑止力になったと過信する、誤認する危険性というのがないわけではないだろう、このように思うわけであります。
もしそうなれば、弾道ミサイルの発射を含む軍事的挑発行為のさらなる増加につながっていく可能性もあるわけでありまして、議員御指摘のように、我が国自身によるいわゆる敵基地攻撃については、政府として、従来から、法理上の問題として、他に手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地をたたくことも憲法が認める自衛の範囲に含まれ、可能であると考えているわけでございます。
一方、現実の自衛隊の能力に関して言えば、これはもう防衛大臣を経験された委員はよく御承知のように、現在、我が国は、敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、また保有する計画もないわけでございます。その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、日米間の適切な役割分担に基づき、日米同盟全体の抑止力を強化し、国民の生命と財産を守るためには我が国として何をすべきかという観点から、常にさまざまな検討は行っていくべきものと考えているわけであります。
いずれにせよ、今後とも、我が国の防衛の基本的な方針として専守防衛を堅持していくことは当然でありますが、その中において、今、小野寺議員がおっしゃったように、その専守防衛の中において、我々は、大きく変化する中において国民の生命と財産をどのように守り切っていくか、また、そのための抑止力とはどういうものがあり得るのか、専守防衛の中において我が国独自の抑止力はどのようなものがあるかということも含めて、あくまでも日米連携の中ではありますが、考えていかなければいけない、このように考えております。