磯崎仁彦の発言 (環境委員会)
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○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
検査制度につきましては、やはり見直しを行っただけで機能するというわけではないというふうに思っております。やはり機能させていくためには様々な条件が必要なんだろうというふうに思っております。
先日、四月の四日のこの委員会におきましても浜野委員の方からいろいろこの条件等々について質問があったと思いますので、一部重複はするかと思いますけれども、違った観点を含めて質問させていただきたいと思います。
私、この新たな検査制度を機能させていくためには、事業者側で満たしていく条件、これが一つあるんだろうというふうに思っております。もう一つはやはり規制側、こちらで満たしていく要件、これももちろんあるというふうに思っております。更に言えば、前回、浜野委員の方からも話ありましたように、今回の変更の内容、これをやはり立地自治体であるとか国民の皆様にきちんと説明をして理解をしていただく、こういったことも恐らく条件の一つに入ってくるのではないかなというふうに思っております。
これらのそれぞれの条件の前に一点、是非、田中委員長に御見解をお伺いをしたいなというふうに思っております。
先ほどもお話をしましたように、私は航空会社にいた人間でございます。一番感じましたのは、日本とアメリカの事故に対する考え方、これはやはり大きく違っているなということを痛感をしておりました。やはり航空会社も、航空機事故というのは非常に大きなリスクでございますので、それにどう対応していくかということが大きな課題であったわけでございますけれども、日本とアメリカの大事故が発生をした場合、この対応については、日本の場合には、どちらかというといわゆる処罰ということに重きが置かれて、再発防止というのはその次になっているのではないだろうかと。ただ、アメリカの場合には、やはり再発防止をどう進めていくのか、原因がどこにあって、そのために、それを踏まえて再発防止をどうやっていくのかと。もちろん処罰という観点もありますけれども、この比重というものが私はアメリカと日本とで違っているのではないかなということを航空会社にいたときに強く感じました。
事故はよくヒューマンエラーがかなりの割合を占めるというふうに言われるわけでございますけれども、特に今のこの時代には、事故の多くはいわゆるシステム性の事故であるというふうに言われます。例えば機械と人間との関係であるとか、人間と人間との関係であるとか、こういったところで発生するのが事故であるというふうに言われておりますので、こういったことをやはりどう踏まえていくかというのは必要なんだろうというふうに思っております。
もう一つは、やはり日本の場合には、事故のその加害者に対してのみ結構注目が当たると。ただ、やはり事故の被害者に対する例えば事故原因の説明であるとか支援であるとか、こういったことがどちらかというと後に置かれているんじゃないかということもよく言われるところでございます。
更に言えば、私はリスクマネジメントという観点からすれば、よくハインリッヒの法則ということが言われます。一つの大きな事故が発生する裏側には二十九の小さな事故、いわゆるインシデントがある、その背後には三百のいわゆるヒヤリ・ハットがあるということがよく言われております。したがいまして、大きな事故を発生をさせないためには、ヒヤリ・ハットの段階でいわゆる不安全要素というものの芽を摘んでおけば小さな事故も起こらないし、大きな事故も発生をしないんだと、こういうことがよく言われるわけでございます。やはりこのヒヤリ・ハットを未然に防ぐ、こういったことの重要性が指摘をされているということでございます。
したがいまして、ヒヤリ・ハットが発生をしたときにどうしてもこの処罰ということに重きを置けば、処罰を恐れるが余り、そのヒヤリ・ハットが起こったということを報告するということがおろそかになってしまう。ただ、やはりこのヒヤリ・ハットというものは一つの事業者の中で共有化をするということも必要でございますし、やはり、同じような事業をしている人がたくさんいる場合には、事業者間でそのヒヤリ・ハットを共有化することによって他の事業者においても事故を発生するのを防ぐ、こういったことに恐らくつながっていくんではないかなというふうに思っております。
そういった意味では、我が国において安全文化を醸成するという観点からすれば、やはり処罰ということももちろん重要でございますけれども、処罰優先ということではなくて、原因究明と再発の防止、こういったものに重きを置くということにやはりシフトをしていくべきではないかという、こういった考え方もあるのではないかというように思っておりますけれども、是非田中委員長の御見解をお伺いをしたいというふうに思っております。