藤井基之の発言 (厚生労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○藤井基之君 ありがとうございました。
昨年の十二月の八日の当委員会でも御指摘をさせていただきました。改めて申すまでもありませんけれど、高齢化社会を迎えて医療、介護等の社会保障費というのは年々増大をしております。こうした状況の中におきまして、この増加する社会保障制度の持続、安定化のため、これは当然のことながら給付の適正化と同時に財源の確保も喫緊の課題となっております。昨年の十二月の八日にも御指摘させていただきましたが、持続的な経済成長が不可欠であるというふうに政府は考えておると理解をしております。そして、アベノミクスを推進して、例えて申し上げますと、名目GDP六百兆円を目指す等々の目標を掲げております。昨年の六月の日本再興戦略二〇一六におきましては、イノベーションの推進を図るとして、その重要な施策の一つとして、画期的なお薬や医療機器の開発など医療分野をそのターゲットに掲げております。
昨年四月の診療報酬改定に合わせて行われました薬価の改定の状況をいま一度振り返らせていただきたいと思っております。
昨年の四月の診療報酬改定は、技術料はプラス改定でございました。これは厚労大臣を始めとする関係者の努力のたまものだと理解をしておりますが、薬価改定等を含めました全体での改定のものはどうだったかというと、これは残念だけど大幅なマイナス改定となりまして、医療関係者は落胆の意図を大きくしたものでございます。もちろん、患者さんにとりましては自己負担が減るわけですから、そこはそれで意味があったとは思いますが、医療機関の経営等に対する影響がやはり心配になります。
医薬品産業が昨年の改定の際にどの程度の負担をしたかということを簡単に述べさせていただきたいと思います。
国費ベースにおきましては、通常の薬価改定、市場にある価格を調べて、その結果に基づいて一定のルールでお薬の値段を下げます。そういった額が国費ベースでやると約一千二百五十億円。市場が想定以上に拡大したということによる産業界の負担額、これが約二百億円。それに加えて、特例的な市場拡大があったとして、その再算定によって捻出させられた金額が約二百八十億円などなどでございまして、トータルしますとこれが国費ベースで一千七百四十億円。これを薬価ベースに試算させていただきますと、これ約八千億円です。つまり、産業界は一年間に、昨年の四月一日を境にして八千億円、国に対して税金以外に財源をおあげしたと。そういう形で昨年の改定は決着をいたしました。
昨年十二月、私はこの委員会でこの問題について質問させていただきました。そのとき、今日も御出席いただいております馬場大臣政務官から非常に心強い答弁をいただきました。その方向で厚生労働省が頑張っていただいていると理解をしておりますが、私どもとしましては、具体的に大臣政務官の御発言の中から、各論的にもそれがちゃんと実りのあるものになっていただきたいと考えております。
一つ、特例の価格の再算定について触れさせていただきたいと思います。
昨年四月の改定では、年間の売上高が一千億円とか一千五百億円を超えたという非常に売上規模の大きなお薬、例えて言いますと、C型肝炎治療薬として高い評価を受けているソバルディだとかハーボニー配合剤等々四成分のお薬、これが特例市場拡大再算定に付されまして、大幅な薬価の引下げが行われました。
これらの価格の引下げにつきましては、いわゆる実際の価格に依存しない引下げになっているわけでございまして、通常の薬価の改定は、実勢価格が下がっているから、それに対応して新しい価格を決めようとする。ですから、実は医薬品を供給する側もそれを購入する医療機関も実際の価格が分かっているから、ああ、大体それを追従して新しい価格が設定されたという、そういう対応ができるわけです。
ところが、この特例的な価格引下げというのは、実勢価格をある意味無視して、恣意的とは申しませんけれども、ある一定のルールだということで、それまでなかったルールまで引っ張り出して、国が一方的にそれを決めることになります。こうなりますと、製薬企業への影響はもとより、例えば流通業者であるとか医療機関におきましても、在庫品がある日突然、資産価格が下がることにもなるんです。これらに対する対応というのは、一切これ国が取っておりません。それは無視できないものだろうと私は考えております。
さらに、本年二月におきまして、我が国初の画期的ながん治療薬でありますオプジーボという、これは商品名で申し訳ございません、オプジーボに対しまして、売上げが一千五百億円を超えたとみなして例外的に五〇%という巨額のお薬の値段の引下げが行われました。国内の製薬企業が国内のシーズを活用して優れた製品を生み出して、世界中で高い評価を受けたお薬でございます。しかし、こういった優れたお薬を開発して、そしてそれを市場や医療現場が評価をしていく、そして結果的としてお薬の使用が増えて、結果として売上げが増大する。そうしたら、これは想定以上に売れ過ぎているじゃないかといって価格を引き下げる。
繰り返しますが、これでは製薬企業の画期的な新薬を目指そうとする開発意欲を損なうことになりませんか。我々、我が国の経済の引率役として期待している生命関連産業、医薬品産業の国際競争力の低下にもつながりかねませんか。ひいては、結果として、このような開発力が低下しますと、日本の患者さんが新薬へのアクセスが次第次第にこれは遅れてしまうということを意味しております。
改めてお尋ねをしたいと思います。医療分野のイノベーションの推進、医薬品産業等の医療関連産業の育成について、先ほど申し上げました昨年の十二月の答弁を上回る答弁をお願いしたいと存じます。