山本輝之の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(山本輝之君) それでは、私から意見陳述させていただきます。
 私は、相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム、以下検証・検討チームというふうに略させていただきますが、その座長及びこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会の座長代理といたしまして、関わった者といたしまして、今回の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に賛成する立場で意見を述べさせていただきます。
 まず、本法案の柱の一つは、措置入院から退院した患者に対する継続的な医療その他の支援を充実させるということを制度化するものでございまして、この点は、私が座長を務めました検証・検討チームにおける現行の制度に関する検証において明らかになった課題への対応を図るものであるというふうに受け止めております。
 すなわち、現行法におきましても、第四十七条は、都道府県や保健所設置市などの保健所を設置する自治体は、精神保健福祉相談員や都道府県知事などが指定した医師をして必要に応じて措置入院者の退院後の相談、指導などをさせなければならないというふうに定めております。しかし、これは一般的な義務を定めたものにとどまりまして、実際の取組につきましては各自治体に委ねられており、制度化はされていなかったということでございます。この点が現行制度における大きな課題であったというふうに考えることができるように思われます。
 そこで、今回の法改正は、こうした現行制度上の課題に対する対応として、措置入院者が退院後に継続的な医療などの援助、支援を確実に受けられ、社会復帰につながるよう、地方公共団体が退院後の支援を行う仕組みを整備するということを制度化したものでございます。すなわち、法案では、措置入院者の退院後における社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な医療その他の援助を適切かつ円滑に受けることができるようにするという観点から、第四十七条の二に基づきまして、入院措置を行った都道府県、政令市が、患者の入院中から通院先の医療機関などと協議の上、退院後支援計画を作成し、退院後の医療その他の援助の内容や援助を行う期間について計画上明示すると、そして退院後は患者の帰住先の保健所設置自治体がこの退院後支援計画に基づきまして相談、指導などを行うということを制度化したものでございます。また、その作成した計画につきましては、支援の対象となる患者本人にその内容を交付するということも定められているところでございます。
 私は、検証・検討チームにおける検討の過程で、兵庫県における措置入院者の退院後支援の取組についても視察させていただきました。そこでは、保健所を中心とした医療などの継続的な支援ということが行われておりまして、そのことによって措置入院から退院した方の症状の再度の増悪や医療中断を防ぐ効果もあるということを伺いました。このようなことから、私個人といたしましては、このような取組を精神保健福祉法上に制度化するという今回の法案の内容というものは大きな意義があるものというふうに考えております。
 もっとも、このような法案の趣旨に対しましては、支援に名を借りた監視の制度を創設するものではないかという御批判、御懸念があることは承知しております。
 しかし、以上のように、今回の法改正というものは、従来から定められておりました都道府県知事などによる退院後の相談、指導などというものをより具体的に制度化し、措置入院から退院した後の患者に対して医療などの継続的な支援を充実させ、患者が地域において孤立することなく安心して暮らせるための制度を創設しようとするものでございます。したがって、そのような御批判というものは制度の内容を誤解したというものでございまして、当たらないものであるというふうに考えております。
 また、今回の法案におきましては、患者が退院後支援計画に従うことを義務付けてはおりません。つまり、退院後の支援計画を強制するものではないということでございます。
 また、これは当然のことでございますが、退院後、医療などの継続的な支援を行うに当たっては、患者本人や家族の意向を踏まえるということが極めて重要なことでございます。そのため、今回の法案では、退院後の支援計画の作成に当たって、患者本人や家族も参加する精神障害者支援地域協議会で協議し、計画の内容やその必要性について、患者本人や家族に理解を求めるということになっております。このような点からも、先ほど申し上げました支援に名を借りた監視の制度を創設するものではないかという御批判は当たらないものというふうに考えております。
 今後の国会における法案の審議の過程で、こうした誤解や御懸念が払拭されることを切に望んでいるところでございます。
 また、今回の法案におきましては精神保健指定医制度の見直しを図るということも盛り込まれておりますが、これも、問題になりました精神保健指定医の指定の不正取得の再発防止を図るという観点から、意義のある重要な法改正であるというふうに認識しております。
 さらには、今回の法案には、医療保護入院の入院手続につきましても見直しが行われまして、市町村長の同意により医療保護入院が可能となる場合といたしまして、現行法における患者の家族などがいない場合などに加えて、家族などが同意、不同意の意思表示を行わない場合を付け加えるという改正も盛り込まれております。この点も、医療が必要な患者を速やかに医療に結び付けるという観点から、極めて重要で意義のあるものであるというふうに考えております。
 私からの意見陳述は以上でございます。

発言情報

speech_id: 119314260X01120170413_002

発言者: 山本輝之

speaker_id: 21510

日付: 2017-04-13

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会