熊谷晋一郎の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(熊谷晋一郎君) ありがとうございます。
 大分本人の意思を聞こうという構えは周囲に強くなってきたとは思うんですね。今むしろ怖いのは、選択肢を十分に提供しないままに意思決定の権利を与えるというレトリックが非常にあらゆる場面で進んでいる感じです。意思決定は尊重しますよ、しかし選択肢は提供できませんというような形で、ある種究極の選択というんでしょうか、そういうことを迫られる場面というのは少なくないと思います。
 私が、今回のそのやまゆり園の同じ場所に再建するというふうなスタンス、その方針に疑問を感じた理由もそこにありまして、本人の意思を聞いたかどうかという論点とはまた別に、今ほかの選択肢を増やすことなく、つまり地域の中で暮らすというオプションに資源を配分することなく、また同じ選択肢というんでしょうか、つまり人里離れた場所、つまりコミュニティーから遠い場所にしか暮らせないという現状の選択肢の瑕疵、選択肢が偏った状態をもう一度再現してしまうことの危うさということが一番引っかかったんですよね。
 そういう意味で、特に知的障害とされる人々の意思決定支援をする場合の重要なポイントは、本人に意思決定を迫る前に選択肢が十分あるんだろうかということを振り返る、そしてその選択肢を一つずつ経験してもらうチャンスを十分に保障しているんだろうか、そのときの御本人の幸せそうな表情とか、そういうものから言葉のない当事者の意思というものを拾っていく支援というのはすごく重要なんですね。そういう意味で、意思決定の保障に先行する条件としての選択肢の保障、これをちょっと考える必要が今かなりあるかなというふうに思っています。

発言情報

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発言者: 熊谷晋一郎

speaker_id: 29495

日付: 2017-02-15

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会