藤田孝典の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(藤田孝典君) ありがとうございます。
 まず、職業訓練制度の現状なんですけれども、まず、例えばヘルパーの資格を取るということであるとか、パソコンのスキルを上げるということだとか、様々なものが用意されているんですが、失業期間中にその職業訓練制度等を受けて、じゃ所得が上がったりあるいはほかの産業に労働力が移動しているかというと、実はかなり疑問がある状況かなというふうに思っています。
 企業は、これまで企業内で研修をちゃんとやって、それは終身雇用というのを前提で育てながら職員を雇っていきましたけれども、これがもう若者を中心にして三年とか五年で離職率が非常に激しい状況が一般化してきていますので、企業で入ってもキャリアが形成されない、あるいは資格が取れない、あるいは三年後、五年後にはまた別の職種に移るというんですか、この教育なき労働力移動というものがかなり非常に増えてきていまして、これは海外だと、労働組合であったりだとかあるいは職業訓練校であるとかそういったところが、失業することを前提にしてもう失業中に、例えばこれ失業の給付期間、要は、雇用保険の失業給付期間もかなり長いんですけれども、日本はそれこそ半年から一年半の間にもうすぐにでも仕事を見付けないと、訓練を受けている場合じゃないので、生活が干上がってしまいますので。
 だから、この給付期間の延びと併せてなんですけれども、例えば海外だと、オランダとかほかの国々でも、二年とか三年失業した間にちゃんと教育を受けるというんですか、その間には、例えば弁護士になるという人もいれば、大学に通いながら行政書士になるという方もいれば、パイロットの資格を取るという方もいて、要するに多様なメニューが用意されていて、ある程度教育を受けながらお金を支給されて次の産業に移動できるというんですか、当然その方が移った後継続して自分がやりたい仕事に就けますし納税額も上がっていきますので、だから、これも先行投資として職業訓練にお金を入れていくというんですか、そういった試みが各国で行っています。
 残念ながら、今、日本の職業訓練は、当然短期間で早く労働収入を出さないといけないので短期間にできる資格取得とすると、ヘルパー資格だったりパソコンのスキルを上げることだったり、それを得て出たとしても低賃金労働に従事せざるを得なかったりとか、この低所得から抜け出せないというんですか、だから、抜け出すすべがちょっと持ちにくいという現状が、職業訓練等、生活困窮者を支援していてやっぱり課題として挙がってきているところかなと思います。
 なので、職業訓練制度のメニューを整備するためにも、長期的に、要するに安心して職業訓練を受けられるように、失業保険の給付期間とか求職中の支援の体制整備は引き続き必要だろうというふうに思っております。
 もう一つは住宅政策についてですけれども、主に三つ海外では行われています。
 一つは、日本でも一部行われていますが、公営住宅です。この公営住宅の整備は、日本はもう高度経済成長期以降はやめてしまっていますので、どちらかというともう縮小傾向があって、全体の住宅のうちの三%程度しか今公営住宅って用意されていませんので、UR入れても五%から六%くらいですから、もうほとんど持家と民間賃貸に依存していると言っていい状況だと思います。
 例えばフランスだと、その年にもよって違いますけれども、大体おおむね二〇%前後公営住宅が用意されていますので、おおむね貧困率の全体、要は低所得の人たちには提供できる、あるいは若者であるとか高齢者であるとかそういった人たちには提供できる十分な量が保障されているというんですか、これは災害が起こったときにも有効なストックがあるということになるかなと思います。
 あとは、二番目に、社会住宅と呼ばれるような、民間の市場に任せて、要するに家を建てたい、アパートを建てたいという場合には、低所得の人に貸せばその分税制優遇を入れるとか建設費の一部を補助するということで、なので、これは市場のメカニズムに委ねる形で社会的な住宅、低家賃の住宅を供給するという仕組みを取っています。そうしないと、実は普通にアパートを建てたらどうかというと、立派な建物を建てれば当然家賃高くなりますし、そこからは低所得者、様々な事情がある人は排除されるという傾向はありますので、公営住宅並みに低家賃にして貸すのであれば、その分は一部助成をするという形を取っているのが社会住宅ですかね。
 あと三つ目には、やっぱり家賃補助制度というものがあって、これは企業がずっと行ってきましたが、家賃の一部であったり半額であったり全額を補助するという、所得に応じて行うということを取っています。
 この住宅補助制度、家賃補助制度というものは、今、日本だとどうかというと、生活保護受給者の住宅扶助と失業された方たちに対する住宅確保給付金のこの二種類しかなくて、極度に貧困に陥らなければ支給しないという仕組みになっていますので、ほかの諸外国はとことんまで困る手前で、低所得の間には保障するとか、ある程度手前でサービスを入れていくということをやっていますので、そもそも困らないという仕組みですかね。なので、防貧制度として、貧困に至る手前、貧困を防ぐための制度として住宅政策を位置付けているということがやっぱり特徴かなというふうに思っております。
 いずれにしても、この三つどれもやっぱり弱い、欠けているということが日本の若者の生きづらさ、全部自分で労働で住宅を手に入れないといけないというふうになっていますので、苦しいという状況かと思っております。

発言情報

speech_id: 119314324X00220170215_086

発言者: 藤田孝典

speaker_id: 1590

日付: 2017-02-15

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会