樋口美雄の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(樋口美雄君) 御質問ありがとうございます。
まず第一点、高齢化社会というのが国民に不安を与えているんじゃないかと。特に、いろんな意味での不安というものが、個々人の活動というものをある意味では積極性を欠くといいますか、というような内向きの思考というような形になっているんじゃないかというような御指摘だと思いますが、まさにそういった動きというのが見られるかというふうに思います。
先ほど、企業についての設備投資でありますとか、あるいは人材に対する投資というのがどうも減っているんじゃないかというようなことを申し上げました。かなり内部留保というのが増える一方において、積極的な行動というものが見られないんじゃないかというようなことと相通ずるかと思いますが、それぞれの世帯においても、例えば所得のかなりの部分というのがやっぱり貯蓄というような形で、貯蓄の最大の理由というのは将来不安に対する対応という形で、ある意味では消費が伸びないというようなところというのが起こっているわけでありまして、この生活不安、特に持続可能な社会というものに対する不安といったものを改善していくというようなことは緊急に進めるべきであろうというふうに思います。
そのときに、じゃ、どういうふうにやればいいのか。構造改革といったものも必要でしょうし、税制であるとか、そういったところについての改革というのも私は必要だろうというふうに思います。それと並んで、やはり意欲と能力を発揮できるような社会環境というようなものをつくっていくこと。言うならば、単に翼を補強していく、要は殻の中に閉じ込んでいれば大丈夫ですよというような形でのその生活の不安を取り除くというよりは、むしろ自ら翼を補強することによって、能力開発をすることによって、あるいは雇用面についていろんな活性化を図ることによって、それを発揮できるような社会をつくっていくというようなことが重要ではないかというふうに思っております。
まさに二番目の答えというのもそれに通ずるところがございまして、それがなかなか、失われた二十年の中で後退してきたなというのが実感であります。その結果が、ある意味では格差の問題とか、あるいは先ほど御指摘いただいた大学生の就職問題であるとかというようなところで顕在化してきているのかなというふうに思っております。
以上であります。