常見陽平の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。
その前に、済みません、岩渕先生が先ほどされた長時間労働問題について少しだけコメントをさせていただいてもよろしいでしょうか。
私は今、実はここにゲラがあるんですけど、「なぜ、残業はなくならないのか」という本を四月に発表する予定です。そこで全ての主張が書かれていますけれども、私はその長時間労働の規制に関してはちょっと丁寧な議論が必要だなというふうに思っております。
〔会長退席、理事風間直樹君着席〕
まず、皆さん、結構生きるか死ぬかの議論をしていて、それはすごく大事なんですが、過労自死と過労死って違うんですね。もっと言うと、実際問題としてみんなが苦しんでいるのは、ごめんなさい、死んだ人とか自ら命を絶った人を悪く言うつもりじゃ全くないという前提の下でお話ししますけれども、結局、配偶者が仕事が忙し過ぎてうつで倒れたとか、そういった問題といったものが企業で頻発しているわけで、死ななければいいという話じゃないと。そもそも健康を害さずに働くという段階の議論をまず始めないといけないというふうに私は強く訴えたいと思います。
実際、私、倒れてうつになったんだけれども、その後、私は三千円の生命保険に入れなかったんですからね、五年間。ということですから、住宅ローンの組み直し、これはもちろん無理です。そういうのもあるからなかなか、しかも負けたくないからうつだって認めたくないんですよ、労働者も。ということで、まず現実レベルでの話をしないといけないなということで、生きるか死ぬかは大事ですけど、それだけの議論では良くないなと思います。
もっと言うと、私は規制に対しては賛成か否かで言うと賛成ですが、これは段階的に丁寧にやるべきだと思っています。今の、私は、去年、過労死等対策白書が発表されたと思いましたけど、ああいったものを見ると、経営者サイドでも労働者サイドでも残業の原因として大きく出てきているものは仕事の絶対量の問題なんですね。業務量ですとか突発的な依頼が多いというもので、今の対策というのはそこに効かなくはないんだろうけれども、そもそもその実態を捉えていないがゆえに、そこで規制が始まるとサービス残業が誘発されると。
実際、例えば朝日新聞始め全国紙が、電通で十時退社になったときに電通マンがどうしているかという記事を昨年の末に載せていましたけれども、結局持ち帰りが増えているみたいなことがあるということで、ある大手の衣料製造販売会社でもそういったことが起きていたということを東洋経済新報社が二〇一三年に報道しているんですけれども、そういったことで、規制は決めたぞ、みんなが守るの当たり前だぞということで、結局、分かっているなということでサービス残業が誘発される社会にしては私は良くないと思います。
済みません、元々の依頼の前にこれだけは言わせていただきたいということで失礼します。
この問題ですけど、いわゆる奨学金返せない、大学もバイトで大変だということなんですけれども、そもそもこの問題がなぜ起こっているかということに立ち返った方がいいと思うんですよね。それはみんなの収入が落ちているからでしょうということと、もう一つの問題は、大学に行かざるを得ない世界になったということも一つの問題です。これはどちらが先かという問題なんですけれども、十八歳人口に対して五〇%の人が大学に行く、一方で、十八歳で今働いている人は二割なんですけれども、だけれども、働いているというのは社員だ何だという形ですけれども、アルバイトは除くですが、いわゆる求人の数が少ないわけですよね、高校卒業者の。ということで、そういったことを考えて大学に行かざるを得ない。
これは国のデザインだと思いまして、よく日本の大学は多過ぎだ論というのがありますけれども、あれも雑な議論でして、ある分野では全然足りないです。例えば情報系の大学はどんどんつくってくれというふうに思います。社会が情報化が進んでいるのにその学部、学科が少ないんですから。ということですとか、地域による差もありますということなんですね。
〔理事風間直樹君退席、会長着席〕
結局、そこで大学に行かざるを得ない人たちがいて、そこで、一方で世の中全体が貧しくなっている、それは当然返せないというスパイラルになっているということに踏み込んでいかないといけないなというふうに思っています。そして、そこは、これはもう新卒一括採用がよく批判されるんですけれども、実は共犯関係で進んでいて、奨学金を、大学、借りたからにはすぐ働いて返さないといけない社会というのをみんなでつくっているわけですよ。
ということなので、教育、労働を含めて社会のデザインをどうするかということを今日集まった政治家の皆さんには問いかけたいと思いますし、私自身も考えていきたいと思います。
以上でございます。