小林信一の発言 (農林水産委員会)
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○参考人(小林信一君) 一つは、所得の向上になっていないという点ですけれども、これは私が触れましたけれども、生産者が自由に出荷先を選べるという、ある意味では非常にいい言葉なんですが、結果的には生産者がばらばらになるということで、生産者は一人一人では非常に小さい、弱い、メガ、ギガでさえもメーカーなんかに比べれば小さい存在ですから、それが個々に対応していたらやはり太刀打ちはできない、乳価交渉においても。
これもメガの方々にも言っているんですけれども、そういう意味で、畜安法が改定されるということになると、不足払い制度が入る前の、あのときは、先ほど土屋参考人の方からも御説明ありましたけれども、乳価が乱高下する、集乳合戦があったりあるいは集乳拒否があったりというふうな、そういった状況があって、それで、酪農家が何十万人動員、一致して反対集会なんか開いたという、そういった時代がありましたよね。そういうことにまた、まあ何十万はいないですけれども、なってしまうのではないかと。乳価の乱高下というふうな形があって結果的には所得が安定しないと、それがやはり大きな問題であろうと。
今回、競争力強化支援法関連八法の中に収入保険制度というのがあって、それが導入されるということですけれども、それが、畜産関係では酪農だけなんですよね。ですけれども、我々は収入をピン留めしてほしいというわけではなくて、先ほど石沢さんがおっしゃったように、所得なんですよね。
一番やはり問題なのは、先ほど来問題にされているように、コストが非常に高くなっていると。私は生乳一キログラム当たりの所得をずっと追っかけているんですけれども、二〇〇〇年以降、平成十二年の改革以降、確実に一キログラム当たり所得は下がっています。最近は乳価が高くなっているんですが、コストが高くなっているので結果的に所得が下がるということで、最近は、先ほど来お話があったように、個体販売価格があるいはバブルということで良くなっているんですが、これは非常に危ない、おっかないというふうに私は思っています。あと二年ぐらいしたら、それがはじけたときに一体どういうふうになるのか。
これは肉牛経営もそうですけれども、肉牛が、九十万、百万の子牛を買って、二年半後に百五十万で売れるのか、そういう問題が当然あるんですけれども、それに対する対策があるのだろうかと。新マルキンが法制化されるといって、TPP絡みでそれが流れてしまったというふうに聞くんですけれども、本当に是非考えていただきたいんですよね。今日は酪農の話ですけれども、酪農も、個体販売がここまで高くなって、いっときはいいんですが、それがバブルになる、はじけたときにどうなるのかということが大きな危惧としてあります。
それからもう一つは、クラスター事業も私当初は非常にいいと思ったんですが、これは地域が全体を支えるということで、これは、ある意味ではソフト事業だったはずだったのが、今は融資事業になってしまって、金借りろ、大規模化しろ、これもある意味では罪つくりだと思います。借りて、結果的には固定化負債、これは、一九八〇年代に北海道の三分の一の農家が固定化負債でもう駄目だというふうになって、農協さんがもう引導を渡すというか、そういうふうなこともありました。そういうことがまた起こってしまうんではないかという、そういう危惧があります。
それに対してのセーフティーネットがないということで、ちょっと外れてしまいましたけれども、所得の安定ということでいうと、しっかりとした指定団体があって、それが支えているということと、それから、コストを、今のような配合飼料価格基金ではなくて、自給飼料をもっと促進して、安く飼料が手に入るというふうなことをやるとか、そういった仕組みにしていただくということが一つの方法ではないかというふうに思っております。
ちょっと長くなったので、これぐらいにします。